いぬのえいが
| （2004年 日本）（上映時間１時間36分） 監督：犬童一心、黒田昌郎、祢津哲久、黒田秀樹、佐藤信介、永井聡、真田敦 出演：中村獅童、伊東美咲、宮崎あおい、小西真奈美、天海祐希、佐藤隆太、 乙葉、川平慈英、佐野史郎、渡辺えり子 ＊ シネスイッチ銀座ほかにて全国公開 ホームページ http://www.inunoeiga.com/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 犬をテーマにした７人の監督による全11話のオムニバス映画。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 楽しく笑って、最後には涙ボロボロ。お犬さまは偉大なり 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ワン、ワ、ワ、ワン！ クーン、クーン、クーン。キャン、キャ、キャン！ ウ〜、ガウガウ。ワン、ワン。 て、犬語で語ってみましたが、いかがでございましたでしょうか？ わかんね ぇヨ！ (^o^) この映画は、タイトル通りに犬をテーマにしたオムニバス映画。『ジョゼと虎 と魚たち』の犬童一心監督（名前がハマリすぎ！）をはじめ、映画やＣＭ界の ７人の監督さんたちが、11のエピソード（アニメを含む）を描いています。 犬の映画ができたと聞いた時には、犬のカワイらしさと感動をストレートに描 写したあざとい映画を想像したのですが、実際はまったく違いました。 オープニングのアニメ作品に続いて登場するのは、佐野史郎＆渡辺えり子によ る飼い犬自慢のミュージカル。もう、コイツらったら、バカというしかない困 った飼い主です。そんな飼い主をおちょくっちゃった爆笑のエピソード。 続いて登場するのは、中村獅童演じるＣＭプランナーをめぐるドッグフードの ＣＭ騒ぎ。伊東美咲演じる人気女優を起用したＣＭなのだが、これが完全にオ バカなＣＭ。ここでもスポンサーやＣＭ製作者など、お犬様周辺の人々のアホ アホぶりを軽々と笑っちゃってます。 そして、次は感動のエピソード。前のエピソードで登場した中村獅童演じるＣ Ｍプランナーの子供時代の思い出にからめて、柴犬のポチ（ボクではありませ ん。念のため）の忠犬ぶりが、抑制されたタッチで描かれます。このパートの 担当は犬童監督。さすがに見事な描写で心温まるお話。 というように、実写によるラブコメから、爆笑コメディ、ヒューマンドラマ、 ミュージカル、アニメなど、様々なスタイルで描かれる犬クンたちのドラマ。 特に柴犬ポチは、天海祐希＆川平慈英によるミュージカルなど、その後もいく つかのエピソードにかかわる大活躍。柴犬はマイペースで、役者犬には向かな いはずなのに、よくぞこれだけの演技ができたもの。もしかしたら、ボクより も賢いかもヨ。 その他にも、50種類90匹の犬クンたちが活躍するのだから、これはもう犬好き にとってたまりません。 (⌒▽⌒) いや、犬好きだけでなく、フツーの人だって、これだけ手を変え品を変え、次 から次へと楽しませてくれるのだから、おもしろくないはずがない。 ただし、事前の情報で「ほとんどの人が泣いた！」と聞いていたものの、それ ほどのものではない感じ。確かにポチの忠犬ぶりには感動するものの、「いい 話だなぁ〜」と思う程度。これで泣くなんて、相変わらずみんな泣くのが好き ねぇ〜。 ~ヽ(￣Д￣*) と思ったら、なんと最後のエピソードで大号泣。映画館でこんなに泣けたのは 何年ぶりでしょうか。ボクにもまだ涙ってものがあったのか！？ だってさぁ、犬好きなら、絶対に泣いちゃうヨ。あのエピソードは。 宮崎あおい扮する少女がボーダーコリーのマリモに話しかけるんだけどね。ワ ンちゃんの一生について淡々と語っていて、それが怒涛の感動の嵐を呼び起こ してしまうのです。続いて、今度は逆にマリモが少女に語りかけるところで、 さらに怒涛の感動の嵐。涙の海に身もだえて撃沈です。 """(_ _,)/~~"" " 冷静に考えれば、『セカチュー』や『いま、会いにゆきます』と同じようなス トレートな泣かせ方なのだが、そこに至るまでに楽しく笑っているから素直に 感動しちゃうんですよね。特に、犬を飼った経験のある人は、自分の経験と重 ね合わせて絶対に泣けちゃいますヨ。あれは。 楽しく笑って、最後に涙ボロボロ。現代のお犬様事情に対するメッセージも適 度にこめられた、いまどきまっとうなワンちゃん映画です。 犬好きはもちろん、犬に興味のない人も一度観てはいかが？ ああ、犬って偉大な存在だワン！ 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ （犬好きなので、やや甘めの点数かもしれませんが、とっ散らかってまとまり のない作品が多いオムニバス映画の中では、よくできていると思います。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年３月19日（土）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後12時15分の回。 |