エド・ウッド (ED WOOD)
(1994年 アメリカ)
製作・監督：ティム・バートン
出演：ジョニー・デップ、マーチン・ランドー、サラ・ジェシカ・パーカー、
パトリシア・アークエット、ジェフリー・ジョーンズ、ビル・マーレー
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＜ストーリー＞
映画監督を夢みるエドはある日、性転換を題材にした映画の監督に名乗りをあ
げるが、プロデューサーはとりあってくれない。その帰り道で偶然、往年のド
ラキュラ俳優ベラ・ルゴシと出会い意気投合。彼を出演させることを条件に資
金調達をし、映画を完成させる。その後も、世間の嘲笑をものともせずに奇妙
な映画を世に送り出していくのだった……。
＜レビュー＞
「史上最低の映画監督」といわれたエド・ウッドの若き日を描いた映画。
といっても、苦難を乗り越えて映画づくりに突き進むヒーローってわけじゃな
い。
エド・ウッドはとにかくワケのわからん人物だ（笑）。
どれだけワケがわからないかといえば、彼の映画を観ればわかる。
現在、日本で廃版になっていない彼の監督作品は、デビュー作の『グレンとグ
レンダ』をはじめ３作。
性転換事件を素材にした『グレンとグレンダ』は、性転換というよりも女装マ
ニアの映画になっていて、実際に自分も女装趣味だったエドが自ら出演している。
初のＳＦ映画『怪物の花嫁』は、低予算のために怪物がつくれず、実物のタコ
やワニを使って撮ったとんでもない映画。
『プラン9・フロム・アウタースペース』は、'80年出版の『ザ・ゴールデン・
ターキー・アワーズ』で"史上最低の映画"に選ばれた。
どれも、バカバカしいのを通り越して、感心してしまうほどの「怪作」。
いくら低予算とはいえ、こんな映画を撮るんだから、常識を超えた人間だった
ことは間違いない。
というよりも、映画への情熱は人一倍あるのに、才能と資金がそれに追いつい
ていかなかったのだろう。その空回りぶりには哀愁さえ感じてしまう。
エドを見るティム・バートンの目は愛情タップリだ。
彼の作品には、『シザーハンズ』のエドワードをはじめユニークな「はみ出し
者」が登場する。そうした人物を見る監督の目はとても温かい。
この作品でも、同じく映画を愛する者として、エドを温かな視線で描いている。
ベラ・ルゴシ役のマチーン・ランドーの演技は、怪演と呼ぶのにピッタリ。
主演のジョニー・デップもいい。
この人には「はみ出し者」がよく似合う。
映画の持つ強烈な魔力を再確認させてくれる映画だ。
《ぽちのおすすめ度》
★★★★
＜ぽち＞
◆＜もも＞のコメント◆
女装趣味に走るエド・ウッドを演じるジョニー・デップがグッド。
『シザー・ハンズ』を思い出させるキュートさです。(^-^)
Ｂ級映画の撮影シーンには、とにかく爆笑。
時代が時代とはいえ、よくもまあ、あんなメチャメチャな方法で映画がつくれ
たものだ。
ちなみに、ももがいちばん心に残ったのは、劇中でオーソン・ウエルズがエド
に言った言葉。
「夢のためなら戦え。他人の夢を取ってどうする」
そうなんだよな。夢は自分でつかまなきゃ。
とにかく楽しい映画です。一度は絶対に見てネ。