コーリング(DRAGONFLY)
（2002年 アメリカ）（上映時間１時間45分）
監督：トム・シャドヤック
出演：ケビン・コスナー、スザンナ・トンプソン、ジョー・モートン、ロン・
リフキン、キャシー・ベイツ、ロバート・ベイリー
ＪＲ．
＊ニュー東宝シネマほか東宝系にて全国公開中
ホームページ http://calling.eigafan.com/
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＜ストーリー＞
医師のジョー（ケビン・コスナー）は、同じく医師の妻エミリー（スザンナ・
トンプソン）を突然の事故で失う。悲しみをうち消すように仕事に没頭する彼
だが、ある日小児ガン病棟のＩＣＵで自分の名前を呼ぶ瀕死状態の少年と出会
う。翌朝意識を取り戻した少年は十字架のような波線を紙に描き、ジョーに見
せるのだった……。
＜レビュー＞
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愛のドラマ？ ホラー・サスペンス？ 宙ぶらりんな感じが引っかかる
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ケビン・コスナー久々の主演作。
ＰＲによると「愛の奇跡を描いたハートフルなラブ・ストーリー」ってことな
んですが、そうなのかなぁ〜？ なんだかビミョーに違う気がするんですけれ
ど……。 (・_・？)
主人公は医師のジョー。妻のエミリーはボランティアの医師として出かけたベ
ネズエラで事故に遭い、急死してしまう。
妻を失った悲しみをうち消すように働くジョー。上司の休暇命令も拒否をする
。そんなある日、小児ガン病棟のＩＣＵで自分の名前を呼ぶ瀕死状態の少年と
出会い、意識を取り戻した彼から十字架のような波線を見せられる。それをき
っかけにジョーの周囲では不思議な出来事が次々に起きる……。
ジョーの気持はよーくわかります。なんたって、遠く離れた土地で妻が死に、
遺体さえ見つからないんですから。
「もしかして生きているのでは？」と思って悩み苦しむ心情は、察して余りあ
る。
だけど、観ていて気が滅入っちゃうんですよね。臨死体験だとか、夢の中の話
だとかが延々と続く前半はかなりツライ。話の中身はありがちで、そんなに驚
くようなものではないしサ。いくら背景に、妻への強い愛情があるといっても
ねぇ。 (´ヘ｀;)
それに主人公の葛藤もイマイチ見えてきません。
「まさか妻がメッセージを送っているのでは？ いやいや、そんなことあるは
ずがない。でも、やっぱり……」という迷いがあんまり見えてこないんです。
ただ超常現象に右往左往しているだけなんだもん。
愛の絆を描いた人間ドラマなのか、それとも超常現象を追求したドラマなのか
。どうにも中途半端な感じです。どうせなら、不可思議現象の謎を主人公が探
っていくホラー・サスペンスにしちゃえ〜〜！！ (＾o＾)／
な〜んて思っていたら、後半はそうなっているんですよ。本当に。
少年の臨死体験や、例の十字架のような波線の謎をめぐって、主人公があれや
これやと真相に迫っていく。生前妻が好きだったトンボ（原題のＤＲＡＧＯＮ
ＦＬＹはそこから）なども使って、なかなか見応えあるシーンを展開していま
す。
ただねぇ、その真相が案外つまらないんですよねぇ。「そんなこと、もっと早
く気づけよ！」って感じ。 (｀ヘ´)
そこからラストに至る展開はそれなりに盛り上がるものの（唯一のアクション
シーンもあり）、あのラストはどうなんだぁ？ うーむ、個人的には好きじゃ
ないんだよなぁ。ああいうの。話が出来すぎてるもん。あれこそ生命の神秘？
感動する前に笑っちまいましたぜ。
まあ、全体としては、それなりによくできた映画だと思います。きめ細かで、
ていねいな演出（『パッチ・アダムス』（1998）のトム・シャドヤック監督）
がいいし、ケビン・コスナーの抑え目の演技もシブイ。
でも、やっぱり前半に感じた陰鬱さがどうにも心に引っかかったままでした。
後半はやや持ち直したものの、愛のドラマとしては主人公夫婦の心のふれあい
が心を揺さぶるところまではいかなかったし、ホラー・サスペンスとしてもか
なり物足りない。うーん、この宙ぶらりんな感じは何なんでしょう。
ネタ的にはナイト・シャマラン監督の映画と共通する部分があるんですけどね
。ああいうふうに確信犯的に仕掛けで見せる映画じゃないし、「ラブ・ストー
リー」にしては深みに欠けるし……。
というわけで、残念ながらボクにはしっくりきませんでした。まったく感動も
できず。これって、超常現象に対するボクのお勉強が足りないせいかしらん？
ついでに言わせてもらえば、せっかくのキャシー・ベイツをあんなフツーの役
で使うのも、何だかもったいないよなぁ〜。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
（愛のドラマとしてはパンチ不足。ケビン・コスナーのファンや超常現象好き
にはいいかもね。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年６月４日（水）ＨＵＭＡＸシネマズ４にて。午後２時20分の回。