キング・コング(KING KONG)
| （2005年 アメリカ）（上映時間３時間６分） 監督：ピーター・ジャクソン 出演：ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディ、アン ディ・サーキス、トーマス・クレッチマン ＊日劇ＰＬＥＸほかにて全国公開 ホームページ http://www.kk-movie.jp/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 1930年代初頭、映画監督カール・デナム（ジャック・ブラック）は、冒険映画 撮影のため、脚本家のジャック・ドリスコル（エイドリアン・ブロディ）や、 女優のアン・ダロウ（ナオミ・ワッツ）らとともに、海図にもない幻の島「髑 髏島（スカルアイランド）」にたどり着く。だが、島での撮影中に、アンが何 者かにさらわれる。救出に向かったクルーたちだったが、彼らはそこで想像を 絶する世界を目の当たりにするのだった……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 超重量級のエンタメ映画。３時間まったく飽きさせない力量は見事 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ３時間６分、て長いヨ！ ピーター・ジャクソン監督といえば『ロード・オ ブ・ザ・リング』三部作も長かったけど、それにしてもこの長さ。途中で飽き ちゃうんじゃないかなぁ〜？ （￣―￣？） ところが、実際はちっとも長く感じませんでした。最新のテクノロジーを駆使 した映像とハラハラドキドキの展開で、ダレるところが少しもありません。 1933年のオリジナル版、1976年のリメイク版に続く本作。物語全体は３つの パートで構成されています。 １． 映画監督デナムが無謀な船旅を決意し、女優のアンらとともに出かける。 ２． 奇怪な髑髏島にたどり着いた一行が大冒険をする。 ３． ニューヨークに現れたコングの大暴れ。 ヘタに現代に舞台を移さず、1930年代の物語にしたのが大正解。最初のパート では、大不況という時代背景をうまく生かして、一行が船に乗るまでをごく自 然に描きます。そして、船旅では、アンと脚本家ジャックの恋など船上での 様々な人間模様を描いて、次なる冒険パートへと導きます。この船旅パートだ けで約１時間もあるのに、ちっとも飽きないんですよねぇ〜。 そして、いよいよ髑髏島での大冒険。ココはすごい迫力です。（￣□￣；） 奇怪な原住民、恐竜らしき古代の生き物などがいる島で、撮影隊や船のクルー たちが次々に危険な目にあいます。特にド迫力なのがＣＧを使って描く恐竜た ちの襲撃。『ジュラシックパーク』をしのぐ映像に目が点。ああ踏まれちゃ う！ ああ落っこっちゃう！ と、まるでテーマパークのアトラクションを体 験。お楽しみのテンコ盛。 もちろん、ここでは主人公（？）のキング・コングが登場。その動きや表情は、 モーション・キャプチャーで実際の俳優の動きを反映させたもの。『ロード・ オブ・ザ・リング』シリーズでゴラムを演じた俳優アンディ・サーキスが、コ ングの動きを担当しています。 ３つ目のパートは、そのコングがニューヨークに連れてこられ大暴れするとこ ろ。時間的には一番短いのですが、摩天楼での大アクションを中心にここもま た大迫力の見応えあるシーンの連続。 全体を通して感心したのは、クドいドラマを展開していないところ。いわゆる 「美女と野獣」のコングとアンの心の通い合いは、サラッと流している感じ。 「私のコングちゃんをイジメないで！」てなアンの動物愛の次元にとどめてい るんですね。 だって、そりゃそうでしょ。しょせん人間と巨大ゴリラの愛なんて無理がある もん。中途半端な感動なんてないほうがマシ。それに、最新のテクノロジーの おかげで、グダグダ語らなくても、コングの表情はリアルに伝わってくるんだ からサ。 ナオミ・ワッツの絶叫はなかなかのものだし、彼女と愛し合う脚本家役のエイ ドリアン・ブロディもさすがにオスカー俳優。彼と『戦場のピアニスト』で共 演したトーマス・クレッチマンが船の船長役で登場するのもおもしろいところ。 でも、やっぱり一番目立つのは映画監督役のジャック・ブラック。野心家でク セ者のキャラにピッタリで、アイツならこんな無謀なことやっちゃうよなぁ〜、 とミョーに納得させられてしまいます。まさに怪優。 てことで、ドラマ的にそんなに深いものはありません。感動なんて期待しては ダメ。その代わり、エンターティメントとしては超一級品で、誰でもモトはと れる映画。３時間を超える映画なのにまったく飽きさせない力量は見事。 （⌒−⌒） 《ぽちのオススメ度》 ★★★☆☆ （深いドラマなどに期待せずに、ハラハラドキドキのエンタメ世界に身を浸せ ば必ず満足できるはず。新旧の作品を見比べてもおもしろいかも。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年12月18日（日）ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後１時45分の回。 |