チャーリーとチョコレート工場
(CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY)
| （2005年 アメリカ）（上映時間１時間55分） 監督：ティム・バートン 出演：ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、ヘレナ・ボナム＝カーター、 クリストファー・リー、ミッシー・パイル、ノア・テイラー ＊ 丸の内ピカデリー2ほか松竹・東急系にて全国公開 ホームページ http://charlie-chocolate.warnerbros.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 謎のチョコレート工場の持ち主ウィリー・ウォンカ（ジョニー・デップ）は、 チョコレートに入っている金色の招待状を引き当てた５人の子供を工場に招待 すると発表する。工場近くに暮らす貧しい少年チャーリー（フレディー・ハイ モア）は最後の１枚を引き当てて、祖父と一緒に工場見学に出発するのだが… …。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ティム・バートンらしい毒のある笑いが楽しめるファンタジー 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お子ちゃま向け映画なのか？ （￣ー￣？） 何となくそう思っていたのです。何しろ原作のロアルド・ダールのロングセ ラー小説「チョコレート工場の秘密」はお子様向けの本みたいだし。 しかし、『シザーハンズ』『エド・ウッド』『スリーピー・ホロウ』同様に、 ティム・バートン監督と主演ジョニー・デップのコンビなので、きっと何かあ ると期待して観にいったのでした。 そしたら、やっぱりあったじゃないですか！ ティム・バートンらしい毒のあ る笑いがタップリと。ストーリーそのものはお子ちゃまの冒険談なんだけど、 それをブチ破るパワーが感じられる映画です。 主人公は貧しい少年チャーリー。４人の祖父母と両親と暮らしている彼が、ナ ゾのチョコレート工場への招待状を手に入れて、５人の子供とともに見学に出 かける……。 てことで、このナゾの工場の内部を工場主のウォンカの案内で旅するという展 開。 この工場ときたら、15年間、誰も足を踏み入れた者もいなければ、出てきた者 もいない。なのに、工場で作られるチョコは日々世界中で飛ぶように売れてい る。いったいどうなっているんだぁ〜〜〜！！ (￣▽￣;) いや、それがスゴイことになっているのです。詳しい話をするとこれから観る 方をガッカリさせるので伏せておきますが、次々に登場する部屋がどれも奇想 天外なものばかり。まるで、ディズニーランドのアトラクションでも体験して いるかのような気分になってきます。途中なんて、完全に「カリブの海賊」だ もんねぇ〜。 ちなみに、ボクがいちばんおもしろかったのは、リス。あれは笑えましたねぇ 〜。 しかも、こうした部屋を通るうちに、５人の少年たちの身の上にとんでもない ことが起きるのです。その子供たちがワガママだったり、食いしん坊だったり と困った子ばかり。そのため、基本は勧善懲悪の筋書きですが、あれははっき り言ってそんな水準を越えてます。強烈な毒素です。考えようによっては残虐 に思えるほどだもん。 この毒々しい笑いの攻撃を、はたしてお子ちゃまたちはどう受け止めるのや ら？ まあ、ボクのような大人は素直に楽しかったですけど。 『2001年宇宙の旅』のパロディなんかも、お子様映画って感じじゃないですよ ね。 そして、ラストは父と子、家族などのテーマに落としこんでいくあたり、『ビ ッグ・フィッシュ』など最近のティム・バートン作品と共通する雰囲気。でも、 なんだか平凡すぎてイマイチでしたね。どうせなら、もっとパンクな結末にし て欲しかったなぁ〜。 役者ではやっぱりウォンカ役のジョニー・デップ。持ち前のアヤシサがナゾの 工場主にピッタリ。大人になれない大人の感じがうまく表現されていました。 しかし、この映画で一番目だったのは、たった１人でウンパ・ルンパ族全員を 演じて歌い踊ったディープ・ロイかもしれません。怪演という言葉がふさわし い活躍ぶり。 ティム・バートン作品の中で、特に素晴らしいというわけではありませんが、 まずまずの映画だと思います。物語そのものにはあまり魅力がありませんが、 奇想天外なファンタジー・シーンは魅力たっぷりだし、毒のある笑いも楽しい ので、そのあたりに注目して見ましょうね。 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ （毒のある笑いに満ちたファンタジーで、大人も子供も楽しめそう） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年９月19日（月）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後４時40分の 回。 |