ティム・バートンのコープス・ブライド
(TIM BURTON'S CORPSE BRIDE)
(2005年 アメリカ)(上映時間1時間17分) 監督:マイク・ジョンソン、ティム・バートン 声の出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、エミリー・ワトソ ン * 丸の内ピカデリー2ほか松竹・東急系にて全国公開 ホームページ http://www.corpse-bride.jp ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> 19世紀のある町で、成金夫婦の息子ビクターと、没落貴族の娘ビクトリアが、 親同士の思惑で結婚させられることになる。意外にも初対面で意気投合する2 人。だがちょっとした手違いで、ビクターは死体の花嫁に結婚の誓いを立てて しまい、死者の世界へと連れ去られてしまう……。 <レビュー> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 最新のストップモーション・アニメで描く一風変わった愛の物語 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(1993年)以来、12年ぶりにティム・ バートンが送り出したストップモーション・アニメの第2弾。 ストップモーション・アニメとは、静止している物体を1コマ毎に少しずつ動 かして撮影するアニメ。そのため、どうしても動きが不自然になってしまいが ちですが、この映画では最新のテクノロジーを駆使しているだけに、実に自然 な動きになっています。 でもって、キャラクターがいいのよ〜〜。 (⌒_⌒) いかにもティム・バートンらしい、アクの強い、ちょっと不気味な感じの人形 たちが、この物語にピッタリ。もしもディズニーアニメのようなキャラでやっ たら、大失敗だったことでしょう。 主人公は成金の息子ビクター。没落貴族の娘ビクトリアと、親同士の話合いで 結婚させられることになる。しかし、会ってみるとお互いに意気投合。ところ が、ビクターは結婚式の練習中に誤って死体の花嫁に指輪を贈ってしまう。お かげで、彼女に死者の世界に連れ込まれてしまう。 物語の中心はラブ・ストーリー。とはいえ、ストーリー展開もセリフもアクが 強くて、ブラックな笑いがたくさん散りばめられています。 地上の生者の世界をモノトーンで、地下の死者の世界を色鮮やかに描くヒネッ た描き方もいかにもバートン監督らしいところ。ある意味、生者の世界のほう が死者の世界よりコワイってことかも!? ガイコツになった元愛犬、ヘンな毛虫、頭だけのウェイターなど、脇役キャラ も魅力的。死者だけでなく、生者も両家の両親をはじめキョーレツな個性の持 ち主が総登場です。 声の出演もジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、エミリー・ワトソ ンなど超豪華で、このまま実写映画をつくって欲しいぐらい。 このように、なかなか楽しい映画なのですが、昔のバートン監督ほどの毒はな い感じ。特に後半なんて、先が読めすぎる展開で、ラブ・ストーリーのお決ま りのパターンだもん。そのあたりは、昔からのバートン・ファンにとっては物 足りないかも……。 o( ̄ー ̄;)ゞ まあ、その分、誰にでも楽しめる映画になっているんですけどね。適度の毒が あって、ありきたりのアニメとは一味違うし。何より人形の自然な動きは見事 です。 いくら技術が発達したとはいえ、これだけの映像を生み出すのは大変なこと。 1時間17分の短い映画とはいえ、その労力は何時間もの大作に匹敵するほとで しょう。スタッフのみなさまご苦労様でした。 《ぽちのオススメ度》 ★★☆☆☆(+1/2★) (テクノロジーを生かした最新のストップモーション・アニメ。毒が控えめな のが物足りないげと、その分誰もが楽しそうな映画です) <ぽち> 〔鑑賞データ〕 2005年10月29日(土)池袋シネマ・ロサにて。午後5時10分の回 |