恋は邪魔者(DOWN WITH LOVE)
（2003年 アメリカ）（上映時間１時間41分）
監督：ペイトン・リード
出演：レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、デヴィッド・ハイド・ピ
アース、サラ・ポールソン、トニー・ランドール
＊みゆき座ほか東宝洋画系にて全国公開
ホームページ http://www.foxjapan.com/movies/downwithlove/
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＜ストーリー＞
「恋は邪魔者」というノンフィクションでデビューした新進作家バーバラ（レ
ニー・ゼルウィガー）。編集者ヴィッキーとともに、男性誌のジャーナリスト
で超プレイボーイのキャッチャー（ユアン・マクレガー）に記事を書かせ売り
上げアップを狙うが何度もすっぽかされる。だが、エド・サリバン・ショーを
利用したＰＲが成功して「恋は邪魔者」はベストセラーに。キャッチャーは、
あわてて取材の申し込みをするが……。
＜レビュー＞
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オバカなラブ・コメ。でも、徹底した60年代へのこだわりが楽しい
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なぜに1960年代？ 今のアメリカがあんまり混乱しているから、明るかった昔
にノスタルジーを感じているのでしょうか？ それともただの懐古趣味？
てなことを考えてしまうほど、徹底的に60年代にこだわった映画。舞台も60年
代なら、ディテールもすべて60年代そのまんま。このこだわりはハンパではあ
りません。
物語は典型的なラブ・コメ。
ニューヨークにやってきた新進作家のバーバラと、男性誌のジャーナリストで
超プレイボーイのキャッチャーが、あれやこれやと大騒ぎを繰り広げた末にあ
らあらあら……というありがちな話です。
でも、そのありがちな話が、たっぷり振りかけられた60年代フレーバーのおか
げで、とびっきりオシャレで楽しい映画に仕上がっています。 (*^。^*)
まるで着せ替え人形のように次々に登場するバーバラのファッション。テレビ
のエド・サリバン・ショーやビートニクといった当時の社会的な流行。キャッ
チャーが宇宙飛行士にバケてバーバラに接近する展開も当時の時代を象徴して
います。
今はなき航空会社パンナムの巨大ビルがデンと建っている、なんて細かなとこ
ろまで凝りに凝ってつくられているんですよねぇ〜。
映画のスタイルも60年代のロマンチック・コメディーをそのまま踏襲。役者の
大げさな演技。スピーディーな場面転換。登場人物の目の前で月がズンズン昇
っていく、な〜んてところも当時のロマ・コメ映画そのまんまの雰囲気です。
それにどこかミュージカルのような感じも抱かせます。 ♪
ｄ(⌒ｏ⌒)ｂ♪
全編に音楽が流れ、それをバックに登場人物が大げさな身振り手振りで演技を
する。歌わないミュージカルって感じなんですよねぇ〜。
特にバーバラとキャッチャー、それぞれのバックにアストラッド・ジルベルト
版とフランク・シナトラ版の『フライ・ミー・トゥーザ・ムーン』が流れて、
場面が交互に切り替わるシーンなんて絶品です。
ストーリーの背景になっているのは「女の自立と男の戸惑い」。
でもまぁ、本筋はホントにオバカなラブ・コメですからねぇ〜。「そんなこと
ないヨ！」とツッコミを入れるのもアホらしくなるトンデモの連続。ラストの
二転三転もそんなに驚くようなものじゃないし、だいたちあの程度じゃちっと
も感動はできません。
「女の子なら、バーバラの恋を参考にしてみたら？」なんてどこかに書いてあ
りましたが、お互いにあんな身勝手なことして不幸になっても知らんゾ〜〜〜
！！！ （｀´メ）
ただし、笑える度はかなり高いです。
オシャレな映画だけに、もっとヒネった笑いが多いかと思ったら意外にストレ
ート。下ネタもバンバン出るけれど、そんなにいやらしい感じはしない。クリ
ーニング屋のオバサンが自立してバリバリの秘書になっているなんて、細かな
ネタもニクイなぁ。
レニー・ゼルウィガーのコメディーの才能は『ベティ・サイズモア』あたりで
すでにおなじみだし、今回も見事なハジケ方。
そして、相手役のユアン・マクレガーも意外にコメディーがハマっています。
やたらにシャツを脱ぐのは女性ファンへのサービスカットか？ (＾0＾)
というわけで、バカバカしい物語で感動もなく、観ても後に残るものはそんな
にありません。でも、楽しいのは文句ナシに楽しい映画。60年代への徹底した
こだわりがうれしい。
おお！ エンドタイトルで流れるのは、『シカゴ』のレニーと『ムーラン・ル
ージュ』のユアンのゴールデン・コンビによるデュエットではありませんか！
やっぱりこの映画、ミュージカル映画だったんですねぇ〜。そういう楽しさに
あふれた映画なのです。
《ぽちのオスメメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（気楽に観て楽しくなりたい方にはオススメ。男の子もＯＫヨ！ ただし、グ
ッとくるラブ・ストーリーは期待しないこと。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年10月21日（火）テアトルダイヤにて。午後３時10分の回。