ドメスティック・フィアー(DOMESTIC DISTURBANCE)
（2001年 アメリカ）（上映時間１時間29分）
監督：ハロルド・ベッカー
出演：ジョン・トラボルタ、ヴィンス・ヴォーン、テリー・ポロ、スティーブ
・ブシェミ、マシュー・オリアリー
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＜ストーリー＞
両親の離婚が原因で反抗的な少年ダニー（マシュー・オリアリー）。偶然ある
事件現場に遭遇した彼は、そこで目撃したことを話す。だが、誰も彼の言うこ
とを信じない。ダニーは、実父のフランク（ジョン・トラボルタ）を頼るが、
独自の調査を始めたフランクに犯人の魔の手がしのびより……。
＜レビュー＞
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それなりに楽しめるサスペンス。でも、わざわざ映画館に行くほどでは……
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最近めっきりシブくなった（!?）ジョン・トラボルタ。今回は、とっても頼り
になるお父さん役を演じています。あの『サタデー・ナイト・フィーバー』や
『パルプ・フィクション』のトラボルタが父親役っていうのは、なんとも時代
を感じさせますねぇ〜。 (~ヘ~;)
そして、今回はもう１人のお父さんが登場。トラボルタが実父なのに対して、
こっちは継父。演じるのはジェニファー・ロペス主演『ザ・セル』で、ＦＢＩ
捜査官に扮したヴィンス・ヴォーン。
この２人の競演はどっちもアクが強くて、なかなか見応えがあります。(^-^)
母と暮らす一人息子のダニーは、今も離婚した父親のフランクを慕っている。
やがて母は実業家リックと再婚するが、ダニーは彼に反抗的な態度を見せる。
そんなある日、ダニーは信じられない出来事を目撃し、警察にその事実を告げ
る。だが、周囲の人間は、彼がいつもウソばかりついていることから誰もそれ
を信じない。唯一フランクだけが信じようとするのだが……。
いわゆる「オオカミ少年」の話です。自分の言うことを信じてもらえない少年
の恐怖と、そんな彼を守ろうと立ち上がる父親を描いたサスペンス。
事件の真相を最後まで隠しておく方法もあるわけですが、この映画ではあえて
最初にネタをバラしちゃっています。だから、結末は完全にミエミエ。それな
のに、最後まで飽きずに楽しく観られました。 (*^。^*)
その理由は、観ているうちにどんどん少年に感情移入してしまうから。
観客は、少年が真実を言っているのを知っている。それなのに、登場人物たち
は彼の言うことを信じない。そこで、観客は「どうして信じてやらないんだよ
〜！！」とイライラしたり、「あのコ、かわいそうじゃん！！」と同情したり
するワケ。同時に、息子を信じようとするトラボルタを応援したくなっちゃう
んです。
これはもうドラマの永遠不滅のパターン。わかっていても入り込んでしまう。
まさにドラマの醍醐味ってヤツですね。
一度観客の望む方向に展開が進みながら、直前でまた元の悪いパターンに逆戻
りしちゃうところも、ドラマの定石をうま〜く踏んでいる感じ。
そうやってラストまで引っ張り続ける脚本と演出力には、それなりに観るべき
ものがあると思います。
ただし、それ以上のものは何もありません。常識のワクに収まったままで、そ
こを突き抜けるワイルドさはまったくナシ。
肝心の少年が味わう恐怖にしても、それなりに共感はできるけれど、グイグイ
と迫ってくる迫力には至りません。 (｀ヘ´)
また、粗っぽい展開も目につきます。ダニー少年はウソつきということになっ
ているけれど、それはセリフで語られるだけ。実際にそういう場面をきちんと
見せてくれないから、ほとんど説得力がありません。 (´ヘ｀;)
ダニー少年に対する犯人の態度も、ゾクゾクするような恐怖を感じさせるまで
はいかない。「そんな甘いワケがないだろ〜！！」とツッコミを入れること二
度、三度。犯人ってもしかして、本当はイイ人だったりして!? (＾0＾)
濃い２人、トラボルタとヴォーンはさすがに存在感がありますが、この程度の
映画じゃ輝き方はイマイチ。
それよりも素晴らしいのがヴォーンのダチを演じるスティーブ・ブシェミ。い
やぁ〜、もう〜、たまらんですなぁ。このアヤシサ。どんな映画に出ても怪人
光線をギラギラだもん。 (☆o☆)
この人が出ていなかったら、もっともっとツマらない映画になっていたことで
しょう。
ソコソコ最後まで楽しめるサスペンスなので、ヒマつぶしにはもってこい。時
間も約１時間半と手頃ですから。
でも、それ以上に魅力のある映画ではありません。
「よし！ 観にいこう」と気合を入れて行く価値はナシ。「用事があって街に
出たんだけどサァ。１時間半ばっかり時間が空いちゃってサァ」な〜んて時に
オススメします。あとは、ビデオかテレビで十分ですヨ。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）
（ブシェミの個性の分だけオマケ。この程度の映画でも最後まで飽きさせない
のはスゴイっちゃスゴイんですけどね。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2002年４月８日（月）池袋ＨＵＭＡＸシネマズ４にて。午後３時20分の回。