危情少女 嵐嵐(危情少女／DON'T BE YOUNG)
（1995年 中国）（上映時間１時間40分）
監督：ロウ・イエ
出演：チー・イン、ヨウ・ヨン
＊テアトル池袋にて公開
ホームページ
http://www.pal-ep.com/kijyou-syoujo/htm/kijyou-syoujo.htm
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＜ストーリー＞
毎日悪夢にうなされるランラン（チー・イン）は、そのナゾを突き止めようと
する。存在するはずのない住所に建つ古い屋敷にたどり着いた彼女は、そこに
住むことになるが、さらにナゾは深まっていく。やがて現実と夢とが混乱して
……。
＜レビュー＞
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不可思議な映像美に貫かれた怪奇幻想ワールド
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日本でも『ふたりの人魚』が話題になり、2003年のカンヌ映画祭に新作『パー
プルバタフライ』が出品された、中国新世代の監督ロウ・イエンの1995年の作
品。といっても、テレビ用の長編として作られたものらしいのですが……。
この映画のキャッチコピーには、「中国映画史上初の本格恐怖ホラー」とあり
ますが、いわゆる恐怖映画とは、ちょっと雰囲気が違います。"怖い！！"とい
うよりは、"怪しいぃ〜〜〜？？？"という感じの映画です。
ストーリーはいかにもホラーチック。嵐嵐（ランラン）という少女（といって
も大人だけど）が毎晩奇怪な夢にうなされる。でもって、恋人のルー・マンと
ともに、そのナゾを探るうちに不思議な屋敷に行き着く。そして、やがて彼女
に魔の手が迫る。ギャーッ！！ (>_<")
そのナゾの背後にあるらしい母の自殺、行方不明の父の存在、病院での事故、
動物病院での奇怪な出来事、不気味な間借り人たち……などなど、周辺を取り
巻くのもみんなコワイ素材ばっかりです。
でも、背筋が凍るほどの戦慄は期待しないでください。幽霊も出てくるけれど、
そんなにコワイわけではない。血がドクドクのところもあるけれど、スプラッ
ターホラーのようなエグさはまったくナシ。
だいたい映像が美しすぎて見とれちゃうのよ。
『ふたりの人魚』もそうだったんだけれど、幻想的で独特なムードに包まれた
実に魅力的な映像なんですよねぇ〜。 (*^_^*)
しかも、なんたって、今回は主人公の「夢」が大きな核になっていますから、
幻想の映像世界が全開バリバリなのです。
特に迷宮のような屋敷の中で、幽霊や白塗りの人物など不可思議なアイテムが
つくりだす怪奇世界は、もう誰も追従できないユニークな空間。
羽毛枕の羽毛が舞う中で繰り広げられるクライマックスも、美しすぎるぅ〜〜
〜〜。 (＾o＾)／
ホント、すべての場面がそのまま幻想画になってしまいそうな感じです。その
ぐらい風情のある印象的なシーンばかり。
主人公ランラン役のチー・イン（『キープ・クール』）の妖しい美しさも、こ
の映画にピッタリ。白塗りがたまらんですぅ〜〜。（しかし、なぜ突然白塗り
になるかイマイチわからん。）
というわけで、いわゆる怖いホラーというよりは、怪しい魅力がタップリの怪
奇幻想映画といったほうがいいでしょう。
話自体はベタだし、後半はあまりにも急展開すぎるストーリーですが、独特の
幻想世界は一見の価値アリ。ロウ・イエ監督の才能の豊かさが実感できます。
ちなみに、ボクはこの映画を七夕の日に観たのですが、七夕と怪奇幻想映画も
なかなか似合いますことヨ〜。ウフッ。（て、どこが！？）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（ストーリーや脚本自体はたいした映画ではないが、ロウ・イエ監督の演出＆映
像は観る価値アリ。アヤシイ世界がお好きな方はどうぞ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年７月７日（水）テアトル池袋にて。午後12時30分の回。