いま、会いにゆきます
（2004年 日本）（上映時間１時間58分）
監督：土井裕泰
出演：竹内結子、中村獅童、武井証、中村嘉葎雄、市川実日子、ＹＯＵ、松尾
スズキ、小日向文世
＊ニュー東宝シネマほか東宝系にて全国公開
ホームページ http://www.ima-ai.com/
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＜ストーリー＞
妻の澪（竹内結子）を１年前に亡くした秋穂巧（中村獅童）は、一人息子の佑
司（武井証）と二人暮らし。巧は病気を抱え、人ごみに出られず、森に近い家で
ひっそりと暮していた。そんなある日、「雨の季節に帰ってくる」と言い残した
言葉通りに、澪が帰ってくる。記憶をなくした彼女に、巧は２人の出会いを語っ
て聞かせるが……。
＜レビュー＞
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「セカチュー」に続け！ 絶対に泣けるストレートな愛の物語
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この映画について、ボクの中の２つの顔が、それぞれ勝手なことを言っていま
す。なので、それぞれの胸の内を語ってもらいましょう。
◇良いぽち（以下良ぽ）：うぇーん、泣けて泣けてたまらないよ〜ん。大ヒッ
トした『世界の中心で、愛をさけぶ』（セカチュー）に続いて、これまた絶対に
泣ける映画の登場だッ！！！ （Ｔ^Ｔ）
◆悪いぽち（以下悪ぽ）：ていうか、『セカチュー』そのままじゃん。過去の
回想で学生時代の初々しい恋を描くという構成はまったく一緒。そこで描かれる
恋も実に真っ直ぐで、ボクみたいな汚れちまった人間には、テレくさい感じです
なぁ〜。 (*^^*ゞ
◇良ぽ：でも、それは同時に、どんな世代の、どんな人でも感情移入しやすい、
わかりやすい物語だってこと。つまり、幅広い人たちが感動して泣ける仕掛けに
なっているワケ。それに、ちゃんとヒネってあるヨ。主人公が単純に回想するだ
けでなく、「よみがえった妻」というファンタジー的要素を入れてるもん。そこ
には、死んでしまった妻に対する父と子の悔恨の思いも投影されて、ドラマに厚
みを加えていると思うな。
◆悪ぽ：まあ、確かにそれによって青臭さは中和されるけどサ。
◇良ぽ：それに、美しい映像も、感動と涙への効果的な仕掛け。緑の森、色鮮
やかなひまわりなど、メルヘンチックな映像がいいんだよなぁ〜。 (*^o^*)
◆悪ぽ：確かに映像はキレイ。それによって観客の感情移入を促すと同時に、
このテのファンタジーにありがちなウソくささも、あまり感じさせないように仕
向けているね。
◇良ぽ：だしょ？ だしょ？ 全体を包むゆるやかな雰囲気（小日向文世演じ
る医師の態度が象徴）も、感動と涙へつなげる仕掛けとしてバツグンに効果的。
てるてる坊主だの、目玉焼きだのといった細かなアイテムの使い方も巧みですね
ぇ〜。
◆悪ぽ：感動物語には不似合いな感じの中村獅童の起用も、朴とつな演技が良
いアクセントになっていると思う。
◇良ぽ：そうやって、観客をうまいこと感動と涙に誘い込んで、ついにクライ
マックスではそれを大爆発させるのです。よみがえったとはいえ、それはあくま
でも雨の季節だけのこと。それが終われば妻は消えてしまう。すでにそれを知っ
た妻は、静かに消えていこうとする。そして、夫と子供は……。 (T^T)
◆悪ぽ：ここで泣けなきゃ人間じゃないぜ！ てなぐらい絶対に泣けるクライ
マックス。いやだなぁ〜。ストレートすぎて恥ずかしいよーん。 (*^^*ゞ
◇良ぽ：何を言うか！ スサマジイぐらいにカワイイお子さま（武井証）と、
『天国の本屋〜恋火』『黄泉がえり』など、生きてるんだか死んでるんだかビミ
ョーな役柄がピッタリの竹内結子も、実に効果的なキャスティングで感動の極致
へと誘ってくれるぞ！
◆悪ぽ：竹内結子は良かったけどサ、ボク的には彼女の高校生時代を演じてい
た大塚ちひろも良かったです。たしか、あのコ、去年の昼ドラで主役を張ってた
っけ。
◇良ぽ：さすが昼ドラファン！ これからどうなる？「愛のソレア」。それは
ともかく、クライマックスで終わったと思ったら、なんとまだ続きがあるのだ。
ここまで語られた主人公夫婦の恋愛は不自然で、しかも夫側の一方的なもの。
「なんじゃ、このお手軽な恋愛は？」と思ったら、最後の最後でもうひとヒネリ
加えて、その秘密を明かすとともに、タイトルの「いま。会いにゆきます」の意
味も明らかにしているんですヨ。いやぁ〜、まいったなぁ。スゴイなぁ〜。
◆悪ぽ：そういうのをやり過ぎって言うんだぜ。そこまでして泣かせたいかッ！
これぞ涙の大量販売！！
◇良ぽ：徹底的に根性の曲がったヤツだなぁ。人を感動させ、泣かせるという
点では、職人芸的なうまさじゃないですか。市川拓司の原作、『ちゅらさん』な
どのテレビドラマでおなじみの岡田惠和のシナリオ、そしてこちらもテレビドラ
マ『ビューティフルライフ』などで知られる土井裕泰の演出が一体になって、涙、
涙の感動ラブストーリーを生み出しているのですヨ。 ヨヨヨヨ……。 (T^T)
◆悪ぽ：確かにウマイのは認める。でもさぁ、せっかくここまでやったんなら、
もう少しドラマに深みを持たせて、ドドーンと余韻が残る映画にして欲しかった
な。美しい物語なのは確かなんだけれど、涙と感動の後に何かが残るかといえば、
ちょっと疑問。泣かせるだけじゃねぇ〜。 (´ヘ｀;)
◇良ぽ：ええ〜い。お前のような根性曲がりは、竹内結子の代わりに、アーカ
イブ星に行っちまえぇぇぇぇ〜〜〜！！ ｏ（・＿・）○☆
……というわけで、ボクのような根性曲がりには、ストレート過ぎて物足りな
さも残りましたが、泣けるのは確実に泣ける映画です。なんせ隣に座ってたコワ
イ顔のお兄さんも泣いてましたから。泣くことを期待してきたお客さんを、その
期待通りに泣かせるのだから、まさにプロフェッショナルな映画と呼べるかもし
れません。
どうですかお客さん！ さあ、みんなで泣きましょう！！ １、２、３、ダー
ッ！！！ （て、なぜ最後は猪木？）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（あまりにもストレートなラブストーリーで、ボク的には物足りなさも残りま
したが、泣けるのは確実に泣けるはず。泣きたい方はぜひどうぞ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年12月12日（日）ワーナー・マイカルシネマズ板橋にて。午後３時55分の回。