ドリームキャッチャー(DREAMCATCHER)
（2002年 アメリカ）（上映時間２時間15分）
監督：ローレンス・カスダン
出演：トーマス・ジェーン、ジェイソン・リー、ダミアン・ルイス、ティモシ
ー・オリファント、ドニー・ウォールバーグ、モーガン・フリーマン
＊丸の内ルーブルほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.dreamcatcher-movie.jp/
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＜ストーリー＞
メイン州の小さな町。ジョンジー、ヘンリー、ピート、ビーバーの４人は、変
わった少年ダディッツを助ける。彼が持つ神秘的なパワーは４人にも伝わり、
彼らはある秘密を共有することになる。それから20年後、４人は狩猟のために
集まった雪山で悪夢のような惨劇に遭遇する……。
＜レビュー＞
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Ｓ・キングの小説を手堅く映画化した不気味でコワイ、ＳＦホラー
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本来は、ホラー作家のスティーブン・キング。でも、彼の小説の映画化といえ
ば、『スタンド・バイ・ミー』（1986）、『ショーシャンクの空に』（1994）
、『グリーン・マイル』（1999）といった少しヒューマンなドラマのイメージ
が強くて、そこに物足りなさを感じている人も多いのではないでしょうか。
そんなあなたにオススメなのが、この映画。気味の悪い恐怖を真正面から描い
ているという点では、スティーブン・キングの本質により近い映画といえるか
もしれません。
物語の基本はエイリアンによる侵略というごくありふれた話。（別にエイリア
ンの侵略が日常的に行われているというわけじゃありませんよ。“たま書房”
の韮山編集長じゃないんだから（爆））
そこに、子供の頃の秘密を抱えた男たちが絡んでくるところが、いかにもステ
ィーブン・キングらしいところ。しかも、その秘密というのがある特殊な能力
と関係しているのだ。
ま、いわば『スタンド・バイ・ミー』＋『エイリアン』といった感じの映画な
のだ！（て、強引ですか？）
前半は不気味なムードがスクリーンを支配します。
不思議な能力を持った４人の男たちが登場し、奇妙な出来事に遭遇する。
なんだ？ なんだ？ いったいどうなってるの？ で、どんどん引きずり込ま
れていきます。 Ｗ（゜Ｏ゜）Ｗ
中盤からは、いよいよエイリアンが登場します。
同時に、４人の男たちと彼らが少年時代に助けた不思議な少年との友情、モー
ガン・フリーマン演じるベテラン大佐の暴走なども描かれる。
そして、迫力タップリの息を飲むラストへと突入だ〜〜ッ！！
とにかく全編がスリリングで、最後までまったく飽きませんでした。
『白いドレスの女』、『ボディガード』のローレンス・カスダン監督が、小説
の良さをうまく生かして手堅くまとめた感じです。長編小説をこれだけ過不足
なく描くのはなかなか難しいものですが、それを見事にやり遂げています。
映像もミステリアスでスリリングでよかったですね。登場人物の記憶を書庫に
具象化して見せるあたりも、ユニークでおもしろい手法でした。
ただし、物語の深みはイマイチ足りません。普通のエイリアンものの要素だけ
じゃなくて、友情、超能力、軍部の暴走といったいろんな要素を描いているの
で、どうしても表面的な描き方になっちゃうんですよねぇ〜。まあ、深みや感
動まで求めるのは酷かもしれませんけれど。 (~ヘ~;)
それにタイトルにもなっているドリームキャッチャー＝ネイティブアメリカン
のお守りも、あんまり効果的に使われていません。
超能力の話が途中でしばらく途切れちゃうのも、なんだか物足りなかったなぁ
〜。
それとさぁ、これは個人的な感じ方かもしれないけれど、出てくるエイリアン
の化け物があんまりコワクないのよねぇ〜。グロテスクなのは確かだけれど、
なんだかねぇ〜。逆にボクなんか笑っちゃいましたヨ。まるでクローネンバー
グ監督の映画に出てくる、ちょっとエッチでエグイ化け物みたいなんだもん。
（それが股間に食らいつくなんてそのものズバリじゃん！？） (＾0＾)
とはいうものの、楽しいのは楽しいです。ミステリアスで、スリリングで、最
後までグイグイと引っ張られてしまいました。あれだけの長編小説をわずか２
時間ちょっとの中に、うまく詰め込んだものです。これを観たら、原作を読ん
でみたくなる人が多いんじゃない？
小説の入門編としては、それなりによくできた映画ですね。
でも、深みは全然ないので、観終わって何かが残る映画じゃありません。くれ
ぐれもそういうことは期待しないようにネ。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）【ちょっとだけオススメ。おヒマでしたらどうぞ】
（物足りなさはかなり残りますが、小説のエッセンスをそのまま映画化しよう
としたチャレンジ精神は評価します。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年４月22日（火）池袋東急にて。午後３時40分の回。