ガウディアフタヌーン（GAUDI AFTERNOON）
（2001年 アメリカ・スペイン）（上映時間１時間37分）
監督：スーザン・シーデルマン
出演：ジュディ・デイヴィス、マーシャ・ゲイ・ハーデン、リリ・テイラー、
ジュリエット・ルイス、クリストファー・ボウエン
＊2002年６月劇場公開
ホームページ http://www.tdf.toshiba.co.jp/tdf/gaudi/
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＜ストーリー＞
18歳でミネソタの家を飛び出して以来、世界中を転々としているカサンドラ（
ジュディ・デイヴィス）。現在はバルセロナでラテンアメリカ文学の翻訳をし
て暮らしていた。ある日、彼女のもとをフランキーという謎の女性が訪ねてき
て、２年前に失踪した夫ベンを探してくれと頼み込む。高額の報酬にひかれて、
依頼を引き受けた彼女はベンを見つけ出すことに成功。だが、彼はちょっと
変わった人物たちと同居していた……。
＜レビュー＞
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ユニーク・キャラを生かしきれないカラまわりのドラマ
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この映画の舞台はバルセロナ。
なつかしいなぁ〜。○年前にヨーロッパ豪遊旅行した時に、いちばん好きにな
ったのがこの街。街の風景も、住人も、そしてメシも最高！
思えばあの頃がボクのバブル期だったよなぁ〜。今じゃもうバルセロナどころ
か、熱海にも行けないもんなぁ〜。 (T^T)
と感傷に涙している場合ではない。
この映画にはタイトル通り、バルセロナの街中にある建築家ガウディにゆかり
のスポットがたくさん登場する。
グエル公園、ザグラダ・ファミリア、グエル邸……、なつかしいなぁ〜、また
行きたいなぁ〜。 (T^T)
だから、感傷に涙してる場合じゃないって！！
ま、とにかくそういうガイドブック的魅力はけっこう詰まったこの映画。それ
じゃ肝心のドラマはどーなんだ？？？
それがねぇ、イマイチなのよねぇ〜。 (´ヘ｀;)
最初に主人公の翻訳家のところにナゾの女が訪れて、人探しを依頼するあたり
は、けっこう期待を抱かせてくれるんです。
しかし、その経過がまったくつまらないんだよなぁ〜。あんなにチャチな仕掛
けじゃ満足できないよ〜。
だいたい、よく考えたら、ナゾの女が主人公を頼る動機もよくわからないし、
それを引き受けた主人公の気持もよくわからん。最初はお金のためなんだけれ
ど、途中から何のために深入りするのか全然わからなくなる。キミはそんなに
ヒマだったのか？
キャラクターはけっこうおもしろいんですよね。
話の中心は、ゲイ＆レズビアンという風変わりな夫婦による娘の奪い合い。そ
こに別のレズビアンの女やバイセクシャルの男が絡んできて、まさにゴッタ煮
状態。
こういうキャラのユニークさで、それなりには笑えるものの、ドラマ的にはカ
ラカラと空回り。 _(・。・)φ
要するに、風変わりな家族に関わった主人公が、やがて自らの人生を見つめ直
していくというのがドラマのキモなわけですが、それがあんまり心に響いてこ
ないんです。
登場人物がドタバタ、ドタバタしているだけで、うまく回転していかないのだ。
主人公の孤独や苦しみも、セリフで表現されるだけで深みがないしさぁ〜。
せっかくバルセロナの街をバックにしながら、ああ、もったいない。
女優たちの顔ぶれもなかなかのもので、ジュディ・デイヴィス、マーシャ・ゲ
イ・ハーデン、リリ・テイラー、ジュリエット・ルイスとくれば、ツウにはガ
ツンときそうなラインアップなだけに、なおさらもったいないんだよねぇ〜。
ネタから考えたら、「男女の違いってなに？」「家族ってなに？」「父親や母
親の役割ってなんなのさ？」てなあたりをもっと突き詰めないと、ドラマに深
みが生まれないはず。そのあたりがなんとも中途半端。
そうでなかったら、こういうテもあります。わかっていても感動させる涙、涙
のドラマにしちゃうんです。
もしも、ボクがその線で脚本を書くなら、「ズルイ！」と言われようが「あざ
とい！」といわれようが、ゲイ＆レズビアンのカップルの娘デライラをもっと
前面に出しますね。だって、このコったら驚異的にかわいいんだもん。
このコが風変わりかつ身勝手な両親に負けず、自立して力強く生きようとする
ケナゲさをアピール。それが観客の涙を誘い、両親の改心を引き出す。そして、
それが主人公の過去を見つめ直す気持につながっていく……という形をクッ
キリと見せた方が、観客を最後まで飽きさせないと思うのだが。
というわけで、ボク的にはあんまり心に響かなかったドラマ。
見どころは女優たちの演技（性別を超越！）と笑いどころでしょうか。そして、
なんと言ってもバルセロナの街の風景が最大の魅力。
ああ、ホントにもう一度行きたいなぁ〜。誰か連れてってくれぇ〜！！（他人
を頼ってどうする！）
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
（そんなにヒドイ映画ではないけれど、とりたてて観る価値があるとも思えま
せん。おヒマでしたらどうぞ）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年８月３日（日）ビデオにて。
ビデオ＆ＤＶＤ 発売元／東芝デジタルフロンティア、販売元／ハピネット・
ピクチャーズ