15ミニッツ (ＦＩＦＴＥＥＮ ＭＩＮＵＴＥＳ)
（2001年 アメリカ）（上映時間2時間１分）
監督・脚本：ジョン・ハーツフェルド
出演：ロバート・デ・ニーロ、エドワード・バーンズ、ケルシー・グラマー、
エイヴリー・ブルックス
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＜ストーリー＞
ニューヨーク市警の刑事エディ・フレミング(ロバート・デ・ニーロ)は、捜査
同行リポートがＴＶで放映されるほどの人気者。ある日、放火殺人事件が起き、
その現場でエディは、消防局の放火捜査員ジョーディ・ワーソー(エドワード・
バーンズ)と出会う。事件の犯人は、東欧からやってきて裏切り者を殺したエ
ミールとオレッグ。彼らはエディの人気に目をつけて、それを利用しようとす
るが……。
＜レビュー＞
これはスゴイッ!! (゜o゜;
刑事モノのサスペンス。でも、犯人は最初からわかっちゃってるから、謎解き
の面白さはまったくナシ。それなのに、最後まで少しも飽きさせないのだ。
物語の中心になる刑事はニューヨーク市警のエディ。雑誌「ピープル」の表紙
を飾ったりＴＶニュースにも顔を出す超有名人で、メディアを捜査に積極的に
利用する。
そして、彼の相棒が消防局の放火捜査員ジョーディ。名声にはまったく興味が
なく、捜査のことしか頭にない。
２人が初めて顔を合わせたのは、ある放火殺人現場。
事件の犯人は、東欧から来た凶悪犯のエミールとオレッグ。銀行襲撃の分け前
を受け取るため、仲間を訪ねて米国へやってきた彼らは、金を使い込まれたと
知って仲間とその妻を殺害、そして放火する。
この２人の犯人もかなり強烈な個性の持ち主だ。エミールは文字通り凶悪なヤ
ツだが、冷徹な頭脳も持ち合わせている。一方、オレッグは大の映画ファンで、
ビデオカメラを盗んで自分たちの犯行を「作品」として記録する。
彼らによる最初の事件は、ある女性によって目撃されていた。エディとジョー
ディは、彼女を探し出して証言を得ようとする。
だが、その間にも、犯人たちは新たな犯行を起こす。
そして、犯罪者さえも有名人になれるアメリカのメディア・パワーを知った彼
らは、自分たちも有名人になろうと考える。そのための手段に選ばれたのが、
超有名人のエディだった……。
うっひゃ〜!! とにかく、予想もできないスリリングな出来事が次々に起きる
んですヨ。全編、ニューヨーク・ロケによる迫力ある映像。そこに、犯人が撮
影したビデオカメラ越しの映像を織り込むことで、まるでドキュメンタリーの
ようなリアルな臨場感を生み出しているんです。 (☆o☆)
主要な登場人物のキャラも、どれも個性的で魅力タップリ。特にデ・ニーロ演
じるエディと、バーンズ演じるジョーディという対照的な２人のコンビネーシ
ョンが面白い。２人の人間味あふれる描き方は、殺伐としたこのドラマに奥行
きを与えている。 (^-^)
どんなに緊迫感のある映画でも、たいていどっかでダレちゃうものだけど、こ
の映画にはまったくと言っていいぐらいそういう部分がないんだよねぇ〜。
途中で、デ・ニーロのロマンス話が出てきた時は、「あれあれ、ここからちょ
っと中だるみかな？」と思ったんだけど、それは早トチリ。実際は、すぐにま
た意外な、そして衝撃的な展開に突っ走ってしまうのだッ！
うーん、なんとスリリングなんでしょ〜。おかげで眠るヒマもなかったゾ。
（って、映画館で眠るなぁ〜!! o(・_・)○☆パンチ！ ）
それに、この映画、面白いだけじゃないんデス。社会批判がキッチリ込められ
た硬派な映画でもあるワケ。
人々にウケるためだったら、どんどん過激な方向へと走っていくメディア。そ
れを利用して有名になる犯罪者。そして、どんな凶悪犯人でも、裁判でうまい
こと言い逃れすれば刑を逃れられる法制度。
（日本でも、同じようなことがあるでしょ？ 保険金殺人の犯人が有名人にな
っちゃったり……。）
かつてアンディ・ウォーホールは「誰でも15分間は有名人でいられる時代がく
る」と予言したらしいけど、まさにその通りになってしまった現状に対する痛
烈な批判が、キッチリと描きこまれているんです。
そういうことを考えると、ただ面白いだけじゃなくて、スゴ〜ク深い映画だと
思うな。
おっと！ だからと言って、けっして理屈だらけの難しい映画じゃないですか
らね。
あくまでもエンターティメントとして観客を楽しませたうえで、そういうメッ
セージを加えています。
だってさぁ、途中の火災のシーンなんて、カンペキに『バックドラフト』のイ
イトコ取りじゃん！（そういえば、あの映画にもデ・ニーロが出てたな。彼っ
て火事フェチ？）
そういうパニック映画の要素まで入れ込んで、観客を楽しませてくれる。その
サービス精神は実にアッパレでごじゃる！ ＼(^O^)／
ところで、この映画には大胆なチャレンジがあります。なんと主演のデ・ニー
ロが途中で××××××て、△△△△△△しまうのです。さ〜て、いったいど
うなるのでしょう？
うーん、ここまで出かかってるんだけど、どうしようかなぁ〜。
でも、もったいないから、やっぱり言わないよ〜ん。自分の目で確かめてネ。
（ケチッ！）
《ぽちのオススメ度》
★★★★☆
（ウルサ型の評論家にはイマイチ評判が悪いこの作品。でも、充分に楽しかっ
たもんね。やっぱり僕ってヒネクレもの？ でも、ま、骨太なドラマが好きな
方にはピッタリだと思いますヨ。）
＜ぽち＞