ダニー・ザ・ドッグ(DANNY THE DOG)
| （2004年 フランス・アメリカ）（上映時間１時間43分） 監督：ルイ・レテリエ 出演：ジェット・リー、モーガン・フリーマン、ボブ・ホスキンス、ケリー・ コンドン、マイケル・ジェン、ヴィンセント・レーガン、ディラン・ブラウン ＊ 丸の内プラゼールほか松竹・東急系にて全国公開 ホームページ http://dannythedog.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ ダニー（ジェット・リー）は、幼い頃から高利貸しのバート（ボブ・ホスキン ス）に首輪をつけられ、地下に閉じ込められて、闘うことしか知らずに生きて きた。ある日、ダニーは盲目のピアノ調律師サム（モーガン・フリーマン）と 出会う。数日後、乗っていた車が襲撃され、バートの元から逃げ出したダニー は、サムと彼の養女と３人で幸せな暮らしを始める。だが、生き延びたバート がダニーを見つけ出したことから………。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 俳優陣の演技は見応えがあるが、リュック・ベッソンの脚本は相変わらずで… 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「ぽち」と名乗っているからには、犬の映画は一応チェックしないとネ。ダ ニー・ザ・ドッグってどんな犬？ なに？ 犬じゃない？ 人間だとぉ〜〜〜 〜？？？ (｀ε´) てことで、幼い頃から地下室で犬のように育てられ、殺人マシーンとなった男 ダニーが盲目のピアノ調律師サムと知り合い、彼と彼の義理の娘と交流するう ちに人間らしい心を取り戻していき、同時に自分の出生の秘密を知るという話。 感動の人間ドラマとアクションをプラスした映画というところでしょうか。 前半は殺人マシーンのダニーが育ての親バートに命じられるままに、闘うよう すが描かれます。当初は借金の取り立て相手を痛めつけていたのが、途中から 死ぬまで闘う闇のバトルの出場者にスカウトされ、これまたバートに命じられ るままに相手を殺していく。 この前半の見どころは、ダニーのバトル・アクション。なんせ演じているのが ジェット・リーで、アクション指導は『マトリックス』のユエン・ウーピンだ から、迫力タップリで見栄えがするアクションなのは当然のこと。ボブ・ホス キンス演じるバートのケチな悪党ぶりも、魅力があります。 中盤は一転して人間ドラマになります。ダニーはサムと知り合い、やがて襲撃 事件によって負傷したダニーをサムが保護。彼と義理の娘とともに幸せな日々 を送り、人間らしい心を取り戻していくという展開。 まともな食事の仕方も知らないダニーが、サム父娘によって様々なことを学び、 人間らしさを取り戻していく姿が、ユーモアを交えて描かれます。この人間ド ラマはけっこう見応えがありました。サムを演じるのがモーガン・フリーマン ですものねぇ〜。ダニーとの心のふれあいが実にハートウォームで、感動的な のです。愛することの大切さが自然に伝わってきました。（それにしてもモー ガン・フリーマンはよく働くなぁ〜。） ほとんどセリフのないジェット・リーの感情表現もなかなかのもの。 そして、後半は再びアクションの嵐。死んだと思ったバートが生きていて、ダ ニーを追ってきます。そして、ダニーは自らの出生の秘密を知ることになる… …。 激しいアクションの連続の末に、憎いボスを殺すかどうかダニーに厳しい選択 を強いるクライマックスは、かなりの盛り上がりぶり。手に汗握るシーンです。 こうして、全体的にそれなりに見応えのある映画なのですが、それでもやっぱ り物足りなさが残ります。脚本はリュック・ベッソンですが、この人の脚本っ てみんな浅いんだよねぇ〜。 ┐(￣ヘ￣）┌ たとえば、この映画では主人公ダニーの苦しみ、悲しみ、悩みなどをグイグイ 突きつけて欲しいワケですよ〜〜〜！！ 「オレは誰なんだぁ〜〜〜！！」と か「母親は誰なんだぁ〜〜〜！！」とか、いろいろあるでしょう。 でも、そういう深みがまったくなくて、全部スーッと通り過ぎていくような脚 本なのだ。 だいたい、この人の脚本ったら、ツッコミどころだらけなんだもん。 首輪をはずすと殺人マシーンに変身！ て、そんなヤツおらへんやろぅ〜〜 〜！！！ いくら子供の頃から仕込んでるったってサ。 それにバートは何であんな無謀なことまでしてダニーを連れ戻そうとするの だ？ 金づるとはいえムチャすぎるでしょう。もしかしたら重大な秘密でも握ってい るの？ それで執拗に追いかけるの？ と思ったら、別にそうでもないみたい だし……。よーわからんゾ！ まだまだツッコミどころはたくさんあるので、ぜひご自分でご確認ください。 ん？ もしかしたら、わざとツッコミどころ満載にして、劇場に来させようと いうリュック・ベッソンの策略か？ まさかね。 （＾○＾） まあ、ジェット・リーとモーガン・フリーマンの演技は見応えがあるし、『ト ランスポーター』のルイ・レテリエの演出もソツがない。アクションもそれな りにイケているので、観るならそのへんに注目してください。 よけいなお世話だけど、リュック・ベッソンはプロデューサーに専念すれば？ 《ぽちのオススメ度》 ★★☆☆☆ （脚本はちょっとどうかと思うが、ジェット・リーとモーガン・フリーマンの 演技などは見応えアリ。エンタメ映画としてはまあソコソコ。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年６月25日（土）池袋シネマ・ロサにて。午後２時５分の回。 |