えびボクサー(CRUST)
（2002年 イギリス）（上映時間１時間30分）
監督・脚本：マーク・ロック
出演：ケヴィン・マクナリー、ペリー・フィッツパトリック、ルイーズ・マー
デンボロー、マドハヴ・シャルマ、マーク・ベーズリー
ホームページ http://www.albatros-film.com/movie/ebi/
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＜ストーリー＞
イングランドの中部でパブを経営する中年男ビルは、かつて将来を嘱望された
ボクサーだった。ある日、ビルは友人から、カリブ海に生息するエビを使って
、人間対エビのボクシング試合を開いて金を儲けようという話を持ちかけられ
る。ビルは、全財産をはたいて体長2メートル10センチの巨大エビ「ミスター・
C」を購入。目をかけている若手アマチュア・ボクサー、スティーブと彼女の恋
人シャズとともに、ロンドンに出て売り込みをかける。だが、なかなか良い返
事はもらえずに……。
＜レビュー＞
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オバカ映画かと思ったら、マジメなスポ根（？）ものじゃないですか
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巨大なエビがボクサーになる！ Ｗ（゜Ｏ゜）Ｗ
誰がこんなアホなことを考えるでしょうか。もうこれだけで絶対にこの映画は
オバカ映画だと確信してしまいました。
なのになのに、実際はそうではなかったのです。
なんと大マジメに、成功を夢見る人たちの奮闘ぶりと、その期待を背負ったエ
ビ君との交流を描いちゃったりしているのです。あれま！
パブ経営の冴えない中年男のビルが大枚をはたいて巨大エビ「ミスター・Ｃ」
を購入。
目をかけるアマチュアボクサーのスティーブとの試合を企画し、スポンサー探
しをするがうまくいかない。
そこで、テレビ局に直接交渉するしかないと、「ミスター・C」をバンに載せ、
スティーブと彼の恋人シャズの2人を連れてロンドンへ向かう。
シャズはプロデューサーへ色仕掛け、ビルとスティーブは「ミスター・C」を連
れて人気女性司会者へ直談判するものの、なかなかうまくいかない……。
いかにもイギリス映画らしい飄々としたタッチで、成り上がりを夢見る人々の
奮闘ぶりを描いていくのが前半の展開。
ありがちな話ではあるけれど、挫折した男たちの健気な奮闘ぶりにはなかなか
に心地よいものです。
しかし、さすがに巨大エビが登場すると、一気にオバカ映画的構図が展開！
(＾o＾)／
だって、あなた、このエビときたらまったくリアリティのないシロモノ。この
ハイテク時代なのに、ＣＧを使うこともなく、ひたすらローテクでつくりあげ
たチャチなエビなのだ。
昔の円谷プロの怪獣の方がもっと精巧ですぜ。
それでも、このローテクさがかえって良い味を出しているから不思議なもの。
バンから降ろされて、中年男ビルとモーテルの部屋で同棲生活（？）を送る姿
なんて、気色悪いのを通り越してなんだか愛らしいぃ〜〜。 (*^_^*)
てことで、ビルさんもつい情が移り、後半は人間とエビの愛情物語か、はたま
た動物愛護＆自然回帰物語か、といったような展開に突入していくわけです。
みんなから悪者扱いされる怪物に同情して、解放してあげようとするというの
は「キングコング」なんかでも描かれていますが、なんたってこっちはエビで
すからねぇ〜。それなりに感動しつつもやっぱり笑ってしまうのですよ。
クライマックスのコロシアム風セットでの、エビＶＳ人間対決なんて、バカバ
カしくて笑える笑える。どっかの放送局でほんとにやりそうだよなぁ〜。ああ
いうバカ番組。
大マジメなドラマを展開しつつも、同時にこうして巨大エビのオバカさで笑わ
せるというのは、つくり手の意図通りのことなのでしょう。
だって、笑わせるつもりもないのに、誰があんなローテクなエビなんかつくる
もんですかい。ねぇ。それともＣＧに金かける予算がなかったとか？
素材から言えばとことんオバカに徹して欲しかった気もしますが、それをせず
にマジメなドラマにしたことで、かえってミョーな味わいが出た映画だと思い
ます。
お気軽に楽しむ分には、まずまずの映画ではないでしょうか。エビ嫌いの人を
除けば……。
ああ、エビ食いたい！
な〜んて言うとビルさんに怒られそうだな。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（オバカな素材を使いながら、マジメにつくっているところが魅力。不思議な
味わいを持った映画です。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年４月 ビデオ鑑賞。