エイリアンVSヴァネッサ・パラディ(ATOMIC CIRCUS)
(2004年 フランス・ドイツ・イギリス)(上映時間1時間31分) 監督:ディディエ&ティエリー・ポワロー兄弟 出演:ヴァネッサ・パラディ、ジェイソン・フレミング、ブノワ・ポールヴー ルド、ジャン=ピエール・マリエル、ベナンティノ・ベナンティーニ * 池袋シネマサンシャインほかにて全国公開 ホームページ http://www.avvp.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> 片田舎の町にやってきたスタントマンのジェームス・バタイエ(ジェイソン・ フレミング)は、偶然出会った美しい女性コンチャ(ヴァネッサ・パラディ) にひと目惚れする。2人は恋に落ちるが、コンチャの父親ボスコは交際を認め ようとしない。そんなある日、町のフェスティバルが開催され、ジェームスが スタントに失敗。ボスコの策略によって133年の禁固刑を言い渡されてしまう。 やがて、ジェームスは脱獄してコンチャのもとに向かうのだが……。 <レビュー> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 デップの嫁が活躍するパンクなB級SF映画 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 フランスを代表する歌手で、女優。というより、最近ではジョニー・デップの 嫁として知られるヴァネッサ・パラディ。5年ぶりの映画出演がこの作品。 邦題を見て、ヴァネッサがそのまんまの役名でエイリアンと対決するのかと思 ったらそうではありませんでした。彼女が演じるのは田舎町の美しい歌手志望 の女のコ、コンチャ。そして、彼女に恋するのがスタントマンのジェームス。 しかし、コンチャの父親は2人の交際に大反対。ある日、ジェームスがバイク のスタントに失敗して、父親の店をメチャクチャにしたことを利用して、ジ ェームスを133年の禁固刑にしてしまう。 そう聞いただけでもうおわかりでしょう。この映画ッたら、とんでもないB級 映画なんです。コンチャの父親ボスコをはじめ、ワケのわからん人物が次々に 登場して、オバカとしか言いようのない行動を繰り広げる。"くだらねぇ〜"笑 いがあちらこちらに散りばめられた、これ以上ないぐらいB級な映画。 その中で、まともなのが主役のヴァネッサ。キュートな魅力がサクレツし、歌 声もタップリ披露とくれば、そりゃあB級映画といえども出演OKするよねぇ 〜。 (⌒_⌒) 中盤は、ジェームスが脱獄し、その一方でブサイクな宇宙人が地球に襲来。町 には、自称音楽プロデューサーのアランがやってくる。コンチャに目を付けた 彼は、彼女を自分のものにしようと企む。だが、宇宙人たちが人間を襲い始め ……。 というあたりからは、ますますB級SF映画の匂いがプンプンしてきます。宇 宙人に頭をはねられた人間がそのままバイクを運転するなんて、ほとんどスプ ラッタームービーの世界。もちろん、気味が悪いわけではなく、ただバカバカ しくて笑っちゃうだけですけどね。 中途半端な人間ドラマなんか一切なし。最後の最後まで、ヘンな連中が困った 行動を繰り広げる。まさにルールなしの暴走劇。いやぁ〜、ここまでオバカに 徹してくれるなんて、気持ちがいいぐらいです。 クライマックスは、コンチャ&ジェームスVS宇宙人とその手先の対決という、 普通のSFアクションっぽい展開。だけど、ここも何だかオマヌケでオバカ。 そしてそして、ラストはシュールというかパンクというか、あの結末には誰も ついてこれないでしょう。ワケわからなさすぎぃ〜〜〜!! (^▽^)/ しかも、不思議なのが、B級映画にしては映像が見事すぎること。キレまくり の斬新な映像の連続に圧倒されます。監督は、これが長編デビュー作となるデ ィディエ&ティエリー・ポワロー兄弟。いくら新人だからって、何もこんなB 級映画でそこまで張り切らんでも……と言いたくなるぐらいのスゴイ映像。 最初から最後までやりたい放題の徹底したB級映画に、ヴァネッサの魅力とキ レまくりの映像が加わったワケがわからん映画です。これを「怪」映画と言わ ずして、何と呼ぼうか??? ありきたりのエンタメ映画や、まっとう過ぎる 人間ドラマに飽きたなら、たまにはこんなヘンな映画もよいのでは? (・。−☆ 《ぽちのオススメ度》 ★★☆☆☆(+1/2★) (すさまじいB級SFテイストと、バネッサのあふれる魅力、そして鮮烈な映 像。変わった映画が好きな人にオススメ。ハマる人はハマるかもヨ。) <ぽち> 〔鑑賞データ〕 2005年10月14日(金)池袋シネマサンシャインにて。午後4時40分の回 |