ファイナル・デスティネーション(FINAL DESTINATION)
（2000年 アメリカ）（上映時間１時間38分）
監督：ジェームズ・ウォン
出演：デヴォン・サワ、ショーン・ウィリアム・スコット、アリ・ラーター、カー・スミス
＜ストーリー＞
アメリカの高校生アレックスは修学旅行でパリ行きの飛行機に乗り込む。とこ
ろが、出発直前に「この飛行機が爆発する！」という予感に襲われて混乱。友
人ら６人を巻き込む形で、飛行機から降ろされてしまう。その直後、離陸した
飛行機がアレックスの予感通りに爆発し……。
＜レビュー＞
「ファイナル・デスティネーション」！！
とタイトルはスケールがデカイのだが、なんとなくジミな雰囲気の映画。これ
といって有名な役者も出ていないせいか、マスコミ等でもあまり大きく取り上
げられていない様子。
そんなこともあって、あんまり期待しないで行ったんですヨ。
でも、予想以上におもしろかったですねぇ〜。 (^-^)
人間の死は運命づけられているのではないか!?
あらかじめ決められていて、どんなことをしても避けられないのではないか!?
誰もが持つそんな思いを巧みに利用した作品。
ただのノリだけのスリラーやホラーとはちょっと違う雰囲気が味わえます。
パリに修学旅行に向かうアメリカの高校生（アメリカにも修学旅行ってあるん
ですねぇ）。
その中の１人アレックスが飛行機の離陸直前に悪夢にうなされて混乱し、飛行
機を降ろされる。それに巻き込まれて引率の先生や生徒計６人も飛行機に乗れ
なくなる。
ところが、彼らを残して離陸した飛行機が、アレックスの予言通りに空中で爆
発してしまう……。
飛行機に乗る時には、いくら乗り慣れた人でもちょっとはビビるもの。
その緊張感をアレックスの悪夢にうまくつなげていく導入部に感心！
アレックスの混乱具合は少々大げさすぎる気もするけど、誰もが持つ飛行機へ
の恐怖感が背景にあるからそれほど気にならない。
まさに運命のいたずらで命拾いしたアレックスを含む７人。だが、心の傷は大
きかった。引率の教師は同僚に飛行機に乗るように指示していたし、兄弟を失
った生徒もいる。
そして、アレックスには飛行機爆破犯人の疑いがかかる……。
やがて、生き残った人々に次々に死が襲いかかる。
あらかじめ予定されていた運命を狂わせた報いが訪れたのだ。
アレックスは、なんとかして死の予告をかぎ取って、そこから逃れる方法を見
つけようとするが……。
簡単に言えば、アレックス仲間に次々に襲いかかってくる敵の行動を予知し、
それに対抗する方法を考えようとするワケ。
その敵が、マフィアだったり、ゾンビだったり、エイリアンだったりするのは
よくある話。
ところが、ここでの敵はとんでもない難敵。なんたって人間の目に見えない「
運命」なのだ！ ジャジャジャジャーン！！（ココ、ＢＧＭは当然ベートーヴ
ェンの「運命」ネ）
「運命」とバトルを展開する高校生。
このヒネリ方がたまらんですなぁ〜。
これが、物語をものすごくスリリングで、楽しくしているんですねぇ〜。
実は、この映画、人気テレビシリーズ『Ｘ−ファイル』のスタッフが手がけた
作品。
そういえば『Ｘ−ファイル』も、ときどきチラッとエイリアンの姿なんかが映
ったりするけど、どちらかといえば超常現象のような見えない敵が登場するこ
とのほうが多い。
ふーん、なるほど。彼らにとって見えない敵を操るのはお手のものだったのか
……。
意味のないことまでいかにも意味があるように映すカメラワーク。
死を予感させるジョン・デンバーの音楽などの小道具。
ま、パターンではあるんだけど、こうした演出もうまく雰囲気を盛り上げてい
る。 (^-^)
若手中心の役者たちも、みんな若さに似合わず安定感のある演技をしています
ヨ。特に主役のデヴォン・サワは将来性がありそう。
ゾクゾクするような超ハイパーなスリルとはちょっと違った、エキセントリッ
クな恐怖感が味わえる映画です。
まあ、いくら「運命」を扱っているからといって、何かにズシーンと感動する
といったタイプの映画じゃないんですけどね。
「ちょっと強引じゃないの〜」ってところも見受けられますが、そういうとこ
ろを除けばそれなりに楽しい映画にはなっていると思いま〜す。
《ぽちのオススメ度》
★★★
（良くも悪くもソツなくまとまってます。やっぱりテレビの45分枠で鍛えられ
たせい？）
＜ぽち＞