キス・オブ・ザ・ドラゴン (KISS OF THE DRAGON)
（2001年 アメリカ）（上映時間１時間38分）
監督：クリス・ナオン
出演：ジェット・リー、ブリジット・フォンダ、チェッキー・カリョ
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＜ストーリー＞
中国人捜査官リュウ（ジェット・リー）は、麻薬王を追ってパリに渡る。だが、
現地のリチャード警部（チェッキー・カリョ）は、彼を殺人犯に仕立て上げ
て自分の犯罪を隠そうとする。罠にはめられたと知ったリュウは一瞬のスキを
ついて逃亡。真実を知るアメリカ人娼婦ジェシカ（ブリジット・フォンダ）に
協力してもらい、リチャードの悪事を暴こうとするが……。
＜レビュー＞
世界制覇の野望を秘めて、監督業を捨てプロデューサー業に励むリュック・ベ
ッソン。この作品では共同脚本も担当している。
さすがに世界のマーケットを意識しているだけに、舞台はフランスなのに全部
英語。中国人同士の会話まで英語っていうんだから……。徹底しているという
か、やりすぎというか。 ┐(´-｀)┌
中国人捜査官リュウとフランス警察のリチャード警部との対決が物語の軸。
リュウが追ってきた麻薬王ソングが２人の娼婦と過ごす様子を監視するフラン
ス警察。
ところが、その娼婦はリチャードが差し向けた刺客で、そのうちの１人がソン
グを刺す。
慌てたリュウは部屋に飛び込み阻止するが、続いて入ってきたリチャードはソ
ングを射殺。その罪をリュウに着せようとする。
命からがら現場から逃げ出したリュウに、リチャード一味の魔の手が……。
なんといっても、リュウ役のジェット・リーがカッコいい！ (^_^)/
お得意のカンフー・アクションは今回も健在です。
ただし、ワイヤー・アクションのような特撮よりも生身のアクションが中心。
ハデに空中を飛んだりはしないものの、力感あふれる迫力あるバトルシーンを
つくり出しています。
彼が針の使い手だという設定もおもしろい（ただし、使い方が控えめなのが残
念）。
これに対するのが、ヨーロッパの実力派俳優チェッキー・カリョ演じる悪徳警
部リチャード。
残虐で極悪非道なその姿には、ゾッとするほどの貫禄がある。凄惨な行為と冷
徹な目との対照が、スゴク気味悪いですぅ〜。(><)
この２人の対決を軸に、アクション映画の基本をきちんと押さえたのがこの映
画。ビックリするような意外性はないものの、誰もがソコソコ楽しめる出来に
はなっています。
ただし、アクション重視のあまり、現実離れした部分が多いのが気になるんで
すよねぇ。
リチャード警部はとんでもない悪徳警官。だからって、あんなに平然と人殺し
をするかぁ？ 白昼堂々、公衆の面前で部下に銃を乱射させたりするかぁ？
ホンモノのワルなら、もっと巧妙に悪事を働くでしょうが。どう考えたってム
チャやぞぉ〜。たとえギャングでも、あそこまではやらんだろう。(
゜_゜;)
おまけに、それとは逆に、事件を目撃した娼婦ジェシカを殺さないのはちょっ
と不自然。子供にまで手をかけようとするほど残虐なヤツが、どうして彼女に
だけ甘いのだ？
一方、リュウのキャラもなんか曖昧。
「超エリート警官が悪徳警官の罠にはまる！」というアイデアはいいのだが、
残念ながらジェット・リーったら超エリートには見えないんだもん。
いえいえ、見た目じゃなくてですね、行動がちょっと甘〜い。娼婦ジェシカに
ついつい同情しちゃったりしてサ……。まあ、ブリジット・フォンダが魅力的
なのはわかりますけどネ。 (⌒^⌒)b
彼をもっと徹底的に冷静な超エリートに描いて、それでもジェシカを助けるし
かない状況をつくり出したらよかったのに。しかも、その背景には、彼が背負
う重たい過去があったのだぁ〜！
なんて展開にすれば、ドラマに深みが出るし、ジェット・リーももっとカッコ
よくなった気がするんだけどなぁ〜。
（勝手に話を変えちゃいました。スイマセン。）
ラストはジェットとチェッキーの直接対決！
そこでようやくタイトル『キス・オブ・ザ・ドラゴン』の意味がわかります。
いやぁ〜、まさかそういうこととは……。
思わず爆笑。劇画じゃん。まるで。 (*^。^*)
結論的には、アクション映画として、まずまず楽しい作品だと思います。ただ
し、物語に現実離れしているところがあるので、そこが気になっちゃうとあと
がツライかも。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（＋1／2★）
（ジェット・リーのファンの方、それにアクション映画が好きな方なら満足で
きるのでは？）
＜ぽち＞