コヤニスカッティ（KOYAANISQATSI）
(1982年 アメリカ)
監督：ゴッドフリー・レジオ
製作：ゴッドフリー・レジオ、フランシス・コッポラ
音楽：フィリップ・グラス、マイケル・ホーニッグ
＊【VIDEO】【LD】ともに廃盤
＜レビュー＞
20世紀は高度に文明が発達した時代。それによって私たちが手にしたものは多
いが、反対に失ってしまったものもあまりにも多い。
いったい現代文明とは私たちにとって何だったのか。
ガラにもなく、そんなことを考えさせられる映画です。
音楽と映像だけで構成された映像エッセイ。現代文明の創造と破壊を、古代文
明と対比させて描いています。
高速道路の夜景、崩れ落ちる高層ビル群、広大なモニュメントバレーの空撮、
近代兵器。そうした様々な風景を最新の撮影・編集技術で見せてくれます。
とにかく映像の美しさが圧巻。ただスクリーンを見つめているだけで、心が吸
い込まれそう。一種のヴァーチャル・ドラッグのようなものかも……。
音楽を担当したのは、現代音楽の巨匠フィリップ・グラス。映像と一体化した
印象的な音楽がいつまでも耳に残ります。
ところで、この人、「ハンバーガー・ヒル」「クンドゥン」などの映画音楽で
もおなじみですが、最近ではジム・キャリー主演の「トゥルーマン・ショー」
に自ら出演していますね。
ちなみに、「コヤニスカッティ」とは、ホビ族の言葉で"平衡を失った世界"。
まさに、現代社会を表しているのではないでしょうか。美しい映像の中に、そ
んな現代社会の行く末についての強いメッセージが感じられます。
おススメ度 ★★★★☆（ビデオやＬＤは廃盤。ウワサによるとカルトなレン
タルビデオ店に置いてあるという話も聞きますが、ご存知の方がいたら教えて
ください）