フォーガットン(THE FORGOTTEN)
| （2004年 アメリカ）（上映時間１時間32分） 監督：ジョセフ・ルーベン 出演：ジュリアン・ムーア、ゲイリー・シニーズ、ドミニク・ウェスト、アン ソニー・エドワーズ、アルフレ・ウッダード、ライナス・ローチ ＊ 日劇3ほかにて全国公開 ホームページ http://www.forgotten.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 9歳の一人息子サムを飛行機事故で亡くし、精神科医に通うテリー（ジュリア ン・ムーア）。ある朝、部屋に飾ってある写真を見ると、一緒に写っているは ずのサムの姿はなく、自分と夫の二人だけの写真になっていた。テリーは夫に 詰め寄るが、「息子など最初から存在しない」と言われてしまう。動揺した彼 女は精神科医に相談するが、子供が欲しいと強く願ったことから、想像と現実 の世界が混乱してしまったのだと告げられる……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 リアルな心理劇かと思ったら、あらまぁ、そっちの世界の話だったのね 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 予告編を観てすっかり勘違いをしていました。この映画はリアルな心理劇だと 思っていたのです。ところが、あらまぁ、そっちの世界の話だったのですか… …。Ｗ（＊゜ｏ゜＊）Ｗ ジュリアン・ムーア扮するテリーが、息子を事故で亡くしたショックから立ち 直れず、ツライ日々を送るところからドラマは始まります。 ところが、ある日、子供の写った写真が差し替えられ、ビデオの映像も消され てしまう。夫の仕業と思って責めるが、「子供なんか最初からいない」と言わ れてしまう。彼女の精神科医も「それは子供が欲しいという願望が強すぎて、 想像と現実がごちゃ混ぜになったのだ」と診断する。 おまけに、近所の知人も「子供なんて知らない」というではないか……。 こりゃあ、どう考えたってナゾに満ちた心理サスペンス、あるいは心理スリ ラーの素材でしょう。はたしてテリーの息子は存在していたのか。いったい真 実はどこにあるのか。母の愛、現実、幻覚など、彼女や周囲の人々の心の奥底 を探りながら、衝撃の真実に迫っていく。そんな展開を期待したのです。 （（ｏ（^-^）ｏ））ワクワク ところが、なんと早いうちに、そこにはある陰謀が絡んでいることが明らかに なってしまいます。そして、テリーが、彼女と同じく子供を亡くした元ホッ ケー選手と協力して、その陰謀に迫っていくという展開。 これって、ありがちな展開ですよねぇ〜。しかも、イマイチ緊迫感に欠けるん だよなぁ〜。アクションも織り込んだりして、それなりに見せてはいるんです けどね。真相に迫る過程が都合よすぎだし、ヒネリがなさすぎ。 スゴイ使命を持った保安局の人間が、あまりにもマヌケなのも笑っちゃいます。 オープニングの「子供が実在したかどうか」というネタが強烈すぎるものだか ら、なんだかユル〜イ感じがしちゃうんです。 （￣。￣） いったいどんな陰謀なのかは伏せておきますが、そんなに珍しい話ではありま せん。 この映画の前売券に「『シックス・センス』以来、最も衝撃的なスリラー！」 って書いてあるけど、どっちかっていうと同じナイト・シャマラン作品でも 『サ××』に近いかな。あ！ そこまで言ったらわかっちゃいますか？ 別にこういうネタにリアリティーなんか求めませんけど、その代わりもうちょ っとハラハラドキドキさせてくれないとねぇ〜。 ラストもいくらなんでも都合よすぎです。「母の愛は強し！」という視点はわ かるけど、あれはないでしょう〜。 そんな中で、感心させられたのがキャスティング。この程度の映画が、それな りに飽きずに観られるのは充実したキャストのおかげです。 『エデンより彼方に』『めぐりあう時間たち』のジュリアン・ムーアが複雑な 母の心情をキッチリと表現しています。もしも、彼女が演じていなければ、こ の映画はもっと薄っぺらな映画になったことでしょう。 精神科医を演じたクセ者、ゲイリー・シニーズもさすが。アヤシイ雰囲気がプ ンプンです。そして、ジュリアン・ムーアの夫役にアンソニー・エドワーズ （おなじみ『ＥＲ』のグリーン先生）を起用したあたりも、なかなかシブいキ ャスティング。 こういうキャストのおかげで、まあまあ観られるドラマになってはいるものの、 基本的には緊迫感に欠けた物足りないスリラーでした。出だしが強烈なだけに、 中盤以降がどうにも締まりがない。 『Ｘ−ファイル』とか、そういう世界が好きな人なら、それなりに満足できる かもしれませんが……。 《ぽちのオススメ度》 ★☆☆☆☆（＋1／2★） （このキャストでなければ、せいぜい★１つ程度という感じでしたね。心理ド ラマを期待しないで気楽に観れば、まあまあ楽しめるかなぁ〜。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年６月５日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後２時15分の 回。 |