亀は意外と速く泳ぐ
(2005年 日本)(上映時間1時間30分) 監督・脚本:三木聡 出演:上野樹里、蒼井優、岩松了、ふせえり、松重豊、村松利史、緋田康人、 要潤、森下能幸、松岡俊介、水橋研二、温水洋一、岡本信人、嶋田久作、伊武 雅刀 *テアトル新宿にて公開。全国順次公開 ホームページ http://www.kamehaya.com/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ <ストーリー> 平凡な主婦の片倉スズメ(上野樹里)は、ある日、買い物帰りの階段途中に 「スパイ募集!」という広告を発見する。その電話番号に連絡し、指定された 場所を訪ねると、自分はある国のスパイだと名乗る夫婦(岩松了、ふせえり) が現れる。2人はスズメに、「指令があるまで目立たないように暮らせ」と命 じるのだが……。 <レビュー> 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 くだらなさすぎて笑っちゃうしかない。アホアホなショートコント映画 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 亀、速ッ!!! て、ホントか??? まあ、何にしても人を食ったタイトルだワン。 U^エ^U 夫が海外単身赴任中で、毎日のように電話で「ペットの亀にエサを与えた?」 という確認をされる平凡な主婦スズメさんが、ある日、ナゾのスパイ夫婦と出 会い、自らスパイになってしまうというお話。 といっても、スパイがド派手に活躍する映画ではありません。 なんなんじゃコイツら? というアホアホな人たちが次々に登場して、アホア ホな言動をくり広げるという、まるでショートコントのような映画。それも飛 びっきりくだらねぇ〜〜〜!! のだ。 どこがくだらねぇか、ですと? それを説明する気もなくなるぐらい、くだらねぇ〜のですヨ。 目立たないためにソコソコの味のラーメン屋とか、町を停電させるために送電 線を切るバカ女とか、うずらの卵百個で目玉焼き作ってもおいしくねぇとか、 あずきパンダちゃんとか……。あーあ、今思い出しても、くだらねぇ〜! おもしろいストーリーなんかないしさぁ、ドラマ的にググッと迫る深みもない。 ただひたすらくだらねぇ〜、小ネタの数々。でも、これだけくだらねぇ〜と、 もう笑っちゃうしかないのです。 (* ̄∇ ̄*) でもって、シュールさも漂うこの独特の笑いは、どっかで見たような気がする と思ったら、監督の三木聡は、シティボーイズライヴの作演出などをしていた そうです。あ! なるほど、あのまんまの世界だわ。 なので、笑いのツボがビミョーにハズレると、笑えない人もいるかもしれませ んねぇ〜。誰でも間違いなく笑える、というのとは少し違うかも。 ま、個人的にはかなり笑えましたけど。 主演は『スウィングガールズ』の上野樹里。しかし、この映画で目立っている のは彼女よりも、スパイ夫婦役の岩松了とふせえり、ラーメン屋の松重豊、ズ ルハゲなイケ面役の要潤、変人父ちゃんの岡本信人など、脇役の人々。この人 たちが、み〜んなアホで笑うしかないのです。蒼井優チャンもここではバカ女 だもの。 だけどさぁ、できたら小ネタだけでなく、ストーリー的にももう少しなんか欲 しかったですよねぇ〜。 後半、嶋田久作&伊武雅刀の公安コンビが登場したりして、「おっ! なんか 始まるのか?」と期待したけど、結局たいしたことも起きなかったしサ。 やっぱ、この映画でストーリー的にいちばん楽しいのは、スズメちゃんが「平 凡に生活しろ!」と命じられて苦労するところだと思うのね。 スーパーで買い物するのにどうしたら目立たないかとか、ファミレスでいかに 目立たないメニューを注文するとか。 そこで、「目立ちたくないのに目立ってしまう。ああ、どうしよう。困ったワ ン」てなところをもっともっと強烈に出したら、さらに楽しい映画になったと 思うんだなぁ〜。 (´へ`; まあ、でも、笑えるのは笑えます。 あまりのくだらなささに、笑うしかありません。笑ってるうちに脱力します。 キャッチコピーに「脱力系奥様スパイ」ってあるけど、観客のほうが脱力しち ゃいます。 ギスギスした今の世の中。たまには、こういう脱力映画もいいのでは? それにしても、ホントに「止れま」はあるのかい? 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ (くだらなさすぎて笑っちゃうしかない映画。まあ、いいんじゃないの。人間 たまには寄り道も必要だし……。) <ぽち> 〔鑑賞データ〕 2005年7月12日(火)テアトル新宿にて。午後12時15分の回。 |