コレリ大尉のマンドリン (CAPTAIN CORELLI'S MANDOLIN)


(2001年 アメリカ)(上映時間2時間9分)
監督:ジョン・マッデン
出演:ニコラス・ケイジ、ペネロペ・クルス、クリスチャン・ベール、ジョン
・ハート
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<ストーリー>
第二次大戦中のギリシアののどかな島に、敵国イタリア軍の部隊が進駐してく
る。マンドリンを抱えた隊長のコレリ大尉(ニコラス・ケイジ)は、音楽を愛
する陽気な男。その他のイタリア兵も陽気で楽しい者ばかりだった。村人たち
は次第に彼らに心を許すようになり、村の美しい娘ペラギア(ペネロペ・クル
ス)も、少しずつコレリに心惹かれていくようになるが……。

<レビュー>
目の前に立ちはだかる障害を乗り越えて結ばれる2人。 (* ^)(*^-^*)ゞ
うーん、古典的なメロドラマのパターンですねぇ〜。
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」なんか、まさにその典型。
と思ったら、この映画のジョン・マッデン監督は、『恋におちたシェイクスピ
ア』(1998年)の監督さん。

前作で描いたのは婚約者がいる相手との恋、その前の作品『Queen Victoria至
上の恋』(1997年)で描いたのは身分違いの恋。
キミは、障害のある恋がそんなに好きなのかぁ〜〜〜〜〜!!(しかも、みん
な時代物やんけ。)

まあ、障害があればあるほど思いは募るし、それだけドラマも盛り上がるんだ
から、気持ちはわかりますけどね。 (^-^)

さて、今回の障害は、征服者と被征服者という立場の違い。
第二次世界大戦中のギリシアのケファロニア島に住むペラギアという娘には、
漁師のマンドラスという婚約者がいた。
だが、やがて島はイタリア軍に占領されてしまい、イタリア兵が乗り込んでく
る。彼らはファシストのイメージと違い、陽気で楽しい人たち。特に大尉のコ
レリは、マンドリンを抱えて歌ばかり歌っている。
抵抗運動に身を投じたマンドラスとの愛が冷めかけたペラギアは、次第にコレ
リにひかれていく……。

コレリは敵国の軍人のうえ、ペラギアには婚約者がいる。そんなダブルの障害
を前に2人は大いに悩み、傷つき、それでも愛を手に入れようとするワケ。

なんといっても、コレリのキャラがいいですねぇ〜。 (^・^)
将校なのに前線に立った経験がなくて、戦争が嫌い。音楽が大好きで、ヒマさ
えあれば歌を歌ったり、マンドリンを弾いたりしている。ホントに、お気楽な
んだからぁ〜!
この意外な設定が効果的。古くさ〜い古典的パターンの恋愛劇を生き生きとさ
せています。

映画の前半はこの2人が出会って、愛し合うまでが、島の歴史や風土を背景に
描かれます。
のどかで美しい島が、戦争という過酷な運命に巻き込まれていく姿と、ペラギ
アの身の上に起きる激動の運命をうま〜くリンクさせています。

征服者としての負い目を感じつつペラギアに惹かれていくコレリ。
勝気な性格でコレリの好意を感じつつ素直に応じられないペラギア。
そんな2人はもちろん、人間性豊かで理性的なペラギアの父親(名優ジョン・
ハートがいいッ!)、不器用で直情型のマンドラス、村人に共感しつつもナチ
ズムに縛られるドイツ兵士といった、周囲の人々もていねいに描いて、ドラマ
全体に厚みを持たせています。 (~ヘ~;)

そして、後半は一転して怒涛の展開! W(゜O゜)W
イタリアが降伏したため、コレリたちは撤兵することになる。代わって単独統
治するのがドイツ軍。彼らはイタリア軍に武装解除を求めるが……。

迫力の戦闘シーン。破壊される美しい島。そして、その後に待ち受ける大きな
悲劇。
前半の穏やかなタッチとの対比が際立つスリリングで、ショッキングな展開。
「ただのメロドラマじゃないんだゾ〜」。そんな監督の声が聞こえてきそうで
す。

ラストをフツーのハッピーエンドにしなかったのもいいですねぇ〜。
しかも、オープニングときちんと結びつけるニクらしさ!

と思ったら、アレレ……。なんでそうなるの? なに、この二段オチ?
(・_・?)
いかにもメロドラマらしい結末だなぁ〜。
でも、確かにこういうオチは、観客をホッとさせるもんねぇ。僕的には好きじ
ゃないけど、まあ仕方ないのかも……。

全体を通してみれば、骨太で厚みのある人間ドラマだと思います。古典的メロ
ドラマを、ここまで生き生きとした濃厚なドラマに仕上げる腕は、かなりのも
の。脚本も演出もキッチリとツボを押さえた心憎い映画です。

たださぁ、いくらなんでも、あんなにお気楽な兵隊がいるのかぁ〜???
「だって、陽気なイタリア人なんだもーん!」てか? 戦争の真っ只中なのに
ぃ〜?
コレリ1人ならともかく、兵隊全員が束になって「歌って、踊って、恋をして
〜!!!」だなんてどう考えてもヘン!
(まあ原作の小説がそうなってるんでしょうけど)

そんなお気楽コレリ君に、ペラギアがホレちゃうところもイマイチ説得力不足
だゾ。
だって、コレリ役のニコラス・ケージより、マンドラス役のクリスチャン・ベ
ール(『アメリカン・サイコ』の主役)のほうが魅力的なんですものぉ〜。ど
ことなく陰があってサ。ウフッ。とってもス・テ・キ! (*^。^*)
婚約者と対照的な男にフラフラ〜ッとしちゃうのは、古典的メロドラマのパタ
ーンだけど、ビビビッときた瞬間をもう少しわかりやすく見せて欲しかった気
もしまッス。

ちなみに、この映画のHPでは、キーボードとマウスを駆使してマンドリンが
弾けるからトライしてみてね。
(弾けるかいッ! そんな器用じゃないよ〜ん!!)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(すべての方にとは言いませんが、メロドラマや骨太な人間ドラマが好きな方
は必見でしょう。それにマンドリン・ファンの方も!?)
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