カンフーハッスル(KUNG FU HUSTLE)
（2004年 中国・アメリカ）（上映時間１時間43分）
監督・脚本・主演：チャウ・シンチー
出演：ユン・チウ、ユン・ワー、ドン・ジーホウ、シン・ユー、チウ・チーリ
ン、ブルース・リャン
＊丸の内ルーブルほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://sonypictures.jp/movies/kungfuhustle/
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＜ストーリー＞
文化大革命前の中国。チンピラのシン（チャウ・シンチー）は、相棒とともに、
貧民街にある「豚小屋砦」というアパートに乗り込み金を巻き上げようとする。
だが、アパートの住民たちは、見かけからは想像がつかないカンフーの達人ぞろ
い。彼らは、やってきたギャング団・斧頭会のメンバーたちをあっさり撃退して
しまう。斧頭会のボス・サムは、報復のため刺客をアパートに送り込むのだが…
…。
＜レビュー＞
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ド迫力のアクションとオバカな笑いで『少林サッカー』の世界がパワーアップ
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日本でも前作『少林サッカー』がヒットしたチャウ・シンチー監督・脚本・主
演による新作アクション映画。といっても、少林寺拳法がカンフーに変わったの
を除けば、オバカなギャグと本格ド迫力のアクションを融合させたエンタメ映画
という点で、基本的には『少林サッカー』の世界そのまんま。
今回の舞台は文化大革命前の中国。街を支配するギャング団が、オンボロアパ
ートに乗り込んできたものの、見かけによらぬカンフーの達人の返り討ちにあっ
てしまう。そこで、ボスは刺客を送り込んで報復に乗り出す。最後に選ばれたの
は世界一の刺客・火雲邪神。そんな中、チンピラのシンはギャング団の手先とし
て働きつつも、アパートの住人たちに親近感を覚えていく……。
というわけで、主人公は今回も一応チャウ・シンチー演じるチンピラ。だけど、
物語の大部分は、オンパロアパートの人々ＶＳギャング団の対立劇で、チャウ・
シンチーの影は意外に薄い。特に前半はほとんど登場しないのでちょっとビック
リ。 Ｗ（゜Ｏ゜）Ｗ
今回活躍するのは、チャウ・シンチーよりも、むしろアパートの住人や大家夫
妻、ギャング団の刺客たち。そのほとんどが、見かけはダサダサで、ふだんはど
うしようもない人たち。そんな彼らが、ひとたび闘いに臨めば、まさに人間離れ
したスサマジイ能力を見せ付ける。
この落差こそが、この映画の笑いの源泉。キャッチコピー通りに「ありえねぇ
〜」ことを連発して、観客を笑いの渦に巻き込んでいくのです。 (＾0＾)
そして、彼らが繰り出すアクションが、「ありえねぇ〜」ことながら、ド迫力
の本格派アクションなのもこの映画の見どころ。何しろ演じているのは、往年の
アクションスターやスタントマンたち。彼らのホンモノのアクションに、ワイヤ
ーアクションやＣＧを組み合わせて、超強力アクションシーンを次々に生み出し
ていきます。
特に大家夫妻（ふだんはタダのくたびれたオッサンとオバサン）ＶＳ火雲邪神
（ふだんは和田勉風ハゲオヤジ）の火の出るような対決は、スサマジすぎだぜ。
(＾o＾)／
それに続くチャウ・シンチー演じる主人公と火雲邪神とのバトルも超絶の迫力。
何たって、アナタ、空の彼方まで飛んでっちゃうんですから。
かくして、最初は影の薄いワルだったチャウ・シンチーも、最後には大活躍し
て正義のヒーローになるというお話はお決まりの世界。幼い頃の思い出の少女と
の再会なども、ありがちすぎる展開。行き当たりばったりの「ありえねぇ〜」話
と「ありがち」な話の連続なので、ドラマ的な魅力はこれっぽっちもありません。
それでも、バカバカしいほどに徹底したマヌケな笑いと、ド迫力のアクション
シーンは観応えタップリ。「楽しければ、それでいいジャン」という香港エンタ
ーティメント映画の伝統を継承した正統派の娯楽映画と言えるかも。
そうして見ると、「ありえねぇー」ことの連続も、けっしてアナーキーに暴走
しているわけではなく、人を楽しませるために計算ずくでやっているような感じ
がします。ミュージカルまがいのシーンや『マトリックス』『シャイニング』の
パロディーシーンなどもあり、何が何でも観客を楽しませるという意欲は前作に
負けません。
おまけに、以前よりもたくさんお金が使えるようになったらしく、豪華セット
も登場（といってもオンボロアパートだけど）。すべてにおいて『少林サッカー』
をパワーアップさせた映画だと言えるでしょう。
そして、何よりも、これは、チャウ・シンチーのカンフー映画に対する熱〜い
思いを感じさせる映画でもあるのです。アチョ〜〜〜〜〜ッ！（と、最後にブル
ース・リーの雄叫びなどを……）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（ドラマ的には何にもないけど、楽しめる映画なのは間違いナシ。『少林サッ
カー』の好きな人にはオススメ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2005年1月11日（火）池袋東急にて。午後2時40分の回。