デッドコースター(FINAL DESTINATION2)
（2003年 アメリカ）（上映時間１時間30分）
監督：デヴィッド・エリス
出演：Ａ．Ｊ．クック、アリ・ラーター、マイケル・ランデス、トニー・トッ
ド、Ｔ．Ｃ．カールソン、ジョナサン・チェリー
＊渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.deadcoaster.com/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
友人と旅行に出かけたキンバリー（Ａ．Ｊ．クック）は、夢の中でハイウェイ
の玉突き事故で多くの人が死ぬ光景を見る。事故を避けるためにハイウェイの
入口を自分の車で封鎖した彼女。すると、夢の中と同じ光景が実際に目の前で
繰り広げられる。こうしてキンバリーをはじめ８人の男女が事故を免れたが、
やがて彼らの身に"死の運命"が迫る……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
発想のユニークさが光るホラーの続編。前作同様にコワさは一級品
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『デッドコースター』な〜んていうから、わからんかったじゃないですか！
『ファイナル・デスティネーション』（2000）の続編じゃないですか！！
知らない人のために説明すると、『ファイナル・デスティネーション』という
のは、奇跡的に飛行機事故を生き延びた高校生たちが、次々と不可解な事故死
を遂げるというサスペンス・ホラー。低予算ながら、ハラハラドキドキの手に
汗握る展開は一級品でした。
この映画のポイントは、「人間の死は運命づけられているのではないか！？」
「あらかじめ決められていて、どんなことをしても避けられないのではないか
！？」。誰もが持つそんな思いを巧みに利用したところ。
ホントは死ぬ運命だった人たちが間違って生き延びたものの、運命によって死
に追い詰められていく。敵が目に見えない「運命」だけに、ハンパじゃないコ
ワが体験できるってワケ。おお、コワ！ (>_<")
監督が前作のジェームズ・ウォンから、『マトリックス リローデット』のア
クション監督デヴィッド・エリスに代わった今回も、前作の骨組みはそのまま
踏襲。前回の飛行機事故に代わって、今回は自動車事故から奇跡的に生き延び
た人たちが、次々と変死していきます。予知夢を見た主人公キンバリーたちが
「運命」と闘い、何とかその計画を阻止しようと悪戦苦闘します。はたして彼
女たちは運命を止められるのか……。
いやぁ〜、いいですねぇ。 (^-^)
オープニングの派手なカーアクションから、生存者たちが一人ずつ変死してい
く展開、そしてキンバリーたちの奮闘ぶりと、前回同様にまるでジェットコー
スターに乗っているようなスリリングが味わえます。ホンモノのジェットコー
スターは苦手なボクですが、このスリリングさは大歓迎！ (
^^)ρ( ^^)/
前作とのつながりもちゃ〜んと意識していて、キンバリーが前作で唯一生き残
った女性と連絡をとり、彼女の協力をあおぐという展開も用意されています。
とにかくウリはコワさのみ。それ以外は、グタグダと余計なことをせずに１時
間30分の中にコンパクトに収めたのが心地よい。
人が死にそうな場面で一度スカして、その後突然殺してしまうところなども、
心憎いばかりの仕掛け。あの手この手で観客をコワがらせてくれます。
意味のないことまでいかにも意味があるように映すカメラワーク。ＡＣ／ＤＣ
の「地獄のハイウェイ」など音楽の使い方も、雰囲気を盛り上げます。
ラストのヒネリも見事。
「え！ まさかそんな？」という展開にしておいて、ハッピーエンドに持って
いく。ところが、実はその後にこの映画で一、二を争うようなエグいシーンが
！！！ (ノ゜ο゜)ノ
あらあらあら、もうよくやるわ。このバクレツぶりには、飽きれるのを通り越
して感心してしまいました。
もちろんドラマ的には、「それはどーなんだ？」「そりゃ強引な展開だろう」
てなところも、たくさんあるんですよね。でも、そんなことを忘れさせてくれ
るコワさがタップリ。
前作と比べると、特別にパワーアップしたというわけではありませんが、同じ
ぐらいのレベルはキープ。コワ〜い映画が好きな人なら十分に楽しめるはず。
ちなみに、主役のＡ．Ｊ．クックはソフィア・コッポラ監督の『ヴァージン・
スーサイズ』（1999）で５人姉妹の１人として出演。また、ＴＶシリーズ『ハ
イアー・グラウンド（マウンテン・ウォーズ ホライズン高校物語）』（2000
）では『スターウォーズ・エピソード２』（2002）のアナキン・スカイウォー
カー役ヘイデン・クリステンセンの恋人を演じていました。その『ハイアー・
グラウンド』には、かつてＮＨＫで放送されたＴＶシリーズ『ドクター・クイ
ン 大西部の女医物語』のジョー・ランドーが先生役で出演。さらに……。
て、だんだん超マニアックなネタになってきたのでこのへんでやめときます。
それにしても出演料の総額が安そう〜〜〜。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（サスペンス・ホラーとしてのコワさはかなりのもの。ただし、エグイところ
もあるので、そっち方面が苦手な人はご用心。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年７月20日（日）シネマサンシャインにて。午後４時30分の回。