バットマン ビギンズ(BATMAN BEGINS)
| （2005年 アメリカ）（上映時間２時間20分） 監督：クリストファー・ノーラン 出演：クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モー ガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマン、渡辺謙、ケイティ・ホームズ、 キリアン・マーフィ、トム・ウィルキンソン、ルトガー・ハウアー ＊ 丸の内ピカデリー１ほか松竹・東急系にて全国公開 ホームページ http://www.jp.warnerbros.com/batmanbegins/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 少年時代に、目の前で両親を殺されたブルース・ウェイン（クリスチャン・ ベール）は、闇の中に恐ろしい魔物を見る。成長して父の遺した企業を受け継 いだものの、強いトラウマと復讐心が消えず、自らの心の闇を見つめ直す旅に 出る。やがて、ヒマラヤにたどり着き、心の迷いから解放された彼は、ゴッサ ム・シティに戻ると悪と暴力に支配され腐敗の進んだ街を救うため、バットマ ンとなって悪と対決する……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 バットマン誕生秘話。普通に観ればそれなりによくできているけれど…… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 み〜んな知っているアメコミのヒーロー、バットマン。 ティム・バートン監督による『バットマン』（1989）、『バットマン・リター ンズ』（1992）、ジョエル・シュマッカー監督による『バットマン・フォーエ ヴァー』（1995）、『バットマン＆ロビン』（1997）ときて、久々の新作は、 タイトル通りにバットマン誕生秘話。大富豪の息子ブルース・ウェインが、い かにしてバットマンになったかを明らかにします。 今回の監督は『メメント』『インソムニア』のクリストファー・ノーラン。と くれば、ありきたりのヒーロー・アクションものではない「何か」を期待して しまいますよねぇ〜。 ((o(^∇^)o)) その期待に応えるかのように、前半は異色のタッチ。両親を目の前で殺された ブルース少年が、怒り、悲しみ、そして「自分のせいで両親は死んだ」という 罪悪感を抱きつつ、ゴッサム・シティを出て放浪の旅に出る。 そこで、「悪を征するのは悪」と信じる集団と出会い、「いや！ 自分はそう なるもんか。ただの復讐鬼になんかならないぞぉ〜〜〜！！」と心を決める。 そんな屈折した主人公の心の軌跡を追う人間ドラマが展開されます。 もともとバットマンはダークなヒーローなわけで、そのダークさがどこからき たのか、よく理解できる展開です。 ところが、ゴッサム・シティに戻ってからは、ごく普通のヒーロー・アクショ ンものになっちゃうんだよなぁ〜。 (￣ρ￣) バットマンと悪とが正面からガチンコ対決。空中でのアクション、銃撃戦、 カーアクションなどなど見せ場はタップリ。特に見ものなのがユニークな戦闘 アイテムを駆使した戦い。 その迫力はかなりのもので、手に汗握るスリリングな展開の連続です。クライ マックスのモノレールを使った危機一髪のシーンなども手抜かりはナシ。 アクション以外にも楽しいシーンはあって、たとえばバットマンになる決意を したブルースが、秘書や発明家とともにいろんなハイテク装置を揃えていくと ころは、クスッと笑わせるジョークもあって、なかなか楽しい場面。 全体を覆うダークなタッチも、悪に満ち満ちた街の雰囲気を巧みに表現してい て、好感が持てました。 俳優陣も超豪華。マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリー マン（また出てるんかい！）、ゲイリー・オールドマン（珍しく悪役じゃない ゾ！）、ルトガー・ハウアーといった名優＆個性派に加え、トム・クルーズと 婚約しやがったケイティ・ホームズ、期待の若手キリアン・マーフィ、そして、 われらが渡辺謙！（でも、すぐに死にますから！）といった顔ぶれが、この本 格アクションを盛り上げています。 そして、主役のクリスチャン・ベールは陰のあるヒーロー役がピッタリ。『マ シニスト』で30キロ減量した肉体を、短期間で再び鍛え直した根性は見上げた もの。でも、ちょっと肉つけすぎ！？ ということで、ヒーロー・アクションものとして水準以上の楽しさではあるの だが、なんか物足りないんだよなぁ〜。 前半で、正義とか復讐とか、深いテーマを追っかけているからサ。それが途中 からあんまり出てこなくなるのが寂しいのです。クリストファー・ノーラン監 督なら、もっと「何か」があって欲しかったと思うのは欲張り？ 彼の作品だと意識しないで、普通のヒーロー・アクション映画として観れば、 十分にイケてるんですけどね。 《ぽちのオススメ度》 ★★☆☆☆（＋1／2★） （意外性や驚きはありませんでしたが、普通に観れば、けっこう楽しめるヒー ロー・アクション映画だと思います。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年６月18日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後３時30分の回。 |