きみに読む物語(THE NOTEBOOK)


(2004年 アメリカ)(上映時間2時間3分)
監督:ニック・カサヴェテス
出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローラン
ズ、ジェームズ・ガーナー、ジェームズ・マーズデン、サム・シェパード
*丸の内プラゼールほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://www.kimiyomu.jp/
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<ストーリー>
療養施設で暮らすアルツハイマーを患う老婦人に、一人の老紳士がある物語を
話して聞かせる。それは、1940年に始まったラブ・ストーリー。ひと夏を過ごす
ため、南部の大都市チャールストンからノース・カロライナ州シーブルックにや
って来たアリー(レイチェル・マクアダムス)は、カーニバルの夜に地元の青年
ノア(ライアン・ゴズリング)と知り合う。彼の一途な気持ちに惹かれるアリー。
やがて二人は激しい恋に落ちるのだが……。

<レビュー>
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切なくて美しい感動のラブ・ストーリー……なのか? これが
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全米ベストセラーの感動のラブ・ストーリーの映画化だそうです。
ストーリーの構図は、アルツハイマーになった老婦人に、ある老紳士がラブ・
ストーリーを読み聞かせて、何とか記憶を取り戻させようとするというもの。で
もって、そのラブ・ストーリーが映画の大部分を占めています。だから、ここが
きちんとしていないとすべて台無しになってしまうワケ。

そのラブ・ストーリーの主役は、南部のお金持ちの令嬢アリーと、彼女が両親
とともに夏を過ごすために訪れた地元の肉体労働者の青年ノア。カーニバルの夜
に知り合った2人は、そのうちに激しい恋に落ちる。しかし、アリーの両親は大
反対……。

てことで、古典的とはいえ、こういう身分違いの恋を描いた物語は実に切ない
もの。
おまけに、その後2人は別れてしまい、アリーは別の男と婚約。ところが、そ
こに再びノアが現れて……という展開も、これまた古典的とはいえ切ない話。婚
約者がいるにも関わらず昔の男が現れて、ああ私ったらどうしたらいいの?????
 という身もだえするような切ない話のはずなのですヨ。

だのに、だのに、ちっとも切なくないのはなぜだろう? (~ヘ~;)
なんだかさぁ、2人の恋人のキャラが浅くて魅力がないんだよね。男の方は、
観覧車に飛び乗る出会いからして、ただのムチャなお調子者にしか見えないもの。
あんなののどこがいいんだぁ〜??? (?_?)

一方、女の子もお金持ちの令嬢というよりは、ただのヤンチャでケーハクな小
娘にしか見えんのヨ。まあ、どっちもどっちとは言えるのだが。

そんな2人が会っている場面は、ちっとも美しくないし、ドキドキもしない。
本当なら飛び切り美しいはずのダンスのシーンなんて全然だったものねぇ〜。

青年ノアを演じるライアン・ゴズリングは『17歳の合衆国』の鮮烈な印象が忘
れられないのだが、こういう切ないラブ・ストーリーに似合うとは思えないんだ
よなぁ〜。令嬢アリーを演じるレイチェル・マクアダムスも右に同じ。

つまり、最初の頃の2人の恋愛がつまらなくて、切なくないものだから、その
後に何が起きても感動なんかできなかったのだ。 (`ヘ´)

おまけにこのラブ・ストーリーを語る老紳士と老婦人の関係が、話の途中で完
全にわかってしまうので、ラブ・ストーリーの結末もすっかり見えてしまう。な
ので、ますますドキドキできなくなってしまうのです。

こんなにヒネリのないストレートな展開でいいのでしょうか? そういえば日
本でも『セカチュー』や『いま、会いにゆきます』など、ストレートすぎるラブ・
ストーリーが大人気。日米ともに真っ直ぐな恋愛路線がウケるのは、世の中がグ
ニャグニャにねじ曲がっているからなのか!?

若い2人のラブ・ストーリーに比べて、老紳士と老婦人の愛の物語はスサマジ
ク感動的です。記憶が戻らない婦人に奇跡を起こすために必死になる老紳士。そ
れがうまくいかない時のツラサ、苦しさ。そして、ラストの美しい結末。ここは、
もう涙ウルウルのホンモノの感動物語。演じるのがジェームズ・ガーナー、ジー
ナ・ローランズ(監督ニック・カサベテスの母)という実力派の名優だから、な
おさらググッときてしまうのです。 (T^T)

それでも、映画の大半を占める若い2人のラブ・ストーリーがつまらないので、
全体を通すとほとんど感動できず。あれって、もしかして、ほとんどの人がかな
わない初恋がかなうところが、うらやましいだけなんじゃないのぉ〜? などと
キツイことまで考えてしまった次第。

監督のニック・カサベテス(『ジョンQ―最後の決断―』)の演出が悪いとは
思えません。オープニングのまるで絵画のような美しすぎる映像などは実に見事。
でもねぇ〜……。

この映画を観てプロポーズを決断した男性がいるとかなんとかテレビで言って
ましたが、それってただきっかけが欲しかっただけで、『オーシャンズ12』や
『呪怨』を観てもプロポーズしたんじゃないのか? (^0^)
というぐらいボクにとっては感動できない映画なのでした。辛口でゴメン!

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
(素直な心で細かなことを考えずに観れば感動できるかも!? 『セカチュー』
が好きな人は満足できるかもしれません。)
                             <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2005年2月15日(火)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時45分の回。


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