ＤＲＩＶＥ＜ドライブ＞
（2002年 日本）（上映時間１時間42分）
監督・脚本：ＳＡＢＵ
出演：堤真一、大杉漣、安藤政信、寺島進、根岸季衣、筧利夫、松尾スズキ、
柴咲コウ、松雪泰子
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＜ストーリー＞
規則正しい生活を送る製薬会社の営業マン朝倉（堤真一）。ある日、車で信号
待ちをしていると、銀行強盗に失敗した３人組に強引に車に乗り込まれ、彼ら
の運転手をするハメになる。男達はスピードを上げるように要求するが、朝倉
は頑固に制限速度を守り、男達はキレ始める……。
＜レビュー＞
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暴走しまくりでひたすら笑えるけれど、ただそれだけじゃあ……
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この映画のＳＡＢＵ監督は、外国の映画祭で賞ももらった若手の注目株だそう
です。（しかし、ＳＡＢＵっつう名前はどーなんだ？ アヤシイなぁ）
確かにタダモノではありません。完全にぶっ壊れてます。暴走しまくりです。
(＾0＾)
フツーの営業マンの車に、突然銀行強盗の３人組が乗り込んでくるところから
物語はスタート。
で、その銀行強盗は本当は４人組なのに、１人が裏切って金を持ち逃げしたた
めに、３人組はそいつを追いかけるために車に乗ってきたワケ。
で、当然ながら、男たちは「スピードを上げて前の車を追え〜〜〜！！」とな
る。
ところが、運転手の営業マンときたら、絶対に規則正しく生きないと済まない
性分。よって、信号を遵守し、交通法規もガッチリ守り、制限速度もキープし
続ける。
おかげであっという間に仲間の車はいなくなり、３人組はイラつき始める。そ
んな３人と朝倉とのドライブが続く……。
てな感じの話なんですが、もうムチャクチャに笑えますぜ！
キャラがハンパじゃなくおもしろいんですヨ。超マジメ人間の主人公の朝倉は
もちろん、３人組の強盗がすさまじくおかしい。
なかでも特におかしいのが寺島進演じる坊さんの強盗。自分で悪いことしてる
くせに、「縁」だとか「生きるとは何か」とか、いきなり説教し始めるの。
で、ふとしたことからライブハウスに迷い込んで、ロックバンドをバックに説
教をして大ウケ。それをきっかけに「布教活動をする」と仲間の前から去って
いくんです。
（ちなみにギンギンのパンクファッションの松雪泰子がいい味出してます。）
残りの２人、大杉漣も、安藤政信も、どちらも個性的で楽しい。
そして、筧利夫演じる裏切り者のその後の運命も、とんでもないというか、バ
カというか、もうひたすら笑うしかありませんよぉ〜。 (＾0＾）
こういう連中が、巻き起こすデタラメな話の連続。事件が事件を呼んで、日常
からドンドン暴走していく。現実に加え、夢、妄想、幻想、はては亡霊の怨霊
世界まで登場して、予想もできない方向に話が進んでいきます。リアリティー
なんかまったく無視。ありえないことばっかりだいッ！ (＾o＾)／
でも、とにかく笑えるんです。
登場人物のキャラの楽しさと、予想もできない奇抜な展開、そして独特のスピ
ード感で疾走し続けます。まさに笑いの波状攻撃〜〜〜〜〜！！ よくこんな
こと考え付くなぁ〜。
でも、それだけなんです。 (´ヘ｀;)
あとはな〜んもありません。
いやいや、一応メッセージらしきものも込められているんです。「縁」の大切
さとか、逃げずに立ち向かうことの必要性とかね。
でも、それが全然生きていない。
例えば主人公は両親が自殺したという暗い過去がある。また、大杉漣には死期
が近い妻がいるという設定。でも、そういうのが笑いのネタとしては効果的で
も、人間ドラマを描くのに全然効果を発揮していないんだなぁ〜。 (｀ヘ´)
結局さぁ、リアリティーのなさが致命的なんだよね。人間ドラマ的なものを描
くには。あまりにも展開が強引なんです。だから、ちっとも主人公の変化が心
に響いてこない。
ラストの主人公と柴咲コウのロマンスも、ただの付け足しにしか思えないしサ
。脚本に深みがなさすぎる。
まあ、そのリアリティーのなさが「笑える」という点では、逆に効果を発揮し
ているんだから、そのへんは難しいところですけどね。
というわけで、個人的には物足りなさが残ったんですが、笑えるのは笑えます
。それに役者の演技も光っている。みんなノリノリで演技しているんですよね
。特に主人公の叔母さん役の根岸季衣のしゃべりまくりが楽しかった。
でも、なんでＴＢＳの木村郁美アナが出てるんだぁ〜？ な〜んだＴＢＳが金
出してんのか。てことは、そのうちＴＢＳで放送するのか？ だったらわざわ
ざ劇場に行かなくてもいいかも!?
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆
（楽しく笑いたい方、そして役者の演技を楽しみたい方はどうぞ。物語的には
ほとんど観るべきものはありませんけれどネ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2002年９月18日（水）テアトル新宿にて。午後２時40分の回。