ドリーマーズ(THE DREAMERS)
（2003年 イギリス・フランス・イタリア）（上映時間１時間57分）
監督：ベルナルド・ベルトルッチ
出演：マイケル・ピット、エヴァ・グリーン、ルイ・ガレル、ロバン・レヌー
チ、アンナ・チャンセラー
＊シネスイッチ銀座ほかにて公開。順次全国公開
ホームページ http://www.herald.co.jp/official/dreamers/
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＜ストーリー＞
1968年のパリ。シネマテーク（公立の名画座）に入り浸るアメリカ人留学生の
マシュー（マイケル・ピット）は、イザベル（エヴァ・グリーン）とテオ（ルイ
・ガレル）という双子の姉弟と知り合い意気投合。彼らの家で暮らし始める。あ
る日、マシューは、“映画クイズ”に答えられなかった罰ゲームとして、イザベ
ルとセックスをすることになる。それをきっかけに３人の関係は少しずつ変化し
始め……。
＜レビュー＞
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ベルトルッチ監督の思い入れが空回りした青春ドラマ。時代の空気は感じるが
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『ラスト・タンゴ・イン・パリ』『ラストエンペラー』『シェルタリング・ス
カイ』などの名匠ベルナルド・ベルトルッチ監督が、1968年のパリを舞台に描い
た危険な香りの青春ドラマ。
でも、名匠の名にだまされてはいけません。正直、あんまり大した映画だとは
思えませんでした。 (´ヘ｀;)
確かに舞台となった５月革命の頃のパリの空気は、それなりに表現されていま
す。デモ、集会、親への反抗、政治や文化に関する論争などを通して、当時の騒
乱の時代を描写。壁に貼られた毛沢東のポスターなどの細かなディテールでも、
当時の時代をうまく表現していて、見応えがあります。ジミ・ヘンなどのロック
を中心とした当時の音楽も雰囲気を盛り上げています。
また、主人公たちが無類の映画好きということで、クラシックな映画やヌーヴ
ェルバーグの作品がたくさん挿入され、それを登場人物の行動とダブらせる手法
はユニークで、なかなか興味深いものでした。 (゜o゜;
でもなぁ〜、それ以外はあんまり観るべきものがないのヨ。だって、ドラマか
ら伝わってくるものがないんだもん。
不思議な双子の姉弟と知り合った大学生が、未知の世界へ足を踏み入れて……
という若者の成長物語がドラマの中心なのだが、それにしちゃ深みのないドラマ。
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』同様に、閉塞された空間において官能的な世
界を構築することには成功しているものの、そこから伝わってくるものがほとん
どありません。
エロなヘンタイ姉弟に巻き込まれて、退廃的な生活に突入したウブな大学生っ
ていうだけの話に思えちゃってさぁ〜。
３人のドラマを通じて、当時の時代を鮮烈に切り取るとか、あるいは時代を超
えても変わらない人間の普遍的な姿を描くとか、そういうことも見えないんだも
ん。
とにかく３人のご乱行が延々と描かれるばかり。若者の成長物語としては線が
細すぎるし、主人公と双子の姉との官能的な愛の物語としてもインパクトが弱す
ぎぃ〜。
とってつけたようなラストもなんだかなぁ〜。個人的にはつまらなかったです。
ベルトルッチ監督にとって、この時代と登場人物には、強〜い思い入れがある
のでしょう。それはよーくわかりました。でもなぁ〜、その思い入れだけで迫ら
れても、こっちはついていけなくてさぁ〜。 (´ヘ｀;)
官能的な描写が多く、ボカし入りのエロイ場面も多いこの映画（当然ながらＲ
−15指定）、どうせならスクリーン全部にボカシを入れてしまえばよかったのに
ッ！！！ (＾o＾)／
てのはもちろん冗談ですが、はっきり言ってそのぐらいボクにとってはつまん
なかったです。
いくらレビューを書くためとはいえ、そんな映画を最後まで観た自分をほめて
あげたい。アンタはエライッ！！！！！ (^_^)ヾ(^^
)ヨシヨシ
《ぽちのオススメ度》
★☆☆☆☆（+1／2★）【あんまりオススメできません】
（そこらへんの新人監督ならともかく、ベルトルッチともあろうものがこの程
度では……。ま、この時代に思い入れがある人にとっては、観る価値があるのか
もしれませんが）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年７月31日（土）シネ・リーブル池袋にて。午後４時５分の回。