キャラバン (HＹMALAYA- L'ENFANCE D'UN CHEF)
（1999年 フランス・イギリス・ネパール・スイス）（上映時間１時間48分）
監督・脚本：エリック・ヴァリ
出演：ツェリン・ロンドゥップ、カルマ・ワンギャル、ラブカ・ツァムチョエ、
グルゴン・キャップ、カルマ・テンジン・ニマ・ラマ
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＜ストーリー＞
ヒマラヤの奥深いドルボ地方の村に、キャラバンが帰ってくる。だが、その旅
の途中で村の長老ティンレの息子ラクパが事故死していた。ティンレは、旅に
同行した若者カルマが、自分が長老になるために仕組んだと言い張る。やがて
新しいリーダー選びが始まりカルマを推す声が高まるが、ティンレは激しく抵
抗。孫のツェリンが指導者にふさわしい力を持つまで、自分が隊列を率いると
主張する。それを聞いたカルマは、若者たちを集めて独自のキャラバンを組織
して旅立ってしまう……。
＜レビュー＞
険しい山が多く、小さな畑しか作れないヒマラヤの山岳地帯の村。
そのため人々はヤクの背に塩を載せて運び、食料である麦と交換するキャラバ
ンを率いて、遠く離れた農村地帯まで交易の旅に出かけていた。
そのリーダーをめぐる争いが、この物語の中心。
対決するのは長老ティンレを中心とする老人グループと、カルマを中心とした
若者グループ。
ティンレは、彼の後継者になるはずだった長男がキャラバンの途中で事故死し
たことに不審を抱き、カルマのしわざではないかと疑う。だから、次のキャラ
バンのリーダーにカルマを推薦する声が上がっても強硬に反発。孫のツェリン
が指導者になるまで、自分がリーダー役を務めると主張する。
（￣＾￣）
やがて、次のキャラバンが旅立つ日が神託によって占われる。だが、カルマは
その日よりも早く出発すべきだと主張して、村の若者たちと大多数のヤクを率
いて出発してしまう。
一方、長老ティンレも、カルマより遅れてキャラバンを率いて旅立つ。だが、
そこに参加したのは、ほとんどがキャラバンから遠ざかっている老人たち。そ
して、孫ツェリンとその母ベマ、僧として修行の日々を送っていた次男ノルブ
など、なんとも頼りないメンバーだった……。 (´ヘ｀;)
というわけで、長老と若者、神に頼る者とそれを無視する者という、とっても
わかりやすい対立が軸になっているんですねぇ〜。
「ヒマラヤの大自然の中を進むキャラバンの物語」と聞いて、ドラマ性の少な
いドキュメンタリー・タッチの作品なのかと思ったんですけど、実際はそうじ
ゃありませんでした。
長老、若者、少年、その母ｅｔｃ．……、そんな登場人物たちの心理をしっか
り押さえた、ガッシリした人間ドラマになっておりましたヨ。ええ。 (^-^)
ただ、まあ対立から和解へと進む展開は、カンペキに先が読めちゃってつまら
ない。 (｀ヘ´)
これといった意外性もナシ。おいおい、そんなにウマク話が進むかぁ〜？？？
てところもいくつかありましたね。
それでも、ヒマラヤの大自然の圧倒的な迫力が、多少の欠点なんか隠しちゃう
んですヨ。
特に、ティンレたちが"悪魔の道"と呼ばれる崖の道を通るところは圧巻！
断崖絶壁、道なき道を苦労しながら進んでいく。下を見ればはるか遠くに青い
湖。うぅ〜、高所恐怖症の人にはたまりませ〜ん！ (
゜_゜;)
もちろん、ただコワイばっかりじゃありません。
ふだんの大自然はひたすら穏やかで美しい。 (*^。^*)
だから、それが一度キバをむくと、なおさら恐ろしく感じられるわけ。
ラスト近くの猛吹雪の迫力もタダモンじゃありません。観てるだけで凍死しそ
う〜。
この映画の監督さんは、ジャン・ジャック・アノー監督の『セブン・イヤーズ
・イン・チベット』（1997年）でユニット・ディレクターを担当したエリック
・ヴァリ。実際にネパールに住んでいるだけに、土地と人々の魅力を知り尽く
している。
だから、ヒマラヤの大自然、土地の人々の生活、習俗なんかを、ほとんど手を
加えないで、そのまま忠実に描写しているのだ。
ＳＦＸをバチバチ使わなくても、ちゃ〜んとこれだけのド迫力のドラマがつく
れるわけですよ。
しかし、残念なのはこの映画、ビデオだと魅力が半減しちゃうこと。
ビデオでこれだけ迫力があるんだから、映画館で観たらスゴかっただろうなぁ
〜。今さら悔やんでもしょうがないんだけどサ。 ┐(´-｀)┌
これからビデオで観る方は、せめて大きなプロジェクターでも買って観ましょ
う！
え？ プロジェクターを買う金はどうするって？
んなこたぁ、知らん！ 僕だって持ってないんだからサ。
自分でｔｏｔｏでも当ててくれぇ〜！ (＾0＾)
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（これ、ビデオで観た評価。映画館で観たら、あと１つは★が増えたと思う。
うーん、映画館で観たかったぁ〜。 o（＞＜;）o）
＜ぽち＞