カレンダー・ガールズ(CALENDAR GIRLS)
（2003年 イギリス）（上映時間１時間48分）
監督：ナイジェル・コール
出演：ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、ペネロープ・ウィルトン、
アネット・クロスビー、リンダ・バセット、シアラン・ハインズ、ジョン・ア
ルダートン
＊シャンテ・シネほかにて全国公開
ホームページ http://www.movies.co.jp/calendergirls/index.html
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＜ストーリー＞
イギリス・ヨークシャーの田舎町に暮らすアニー（ジュリー・ウォルターズ）
は、夫ジョンを白血病で亡くす。行動的なクリス（ヘレン・ミレン）をはじめ
地元の婦人会の仲間たちは、病院に備品を送るために、自分たちがモデルにな
ったヌードカレンダーを制作しようとするのだが……。
＜レビュー＞
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オバサンたちのパワーが全開！ シニカルな笑いが楽しい
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ボクはこの映画の予告編を誤解していました。
「私はもう55歳よ」「いま脱がないでどうするの？」てのは、ヌードになりた
くないオバサンを説得している場面かと思ったら、そうじゃなかったんです。
１人のオバサンが自分で言っているんですヨ。「だから私は喜んで脱ぐわ！」
ってね。 (＾o＾)／
そういうオバサンたちのパワーがスクリーンに満ち満ちている映画。
婦人会の仲間が夫を亡くし、彼女のために病院にイスを贈る資金を集める。な
〜んて聞くと、どう考えたって涙ウルウルの感動物語と思いきや、ひたすら明
るくて元気いっぱいの映画なのだ。
「カレンダー・ガール」じゃなくて、「カレンダー・オバサン」じゃないか！
などと思ってはいけません。
中心になるオバサンたちは、みんなオチャメで、元気で、実に可愛らしい。
まるで少女のような人たちばかり。なので、この人たちなら、ヌードぐらい
なっちゃうよなぁ〜、と納得させられてしまいます。
しかも、みんな最初から元気！
だから、けっしてオカタイ田舎の婦人たちが、少しずつ変化していくという話
でもありません。
全体を貫くのは、いかにもイギリスらしいシニカルでユーモラスなタッチ。
子供たちが難しい顔をして「いちばん難しい世代なんだよなぁ〜」なんて言う
ので、自分たちのことを言ってるのかと思ったら、母親たちのことだったりし
てね。
特に前半は、笑える度がかなり高い。なかでも、カレンダー作りの過程は爆笑
の連続。男性カメラマンとのやり取りなんて、もう〜、お腹の皮がよじれるぐ
らい笑ってしまいました。 (＾0＾)
そんなヌードカレンダーづくりに向けたオバサンたちの奮闘ぶりを観ているう
ちに、そのパワーに影響されて、こちらまで断然元気になってしまいます。
婦人会の総会にまで乗り込んで訴えるその姿には思わず拍手。 (^-^)//""パチ
パチ
ただねぇ、後半はやや失速です。フツー、こういう映画だとカレンダーづくり
が成功してメデタシ、メデシタになるんだけれど、この映画の後半はその後の
後日談を描いているんです。子供や夫とのあつれきとか、婦人会の仲間同士の
仲違いとか。
で、それはそれで起承転結の「転」の部分だし、ドラマ的に深みを生んでいる
んですが、それにしてはちょっと長いんですよね。
前半の明るく楽しいコメディーと、余りにもタッチが違っちゃうし。
そのあたりをもう少しコンパクトにした方が、全体的な構成からするとスムー
ズに流れたような気がします。そのほうが感動も高まったんじゃないのかな？
(~ヘ~;)
でも、まあラストはホッとする温かみのある終わり方でよかったですね。
ヨークシャーの田舎町の美しい田園風景も、ドラマを引き立てています。
『ゴスフォード・パーク』のへレン・ミレンや、『ハリー・ポッター』シリー
ズのジュリー・ウォルターズなど、ベテランの女優さんたちが文字通り体を張
った演技をしているのにも感心させられます。日本の女優さんだったら、ここ
までやるかなぁ〜。
何にしても、これが実話をベースにした映画というのがスゴイことですよ。よ
くぞこんな大胆で楽しいことをやってくれました。フツーは、こんなこと考え
ないもんなぁ〜。やっぱり女性は強いですねぇ〜。 (*^。^*)
オパサンたちのパワーをもらって元気になれる映画です。ゲラゲラ笑えるコメ
ディーとしても前半はかなりのもの。後半はやや失速したけれど、全体として
はかなり見応えのある映画でした。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（元気になりたい人にはぜひオススメ。オバサンたちのパワーをもらってくだ
さい。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年５月29日（土）池袋シネマサンシャインにて。午後２時40分の回。