ＫＵＪＡＫＵ 孔雀 (AWAY WITH WORDS)
(1998年 日本・香港) (上映時間１時間30分)
監督・脚本・撮影：クリストファー・ドイル
出演：浅野忠信、ケヴィン・シャーロック、シュー・メイチン
【ＶＩＤＥＯ】メディア・ファクトリー
＜ストーリー＞
異常な記憶力を持つ青年アサノは香港に流れ着き、「ダイブ・バー」というバ
ーで過去に傷を持つケビンとスージーと知り合う。そこで彼は、自分の過去の
心象風景をたどっていく……。
＜レビュー＞
スッゴクおもしろい！
スッゴクつまんない！
これ、どっちもこの映画の感想。
おもしろいのは映像だ。クリストファー・ドイルといえば、ウォン・カーウァ
イ監督作品のカッ飛び映像でおなじみ。この映画でも、速まわしや手持ちカメ
ラによる不安定な映像などいろんなテクニックを駆使して、幻想的で美しい映
像をつくりあげている。特に海と空の青さをはじめ色彩の鮮やかさは絶品だ。
これに対して、つまんないのはドラマ。
っていうか、これといってドラマらしいドラマはないんだもん。この映画。
一応、浅野忠信扮するアサノ（まんまやんけ！）が香港のバーにたどりついて、
そこで過去の心象風景をたどるっていう構成なんだけどサ。
沖縄（故郷？）での子供の頃の出来事や、社会人になってからの風景なんかが
登場するけど、断片的で脈絡がないからよくわからん！
浅野クンがボソボソ言うのも、よく聞き取れない！
登場人物はみんなイッちゃってるみたいだし、いったい何が描きたかった？
もしかして、クリストファー・ドイル自身も、何が描きたかったのかわかって
なかったりして……。 (＾。^/)
こりゃあ、シュールなプロモーションビデオですネ。
デッカイ画面と一流のオーディオセットで、音楽と映像を感覚的に楽しみまし
ょう。な〜んも考えないでネ。
でもなぁ。プロモーションビデオならせいぜい10分だけど、なんたって１時間
半もあるからなぁ。この映画。
クリストファー・ドイルの趣味の世界につきあうのも大変ですヨ。観るなら覚
悟しましょうネ。
まあ、たった１つの収穫は、浅野忠信のバツグンの存在感を確認できたことか
な。個人的に、あんまりこの人の作品を観たことがなかったから、ここまでい
い役者だとは知らなかった。
でも、存在感があるのに、強烈な個性の持ち主ってワケでもない。何の役をや
っても、見事にそれにハマっちゃう。
ってことは、ヘタをすると器用貧乏に終わっちゃう危険性アリ！？ うーん、
ちょっと心配。(°°;)
《ぽちのおススメ度》
★
（ドイルさん、頼むから撮影に専念してネ。あ、『ラブソング』の英語教師役
でいい味出してたから、役者やるのも許す！）
＜ぽち＞