恋する神父(LOVE SO DIVINE)
| （2004年 韓国）（上映時間１時間48分） 監督・脚本：ホ・インム 出演：クォン・サンウ、ハ・ジウォン、キム・イングォン、キム・インムン、 キム・ソンファ ＊新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほかにて公開。順次全国公開 ホームページ http://www.love-shinpu.com/ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ＜ストーリー＞ 神学生のギュシク（クォン・サンウ）は、１ヶ月後に控えた聖職授任式で正式 に神父になるのを心待ちにしていた。ところがある日、ダメな同級生ソンダル （キム・イングォン）とともにミサの助手を務めた際に、彼のミスの巻き添え を食らって転倒し、大事な聖杯を壊してしまう。罰として２人は、山の上の小 さな教会での修行を命じられる。だが、そこでアメリカ帰りの奔放な娘ボンヒ （ハ・ジウォン）と出会ったことから……。 ＜レビュー＞ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ああ、オソロシや韓国映画。こんなもんでもソコソコ損はさせません！ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「韓国映画にハズレなし！」を実感させられた映画。 だって、あなた、これただのラブ・コメでんがな。ごくフツーの。 それ以上でも、以下でもないことを、つくり手がキッチリ自覚して、とにかく 観客に損をさせない映画にしているのです。さあ、寄ってらっしゃい！ 神学生のギュシクが、悪友ソンダルとともに罰として送られた教会で、ボンヒ という女性と出会う。やがて彼女に好意を持つが、神父になれば生涯独身を通 さねばならない。さあさあ、どうするギュシク君？？？ てな話なワケです。 神父になれば結婚はタブーという制約はあるものの、ラブ・コメの基本的なス タイルとしてはオーソドックス。全然個性の違う２人が最初は反発するものの、 やがて惹かれ合う。しかし、そこには障害が……。 そんなありがちなドラマが、けっこう楽しく観られるのは、第１にキャラのお もしろさのせい。マジメ一徹で、ちょっとマヌケな神学生ギュシク、その相方 のお調子者のソンダル、そしてカワイイけれど乱暴でワガママな女性ボンヒ （ちょっと『猟奇的な彼女』っぽい？）。こういう人たちがつくり出す世界が、 無条件に明るくて、楽しいのです。 (*^▽^*) ベタではあるものの、けっこう笑える小ネタも満載。ヤクザに追われたギュシ クが、泥酔したボンヒを背負ってホテルに逃げ込む……な〜んてあたりは、前 にもどこかで見たようなネタだけど、それでも笑えてしまうのです。 途中では、楽しい歌と踊りのミュージカルシーンまで登場。徹底して観客を楽 しませます。 もちろん、ラブ・コメというからには、ラブストーリーが展開されるのですが、 けっして深みのあるドラマではありません。ていうか、浅すぎぃ〜〜！！ ギュシクがボンヒを好きになって、ボンヒもギュシクが気になって、同時に元 カレからヨリを戻す話が来て、というふうに複雑な恋愛模様が展開するものの、 それぞれの胸の内をジックリ描き出すことはありません。 その代わり、キャラのおもしろさや全体の雰囲気などで、自然に観客を引き込 んでいくのです。これ、もはや韓国のラブ・コメ映画の得意パターンかも。 おかげで、後になって考えたら、不自然なことや納得できないこともたくさん あるのに、観ているうちはあんまり気になりません。 そして、やってきました感動のクライマックス。これまた韓国映画お得意のワ ザ。泣かせる音楽などを使いつつ、観客の胸をググッとひと突きだいッ！！ ラストに至る展開など、ホントに予想通りのつまらん展開。それでも観客を幸 せでポカポカな気持ちにさせてしまうのだから見事ですワン。 U^エ^U このクソ暑いのに、映画館を出るときは、爽やか〜な気分になっちまいました もの。 こんなベタなラブ・コメだって、観客を楽しませるツボさえ押さえて、それな りに損のない映画にしてしまうのだから韓国映画アッパレ！ とはいえ、中身はスカスカだし、あんまり残るものもナシ。ラブ・コメ好き以 外にオススメするほどの映画ではありませんので。念のため。 主演のクォン・サンウは、ドラマ「天国の階段」でブレイクしたそうですが、 コメディーも十分にイケてます。 でもって、ヒロインのハ・ジウォンがいいんだわ〜〜〜。映画『ボイス』やド ラマ「バリでの出来事」などに出演していたそうですが、小悪魔的な魅力がタ ップリ。うーん、こんな女のコにイジメられてみたい。て、別にそういう趣味 はないですけど……。 (*^▽^*) 《ぽちのオススメ度》 ★★☆☆☆（＋1／2★） （どうってことのないラブ・コメなれど、韓国映画お得意のワザでソコソコ損 はさせません。ライトなラブ・コメ好きにはオススメ。） ＜ぽち＞ 〔鑑賞データ〕 2005年７月18日（月）シネ・リーブル池袋にて。午後２時15分の回。 |