ドラッグストアガール
（2003年 日本）（上映時間１時間45分）
監督：本木克英
出演：田中麗奈、柄本明、三宅祐司、伊武雅刀、六平直政、徳井優、余貴美子
、荒川良々
＊東劇ほかにて全国公開
ホームページ http://www.dsg-movie.jp/
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＜ストーリー＞
大学生の恵子（田中麗奈）は同棲中の彼氏と大ゲンカして家を飛び出し、郊外
の終着駅にたどり着く。ひょんなことから、商店街の大型ドラッグストアでア
ルバイトし始めた彼女に、商店街の中年男たちが夢中になる。彼らは、大学で
ラクロス部に所属する恵子と仲良くなるために、磯釣り用の網と野球ボールで
ラクロスの練習を始めるが……。
＜レビュー＞
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ユニークキャラで笑わせる宮藤ワールドだが、爆笑とまではいかず
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いまや超人気脚本家となった「クドカン」こと宮藤官九郎。「そういえば、『
ピンポン』ぐらいで、あとは映画もドラマも観ていないなぁ〜。たまには観て
やるか」ということで映画館に向かったボクなのでした。 (＾o＾)／
話はどうってことないんですよ。
家に帰ったら彼氏が知らない女とフロに入っていたという、ショッキングな大
失恋を経験した薬学部の女子大生・恵子が、無意識に電車に乗って終点まで到
着。そこで、開店を控えた大型ドラッグストアのアルバイト店員になる。
そんな彼女に夢中になったのが地元商店街の中年男たち。最初はドラッグスト
アに反発して、営業妨害を企んでいた彼らだが、恵子がラクロス部に所属して
いると知ると、自分たちも見よう見まねでラクロスを始める……。
この映画でいちばん感心したのがキャラの立たせ方。主人公の女子大生はじめ
彼女に夢中になる中年たち、その周囲の人々など、登場する全ての人物がどれ
も個性的で、それだけですでに笑えてしまう。 (＾0＾)
特に中年男たちのキャラはバツグンに楽しい。薬局の鍋島、パン屋の沼田、酒
屋の山田、僧侶の済念、インディアン姿のホームレス、ジェロニモ。よくこん
なキャラを考えつくよなぁ〜。ホント。
こういうユニークなキャラを転がしていくのがクドカンの笑いの世界。この映
画でもそれが充分に発揮されています。
間の取り方がうまいんですよねぇ〜。たとえばドラッグストア襲撃計画を思い
ついた張本人が、みんながその気になると「ホントにやるの〜？」とスカした
り。そういう押し引きが実に見事。 (^-^)
ただし、小ネタが多くて笑いがみんな散発的。なので爆笑とまではいきません。
クククッとその場では笑えても、それがどこかでドッカーン！ と爆発する
ことはない。そこがちょっと物足りないかな。まあ、それがクドカンの笑いな
のかもしれませんが。
それ以上に気になったのが、ストーリーがあまりにも現実離れしていること。
特に後半は「そんなバカなことねぇよ！」の連続。三田佳子演じるドラッグス
トア社長や、アメリカのラクロスチームが登場するあたりは、くだらなさすぎ
てやってられません。 (´ヘ｀;)
かといって、徹底してオバカになって暴走していくとか、そういうこともない
んですよね。全体におとなしくて、どこかで観たようなつまらん展開。
おかげで、「中年オヤジたちが女子大生にひと目ぼれして元気になっていく。
それに刺激されて街も元気を取り戻していく……」というドラマが、ただの付
け足しみたいで全然印象に残りませんでした。
うーん、これがクドカンの世界なのか！？ (・_・？)
『ピンポン』あたりは、もっともっとハジケていて、元気がよかった気がする
のだが。
そういえば、ラクロスの場面でＣＧを使ったりして盛り上げるところなんか、
『ピンポン』っぽい感じも……。でも、あれほどの勢いはないしキレもない。
（ただし、これはクドカンというよりも、監督の違いによるものかも。ちなみ
に、本木監督は『釣りバカ日誌』シリーズの監督）
それにしても、中年オヤジたちが女子大生に鼻の下をビローンと伸ばすあたり
は、微笑ましいというよりもなんだかみっともないんだよなぁ〜。いい年して
さぁ〜。
まあ、演じるのが田中麗奈だから、わからんでもないけどサ。
なにしろキラキラ輝いていて、かわいくてねぇ〜。ボクだって結婚したくなっ
ちゃったぐらいですから。 (*^^*ゞ
（誰がお前なんかと。 (`0`)ノ゛バシィィィィィ！！！）
コメディとしてソコソコ笑えるし、観ていて明るい気分になれるので、それな
りにお金を払う価値はあるかもしれません。芸達者な出演陣の演技も見応えが
ありますから。
ただし、個人的にはもっとドッカンと笑わせてくれるか、もっと印象に残るド
ラマを展開して欲しかったですね。そこがちょっと不満だなぁ〜。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）【ちょっとだけオススメ。おヒマでしたらどうぞ】
（ほのぼのとしたタッチが心地よいし、それなりに笑えるけれど、イマイチ、
パンチ不足な感じです。キュートな田中麗奈の魅力を堪能する映画かも。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年２月18日（水）シネ・リーブル池袋にて。午後12時35分の回。