ひまわり
（2000年 日本）（上映時間２時間１分）
監督：行定勲
出演：麻生久美子、河村彩、袴田吉彦、マギー、粟田麗、土屋久美子、ひふみ
かおり、ボブ鈴木、戸田昌宏、光石研、北村一輝、津田寛治、堺雅人
＊ケイエスエスよりビデオレンタル中
＜ストーリー＞
東京で暮らす紺野輝明（袴田吉彦）は、偶然目にしたニュースで、小学校時代
の同級生の真鍋朋美（麻生久美子）が海難事故で行方不明になったことを知る。
遺体が発見されないまま行われた葬式に、輝明はかつての同級生とともに参列するが……。
＜レビュー＞
子供の頃の想い出って、なんともいえない感じですよねぇ〜。
ただ懐かしいだけじゃなくて、甘ずっぱかったり、ほろ苦かったり。
それも初恋の想い出なんか特に……。
そんな子供の頃の想い出を、みずみずしいタッチで描いた映画です。
東京で暮らす輝明が、小学校時代の同級生の朋美が海で遭難したことを知り、
驚く。実は、事故の少し前に、彼女から「私のことを覚えていますか？」とい
う留守番電話が入っていたのだ。
とまどいながら、かつての同級生と一緒に朋美の葬式に参列するため、海辺の
故郷へと帰る輝明……。
なんかテレビの２時間ドラマなんかに、ありがちな設定じゃありません？
かつての同級生の葬式に集まった同級生たち。そこで殺人事件が発生！！
事件を探るうちに、かつて起きた恐ろしい出来事が明らかに……。ガーン！！ （￣□￣；）
なぁ〜んてことにはならないんですよね。この映画は。
朋美の葬式には、同級生をはじめ、朋美の先生、複数の彼氏たちが次々に登場。
彼らが、あれこれと話をするうちに、かつての朋美の想い出や、最近の朋美
のようすが少しずつ明らかになってくるんです。
で、それとともに輝明の脳裏に、忘れていた小学校時代の朋美との微妙な関係
がよみがえってくるワケ。
それはホントに微妙な関係。初恋にもならないような淡い思いのスレ違いだ。
ある時、輝明はドッヂボールで、わざとボールをそらして朋美にぶつけないよ
うにする。すると、友達は、輝明が朋美を好きだからだとからかう。その言葉
に、輝明は思わず、朋美が「汚い」からボールをぶつけなかったんだと言って
しまう。それを聞いていた朋美の姿……。
うーん、皆さんにもこういう想い出がありません？
好きな異性にわざと意地悪したような……。
そういう誰にでもある想い出に、静かにソッと働きかけてくるんですよね。こ
の映画。だから、素直に入り込んでしまう。
おまけに、バランスがとってもいい。 (^-^)
現実の葬式の場面、最近の朋美を描いた場面、小学校時代の回想シーン……。
そういうシーンをバランスよく配置して、ところどころにユーモラスな場面を
ミックスしながら、映画全体を展開させていく。
だから、大事件なんか起きなくても、観客を引き込んでしまうんです。
そして、映像の美しさも効果的。
特に光の使い方が抜群にウマイ。
タイトルにある「ひまわり」や日蝕の映像も印象的だ。
若い俳優陣の生き生きとした演技も見逃せない。
特に、麻生久美子は、何かを探しながらそれが見つからない、そんな不安定な
感じをうまく出していたと思う。
朝本浩文の音楽も、この映画のタッチにピッタリでしたねぇ〜。
ただ、最後の海辺のシーンは、あまりにもベタな感じがしたゾ。
それと、後半はちょっとダレる感じ。もうちょっとムダを落としてテンポアッ
プしてもよかったんじゃない？
ま、それでも、僕的には好きなタイプの映画です。
観終って、なつかしさと、爽快感と、ちょっぴり切ない思いが残りました。
(*^。^*)
《ぽちのオススメ度》
★★★
（観終って爽快感が残った。で、自分の小学校時代を思い出してみたんですヨ
。そしたら、悲惨なことばっかりでさぁ。爽快感が不快感に変わっちゃいまし
たぁ〜。うぇーん。(Ｔ^Ｔ) ）
＜ぽち＞