シカゴ(CHICAGO)
（2002年 アメリカ）（上映時間1時間53分）
監督・振付：ロブ・マーシャル
出演：レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ、リチャード・
ギア、クイーン・ラティファ、ジョン・C・ライリー、ルーシー・リュー
＊丸の内プラゼールほか松竹系にて全国公開
ホームページ http://www.chicago-jp.com/
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＜ストーリー＞
1920年代のシカゴ。スターを夢みるロキシー・ハート（レニー・ゼルウィガー
）は、ある日浮気相手を撃ち殺し、監獄送りとなる。そこで偶然にも憧れのス
ター、ヴェルマ・ケリー（キャサリン・ゼタ＝ジョーンズ）と出会う。夫と姉
を殺した罪で投獄されていた彼女は、辣腕弁護士ビリー・フリン（リチャード
・ギア）を雇い、世間の話題を集めていた。それを見ていたロキシーは、今度
は自分がビリーを雇い、"シカゴ史上、最もキュートな殺人犯"という名声を手
に入れ一世を風靡するのだが……。
＜レビュー＞
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これぞエンターティメント！ ミュージカルシーンは見応えタップリ
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うーむ、さすがやなぁ〜。 (*^。^*)
このスタッフで、この役者で、しかもボブ・フォッシー演出・振り付けによる
大ヒットミュージカル（舞台劇）の映画化。
とくれば、いやでも期待が高まるわけですが、その期待を裏切らない出来なの
は間違いありません。
ただし、申し訳ありませんが、ボクは舞台版の方は観ていないのでそれとの比
較はパスさせていただきます。 ｍ（．＿．）ｍ
物語は、売れない女優ロキシーが愛人を殺害して監獄に入るところから始まり
ます。監獄には、憧れのスター、ヴェルマが夫と妹を殺害して入っていた。
彼女は辣腕弁護士のビリーを雇ってマスコミを味方につけ、人気を獲得してい
た。だが、ロキシーは今度は自分がビリーを雇い、ヴェルマの人気を奪ってし
まう……。
てな話で、デタラメな法律の世界や、「おもしろければ何でもいい！」という
マスコミ、それを巧妙に利用する人々などに対する風刺を織り交ぜつつ、ロキ
シーの犯罪と成り上がりの物語が展開されます。
とはいえ、これはドラマ的にどうのこうの言う映画ではありません。歌と踊り
のミュージカルシーンを目いっぱい楽しむ映画なんです。
何しろねぇ、ミュージカルシーンがテンコ盛りなんですよ。
ミュージカル映画にもいろんな種類があって、例えばボクの好きな『サウンド
・オブ・ミュージック』（1964）なんかは、キチッとしたドラマがあって、そ
れに沿って歌や踊りが展開します。
でも、この映画は、ミュージカルシーンをドラマとは別物として切り離してい
る。ロキシーの空想場面として登場人物によるミュージカルショーを展開し、
それに普通のドラマを組み合わせているんです。
この構成のおかげで、ミュージカルにありがちな不自然さは感じられません。
「なんでそんなところで突然歌い出すの？？？」な〜んて疑問は持たなくて済
むんです。だから、ボクみたいにミュージカルがあんまり得意でない人でも、
ちゃ〜んと楽しめるってワケ。 (^-^)
ロブ・マーシャル監督は、もともと振付家から演出家になった人なので、舞台
の長所と短所を知り尽くしているんでしょう。それをふまえて映画の長所と舞
台の長所のいいとこどりをして、こういう映画をつくった感じです。
劇中で「シカゴでは殺人もエンターティメントだ！」みたいなセリフがあるん
ですが、まさにそれを地で行くような映画だと思います。ザッツ・エンターテ
ィメント！！！ (＾o＾)／
俳優たちもかなりレッスンをしたらしく、素晴らしい芸を披露しています。特
にキャサリン・ゼタ＝ジョーンズの歌と踊りが素晴らしい！ 予想以上に迫力
がありました。
レニー・ゼルウィガーのモンローばりの甘えたような歌声も魅力的。ただし、
ゼタ＝ジョーンズに比べると印象はかなり薄いなぁ。踊りも少ないし。
そして、問題（？）のリチャード・ギアですが、これもけっこうイケてるんで
すよ。踊りはちょっと厳しいけれど、味のある歌声が良い雰囲気。
もちろん、ミュージカル専門の役者に比べれば力量は劣るかもしれませんが、
映像でうま〜くカバーしているせいもあって、３人ともそれなりに観られる歌
と踊りだったと思います。
まあ、踊りの方は舞台のフォッシースタイルと振り付けが違うので（マーシャ
ル監督が振り付け）、このあたりの好き嫌いは分かれるかもしれません。特に
舞台版のファンにとっては……。
ミュージカルシーンに比べれば、ドラマシーンははっきり言ってどうってこと
ないです。カメラワークなども平板でつまりません。 (´ヘ｀;)
ですが、全体としてはミュージカルシーンの楽しさのおかげで、上質なエンタ
ーティメント映画に仕上がっているんじゃないかな。
エンターティメントに徹して、よけいなことをしなかったのが成功だったと思
います。１時間53分というコンパクトな上映時間にも拍手！
舞台版を観た人にはそれなりの楽しみ方もあるでしょうし、まだ観ていない人
が舞台版の入門編として観ても楽しいんじゃないでしょうか。
ミュージカル映画の傑作とはいかないにしても、料金を考えればかなりおトク
な映画だと思いま〜す。 (^・^)
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない？】
（ミュージカルが苦手な人でも、理屈ぬきに楽しめるところを高く評価しまし
た。その分ツウのミュージカルファンには物足りないかもしれませんが……。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年４月21日（月）シネマ・ロサにて。午後３時の回。