クリムゾン・リバー２ 黙示録の天使たち
(LES RIVIERES POURPRES 2 - LES ANGES DE L'APOCALYPSE)
（2004年 フランス）（上映時間１時間40分）
監督：オリヴィエ・ダーン
出演：ジャン・レノ、ブノワ・マジメル、クリストファー・リー、カミーユ・
ナッタ
＊日劇3ほか東宝洋画系にて全国公開
ホームページ http://cr2.jp/
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＜ストーリー＞
古い修道院で、壁に掲げたキリスト像から血が流れ出す怪事件が起きる。そこ
には死体が埋め込まれていた。事件の謎を追うニーマンス警視（ジャン・レノ
）は、若手刑事レダ（ブノワ・マジメル）が出会ったイエスにそっくりな男に
いきつく。その間に、連続殺人が起き、宗教学の専門家マリーは、事件がキリ
ストの弟子である12人の使徒に関係があると考えるのだが……。
＜レビュー＞
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リュック・ベッソンの脚本がすべてを台無しにしたサスペンス
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雪山での猟奇殺人をネタにした前作の続編。でも、別に前作を知らなくても十
分に楽しめる映画になっています。
今回のネタは、古い修道院で壁に埋め込まれた死体をはじめ、キリスト教の十
二使徒と関係があるらしいオドロオドロしい連続猟奇殺人事件。
とくれば、これはもうホラーチックで、背筋がゾクゾクするようなサスペンス
を期待するワケです。 (>_<")
なるほど、オープニングの修道院でのシーンをはじめ、不気味で緊張感に満ち
た映像はスゴイ迫力。テンポもよく、キレのある演出でグイグイと観客をスク
リーンに引き込んでいきます。 (*^。^*)
だけどすぐにボロが出る。いや、演出は最後までずーっとキレているんです。
何がダメかというと、リュック・ベッソンの脚本。恐怖の連続殺人事件なんで
しょう？ なのに全然コワくないのですヨ。この脚本ときたら。 (´ヘ｀；)
まず途中で出てくる忍者みたいなスーパー修道士。身軽で、銃に撃たれても死
なない不死身の男が走り回る。その設定は完全にＢ級ホラーか忍者映画。これ
じゃ、せっかくの背筋ゾクゾクもののストーリー展開が分断されちゃうゾ。
しかも、あとでタネ明かしされるコイツがスーパーな理由といったら……。そ、
そんなことだったのか？？？ あー、バカバカしくて笑えもしない。
登場人物の心理描写もまったくダメ。いったい刑事たちはどんな思いで捜査を
し、事件を起こした人々がどんな気持で行動していたのか、ちーっともわかり
まへん。たくさんのキャラがただあらすじに沿って動くだけなんだもん。
そして、いよいよ明かされる事件の真相。
は？ それって、どういうことなんですか？ え？ お宝をめぐる事件なんス
か？ でも、そのお宝ってどんな意味があるのだ？ うーん、何が何やらサッ
パリわからん。 (？_？)
どうやら、お宝が原因の事件だったようで、いかにもそれらしいアクション場
面がラストに用意されています。
これって『トゥームレイダー』や『インディー・ジョーンズ』みたいな映画だ
ったのか？ 最初のホラーチックなサスペンスは、いったいどこに消えちゃっ
たの？ 教えて！ 教えて！ (^人^)
それにしても、ラストの薬はないよなぁ〜、あんな都合のいいことでＯＫなの
か？ あまりにも稚拙なオチでついていけません。
ボクは、リュック・ベッソンの脚本でまあまあなのは、自分で監督した『レオ
ン』ぐらいで、はっきり言ってあとはほとんどつまんないと思ってるんです（
ファンの人、ゴメンナサイ）。なので、今回もそんなに期待はしなかったのだ
が、いくら何でもこれはヒドイよなぁ〜。
てことで、脚本のワケのわからなさが、ホラー・サスペンス的な面も、アクシ
ョン的な面も、すべて台無しにしてしまったこの映画。
見どころはオリヴィエ・ダーン監督のキレた演出と、それなりに演じている役
者ぐらいか。
あ、それと本筋とぜんぜん関係ない部分とエンドロールで流れるイギー・ポッ
プの曲がいつ聞いてもカッコいいのだ。こんな映画に使われるのはもったいな
いぜ。
《ぽちのオススメ度》
★☆☆☆☆（＋1／2★）【あんまりオススメできません】
（製作で忙しいのだから、リュック・ベッソンさんは無理に脚本を書かないほ
うがよいのでは？ もっと有能な人に任せましょうヨ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年５月29日（土）池袋シネマサンシャインにて。午後12時35分の回。