チャーリーズ・エンジェル (ＣＨＡＲＬＩＥ'Ｓ ＡＮＧＥＬＳ)
(2000年 アメリカ)(上映時間１時間38分)
監督：マックジー
出演：キャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー、ビル
・マーレー
＜ストーリー＞
ハイテク業界の大物ノックスが誘拐された。優秀なソフトプログラマーでもあ
る彼は、極秘裏に開発した「音声追跡ソフト」ごと自分のオフィスから連れ去
られてしまったのだ。匿名の富豪チャーリーのもとで働く３人の美女ナタリー
（キャメロン・ディアス）、ディラン（ドリュー・バリモア）、アレックス（
ルーシー・リュー）の「チャーリーズ・エンジェル」に捜査指令が下る。彼女
たちの活躍によってノックスは無事に救出されるが、敵の狙いは思わぬところ
にあった……。
＜レビュー＞
な、なんだ！？ このヘンな東洋趣味は……。
エンジェルたちのアクションがカンフーなのはともかく、東洋風のマッサージ
・パーラーが登場するわ、おかしな日本語が出てくるわ、相撲まがいのショー
が展開されるわ、坂本九の「スキヤキ」が流れるわ……。
これって、ルーシー・リューが出演してるから？ それとも最初から東洋のマ
ーケットを意識してた？
うーん、なんだかよくわからん。 (・_・？)
だいたい、突っ込みポイントばっかりだゾ。この映画。
オープニングの航空機からのムチャなダイブといい、厳重なセキュリティーを
簡単に破って敵のコンピュータ室に侵入するところといい、「何でやねん！」
という場面の連続。エンジェルたちの変装だって全部ミエミエじゃん。
突っ込みを入れたい人には、とってもウレシイ映画で〜す。 （^-^）
ストーリーだってつまんないなぁ。
犯人が最初からバレバレ。ちょっとひねってはいるけれど、あの程度じゃダマ
されません！ 犯人探しの楽しさゼロ！！
なのにエンジェルたちったら、あっさり引っかかっちゃうんだから。オイオイ
、あんたたち優秀な探偵だろ。だったら、そのぐらい見破れよ！！
だからサ。要するに、そういうことをぜ〜んぶ無視して観なくちゃいけないわ
けですヨ。この映画って。
楽しみたいならそれしかない。
さあ、皆さんも細かいことは気にしない、気にしない！ 人生おおらかに行こ
うぜぃ〜！！ (＾o＾)／
で、そうやって観ると、これがなかなかのものなんデスよ。
最大の見どころは、ド派手なアクションシーン。ＣＧを駆使しながら、３人の
エンジェルたちが海、空、陸と縦横無尽に活躍する。
特に格闘シーンでは、徹底的にカンフーで押しまくる。相手が銃を使っても、
エンジェルたちは基本的に素手（これにはプロデューサーも兼ねるドリュー・
バリモアの銃に反対する気持ちが込められているんだって）。香港映画の定番
から、いまやハリウッドでもおなじみとなったワイヤーアクションもビシビシ
と飛び出す。
男たちを次々にノックアウトするエンジェルたち。その勇姿に思わず拍手する
女性ファンも多いはず。 (^-^）//""パチパチ
そして、男性ファンにもうれしい特典（？）が用意されている。３人の美女た
ちの大コスプレ大会だぁ〜！。
敵の動向を探るために、マッサージ嬢からチロリアン娘まで、あれこれと変装
をくり返すエンジェルたち。どれもがセクシーな変装で、そのたびにうっとり
する男性ファンのタメ息が聞こえてきそうですぅ〜。 (^u^;)
おまけにエンジェルたちのロマンスも描かれている。キャメロンはステキなバ
ーテンダーと、ルーシーは映画俳優と、そしてドリューはコンピュータソフト
会社の若き創立者と……。
ベッドシーンをはじめプライベートでのセクシーポーズもテンコ盛り。これも
また男性ファンにはたまらんでしょうなぁ。
そのロマンスのおかげで墓穴を掘ったりするドジなところも、これまた男性フ
ァンにとって「カワイイ！！」ところなのかも。
それにしても、こうやって考えてくるとこの映画、基本的に昔のテレビシリー
ズの雰囲気そのままなんじゃないでしょうか。
顔も知らないボスの声の指令によって事件を探る……という設定はもちろん、
３人の美女たちのセクシーな魅力と男性顔負けのアクションで視聴者の目を引
き付ける……という全体のタッチもそのまんまなんですヨ。
ＴＶシリーズでも、ファラ・フォーセット・メジャーズやジャクリーン・スミ
ス、ケイト・ジャクソンというエンジェルたちの魅力が人気の秘密だったみた
いだしネ。
エンジェルを束ねるボスレーのおマヌケぶりも昔と同じ。
当時、テレビシリーズを手がけたプロデューサのアーロン・スペリング（後に
『ビバリー・ヒルズ青春白書』を手がけた人）は「男性はエンジェルたちのセ
クシーさを楽しみ、女性は男をバッタバッタと倒す姿に拍手を送る」ってな感
じ（スイマセン。正確じゃなくて）の言葉で、ＴＶ局の偉い人を説得したとい
う。そこにこのドラマのすべてが象徴されていると思う。
その雰囲気をそのままに、映画の大きなスクリーンの持ち味を最大限に生かす
ために、テクノロジーの力を借りてパワーアップさせたのがこの映画。
そういう意味じゃ、同じリメイクものでも『ミッション・インポッシブル』と
はかなり違う姿勢だよネ
おかげでＴＶシリーズを観ていたファンをがっちりキャッチしつつ、昔を知ら
ない新しいファンもたくさん獲得。アメリカでは予想以上の大ヒットとなった
わけ。
製作者たちの作戦は大成功〜〜〜〜！！ (^-^)
昔のファンが喜ぶといえば、ごていねいに昔の音楽やダンスをドンドン出して
きたところも見事。「ソウル・トレイン」でのキャメロンのダンスには、もう
爆笑しちゃいましたヨ。別のシーンではマイケル・ジャクソンのムーン・ウォ
ークまで飛び出しちゃうんだから。
音楽もいいなぁ。レオ・セイヤーの「恋の魔法使い」のような昔のヒット曲か
ら最近の曲まで、その場面にうまくマッチした使い方をしている。これまた昔
のファンも新しいファンも引き付けちゃうテクニックの1つ。
サントラ盤が聞き応えありそうだゾ〜。
でもさぁ、せっかくここまで昔風で押し通すなら、どうせなら昔のエンジェル
たちも、どっかに登場させて欲しかったんですけど……。
と思ったら、実際に彼女たちにオファーを出したらしい。うーん、つくづく期
待に応えてくれる製作者たちだなぁ。 (＾。^/)
でも、やっぱり断られたとか。「何を今さら〜」っていうことらしいけど、そ
りゃそうだろうな。
３人のエンジェルについていえば、キャメロンとドリューはさすがデス。演技
のツボを知っているから安心して観ていられる。
でもって、３人目のルーシー・リューですが、これも結果的にＯＫ。なんとい
っても、細かなキャラまでドラマでは表現できないわけだし、見た目で他の２
人とまったく違うのがわかりやすくてよかった。『アリー・ｍｙ・ラブ』の時
の"タカピー・スマイル"も健在だったしネ。
そうそう、ボスレー役のビル・マーレーを忘れちゃいけません。笑えるんだけ
ど、クサすぎないのがいいなぁ。さすがに一流のコメディ・スターだけのこと
はあるゾ。
それと、ドリュー・バリモアの婚約者でもあるコメディアンのトム・グリーン
が、とってもいい味出してまッス。
てなわけで、あくまでもマンガみたいな作り事として観れば、ものすごーく楽
しめるエンターティメント映画。料金分はモトとれるんじゃない？
まあ、ただそれだけで、観たからって別に何が残るってわけでもないんだけど
サ……。 (＾0＾)
ところで、この映画、どうも続編がありそうな気配もするんですけど。どーな
んでしょう？
リメイクものの大量発生に加えて、「２」ものがウジャウジャ出てくるっての
は、ハリウッドもよっぽどネタに困ってるのかな。
なんでも「２」つくりゃいいってもんじゃないでしょーが。「ボス電２」じゃ
ないんだからサ。
《ぽちのオススメ度》
★★★
(最後にチャーリーがチラッと映るんだけど、あれってどう見てもただのオヤジ
だよなぁ。)
＜ぽち＞