ビッグ・スウィンドル！(THE BIG SWINDLE)
| （2004年 韓国）（上映時間1時間55分） 監督・脚本：チェ・ドンフン 出演：パク・シニャン、ヨム・ジョンア、ペク・ユンシク、イ・ムンシク、パ ク・ウォンサン、キム・サンホ、チョン・ホジン ＊渋谷シネ・アミューズほかにて全国公開 ホームページ http://www.big-swindle.com/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 韓国銀行から50億ウォンが盗まれ、容疑者の１人、チャンヒョク（パク・シニ ャン）が遺体で発見された。警察は彼の兄、チャンホを出頭させる。事件を追 うチャ刑事は、弟の死亡保険金５億ウォンを手にするチャンホを疑うが、彼が 自分の好きな小説の作者と知って急に態度を変える。そんな中、インギョン （ヨム・ジョンア）という女が現れる。容疑者の１人キムの愛人だという彼女 は、チャンホに接近するが……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 スピード感にあふれたアホアホ詐欺団の犯罪ドラマ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 韓流ファンまたまた大出撃！ でも、なんで？ なに？ ＴＶドラマ「パリの 恋人」のパク・シニャンが主演しているから？ 誰、それ？ 韓流ファンのみなさま失礼いたしました。とにかく韓流ファンと思しき皆様で 客席が埋まっておりました。 で、いきなりカーチェイスだっ！ とはいっても、アクション満載の映画ではありません。冒頭で銀行から金を盗 んだ一味の１人が死亡。そのあとは真相を追う警察や、犯人の兄、一味と関わ りのある女などの現在進行形のドラマを展開しつつ、過去にさかのぼって事件 の発端とその後の経緯を描いていきます。 まあ、なんたって目を引くのがアップテンポな展開ですヨ。どんどん話が進ん でいくし、事件の構図そのものもけっこう複雑なので、油断しているとワケが わからなくなります。ついてきてますか!? 韓流ファンのみなさん。 ( ・◇・)？(・◇・ ) そして、登場人物のキャラクターも秀逸。このテの犯罪映画には、ニヒルで クールな男が出てきたりしますが、この映画の詐欺団はみんなヘン。一応二枚 目っぽい主人公のチョンヒョクも何だかワルガキみたいだし、ニセ銀行マンの オルメ、女グセの悪いニセエリートサラリーマンのツバメ、卓越した偽造技術 を持つガソリンと、個性派の面々ばかり。これを率いるキム先生も一見インテ リながら、壊れると何をするかわからない人物。やれやれ。 (⌒〜⌒) アホアホなコイツらが、韓国銀行の50億ウォンをせしめるべく、アレコレと作 戦を実行する様子がなかなか楽しい。ああいう作戦は普通は考え付かないもの ねぇ〜。しかも、コイツらに加えそれを追う刑事たちもチョーおまぬけで、全 編がユーモアに満ちています。 後半はそこにセクシーだけど、ちょっと抜けているインギョンという女性が加 わって、スッタモンダの大騒ぎ。ますますスピードアップしていきます。 そしてそして、やがてわかる意外な真相。て、おいおい、そんなのアリかよ？ というやや強引な展開ながら、そのままクライマックスへなだれこむ怒涛の パワーは圧巻。 なに？ パク・シニャンはどうだったかですと？ いや、これが説明できないのですよ。説明しちゃうとネタバレになっちゃうか ら。でも、意外なカラクリに基づく演技はかなりのもので、韓流ファンも満足 では？ でも、まあボク的には、ファム・ファタール的な役割の小悪魔美女ヨム・ジョ ンアにＫＯされちまいましたです。なんせ、ボクって、いつも小悪魔や大悪魔 にふりまわされてるからさぁ。 (⌒-⌒) 監督・脚本は本作が初監督作となる新鋭チェ・ドンフン。実話をモチーフに、 綿密な取材をしたというだけあって、なかなか見せてくれます。今後が楽しみ な監督。 登場人物の人間ドラマは底が浅くて、特に復讐というネタの割には、そのへん のギトギトした感じがまったく出てないのが残念。それに、ハラハラするよう なスリルもあまりありません。 しかし、その反面、予想のつかないカラクリとスピーディーな演出で最後まで 飽きることはありませんでした。その点で、エンターティメントとしてはまず まず合格でしょう。 観るなら、くれぐれも速いテンポに乗り遅れないこと。みんな、必死でついて いけぇ〜〜！ ≪ぽちのオススメ度≫ ★★☆☆☆（＋1／2★） （スピード感と、予想もつかない展開は見応え十分。特にダマしたり、タマさ れたりの犯罪小説が好きな方にはオススメかと……。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年12月８日（木）新宿武蔵野館にて。午後1時40分の回 |