セルラー(CELLULER)
（2004年 アメリカ）（上映時間１時間35分）
監督：デヴィッド・R・エリス
出演：キム・ベイシンガー、クリス・エバンス、ジェイソン・ステイサム、ウ
ィリアム・H・メイシー、ノア・エメリッヒ
＊、日比谷映画ほかにて全国公開
ホームページ http://www.herald.co.jp/official/cellular/
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＜ストーリー＞
高校の生物教師ジェシカ（キム・ベイシンガー）は、突然家に侵入してきた男
たちに拉致され、見知らぬ家の屋根裏に監禁されてしまう。ほかに頼るのもなく、
目の前の破壊された電話機を直そうとするジェシカ。とうとう、電話はつながっ
たものの、相手は見知らぬ男。必死で状況を説明するジェシカだったが、ライア
ン（クリス・エバンス）という男は、イタズラと判断してまったくとりあわない
のだった……。
＜レビュー＞
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ネタ一発でこれだけおもしろくなるなんて、なんだか悔しい……
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悔しいなぁ〜。悔しいよぉ〜。 “””(ノ_・、)”” “
だって、この映画ったらネタ一発なんだもの。日頃、「人物の心理描写がダメ！」
とか「構成が甘い！」なんて文句をつけているボクにしてみれば、ちょっとシャ
クにさわる映画なのでした。
そのネタとは、＜見知らぬ女性から電話がかかり、「誘拐された！ 助けてっ！」
と言われたらどうするぅ〜〜〜？？？？？＞というもの。
ただそれだけで、あとはな〜んもナシ。だのに、だのに、これだけおもしろく
なってしまうなんて……。
ホント、ネタだけなのヨ。
主人公の女性が誘拐される。
→監禁された部屋には破壊された電話のみ。
→一生懸命線を接続したら電話がかかった！
→相手は見知らぬ男の携帯。
→「誘拐された！」という主人公の叫びを「冗談でしょ」と無視する男。
→でも、やっぱりヘン。もしかして、ホントに誘拐されたの？？？？？？
てな調子で話がコロコロ転がっていくのです。
「あーあ、もうちょっとだったのにぃ〜〜」、「わ！ 危ないッ！」というハ
ラハラドキドキの連続。たとえば、警察に行って事情を説明するが相手にされず、
女性の子供を救おうとしたら犯人グループにタッチの差で奪われ、夫もまたカッ
さらわれて……。まさにノン・ストップなサスペンスなのでした。（￣□￣；）
おまけに、ネタにしているのが携帯電話ですからねぇ〜。電波が混戦したり、
バッテリーが切れそうになったりと、小ネタがポンポンと繰り出せるワケ。だか
ら、なおさらハラハラするのです。
こうして監禁された女性と見知らぬ男が、電話を通じてタッグを組み、凶悪な
犯人たちに挑み、やがて彼女が誘拐された真の目的が明らかになる。そして、主
人公一家の運命ははたして……という緊迫のドラマ。
とはいえ、よく考えれば、あんな普通のケーハクな若者が、たった一人で事件
に首を突っ込むなんてどう考えても不自然でしょう。バリバリのカーアクション
や銃撃戦にまで参戦するなんて、そんなことねぇヨ！ )｀ε´(
バッテリーが切れそうになったら携帯電話ショップが出現！ なんて、都合よ
すぎのところも平気でドンドン登場します。
でもねぇ、そういう困ったところを、み〜んな力技でねじ伏せて、ブンブンと
カッ飛ばしていくのです。この破壊的に無節操なパワーには、もう降参です。
”””(_ _,)/~~”” “
観ていてグウの音も出ませんでしたヨ。グウ〜〜（出てるから……）。
ラストも携帯をうまく使った盛り上げ方。おまけに、エンドタイトルまで携帯
画面を利用する徹底ぶり。
そうそう、「ネタだけ」と言いましたが、それに加えて、役者も良かったです。
主人公の女性を演じたアカデミー賞女優のキム・ベイシンガー。偶然彼女を助
けることになった青年役のクリス・エバンス。誘拐犯のリーダー役のジェイソン・
ステイサム。巡査部長役のウィリアム・H・メイシー（『ファーゴ』やＴＶドラ
マの『ＥＲ』でおなじみ）などが、みーんなハマり役。特に、27年間一度も銃を
撃たずにきた巡査部長が、ダーティハリーも真っ青のコワい警察官に変身すると
ころでは思わず笑っちゃいました。
携帯というアイテムが幅を利かせる、今だからこそできた映画。
こんなネタだけで突っ走った映画をホメるのは悔しいのだが、おもしろいのは
確かだから仕方がない。
でも、はっきり言って、登場人物の心理なんかは全然描けていないし、観終わ
って何かが残る映画じゃないですから！（てのは、負け惜しみ？）。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（単純でありえねぇ〜話ながら、ネタ一発でまずまずスリリングなサスペンス
に仕上がっています。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2005年２月28日（月）池袋ＨＵＭＡＸシネマズ4にて。午後4時10分の回。