Ｍ：Ｉ−２ （Ｍ：Ｉ−２）)
(2000年 アメリカ)(上映時間２時間４分)
監督：ジョン・ウー
出演：トム・クルーズ、ダグレイ・スコット、サンディ・ニュートン、ヴィン
グ・レイムス、アンソニー・ホプキンス
＜ストーリー＞
製薬会社が開発した殺人ウイルスとその治療薬がテロ組織によって奪われる。
奪回を命じられたイーサン・ハント（トム・クルーズ）は、テロリストのアン
ブローズ（ダグレイ・スコット）の元恋人で、世界的な女泥棒のナイア（サン
ディ・ニュートン）の協力を得て、一味に立ち向かっていく……。
＜レビュー＞
★ぽち／男。「Ｃｉｎｅｍａの王国」編集発行人兼ライター
☆もも／女。「Ｃｉｎｅｍａの王国」ライター
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チームで活躍するおもしろさが全然ナシ
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☆もも：トム・クルーズの、トム・クルーズによる、トム・クルーズのための
映画！！
★ぽち：おいおい、いきなり何だよ？
☆もも：だってサ、「ミッション・インポッシブル」のおもしろさって、チー
ムで活躍するところじゃん。１作目だって、そんな感じだったし。で
も、今回は、トム・クルーズ以外のスタッフが全然目立たない。だか
ら、「ミッション・インポッシブル」っていうより、「007」シリーズ
みたい。 (｀ヘ´)
★ぽち：白人のスタッフは、ヘリコプターの操縦で活躍するだろ。それに、黒
人のほうはパソコンを巧みに操るじゃない。
☆もも：それだけじゃねぇ……。ただの添え物って感じ。それにしても、黒人
がパソコンを操る映画って多いなァ。たしか、『ダイ・ハード』もそ
うだったゾ。あれって、なんか意味があるの？ （・_・？）
★ぽち：依然として地位の低い黒人にヨイショしてるとか？
☆もも：まさか。それにしても、見せ場がなくてカワイソウだよ、あれじゃ。
★ぽち：うーん、まあハント君に比べたら、そりゃあ負けるわな。でもさあ、
敵側の部下だってもっと魅力なかったゾ。全然、個性が出てないし、
おまけにオマヌケ。競馬場のシーンで、女泥棒のナイアを監視してる
時に、あっさり尾行をまかれちゃったりして。６人もいてみんな役立
たず。ああ、情けな〜い。 (ＴｏＴ)
☆もも：部下だけじゃない。ボスのアンブローズだって魅力ゼロ。ハントに変
装して、彼の代役をしたことがあるらしいけど、それ以外の背景がな
〜んも描かれていないの。だから、危険なウイルスを盗むリアリティ
がまったくナシ。ただのチンピラみたい。
★ぽち：でも、チンピラのわりには、大がかりなことしてたゾ。旅客機を墜落
させたりしてサ。
☆もも：だから、そういう資金はいったいどっから出てきたんだ？ 背後に謀
略組織でもあるのか？ かつては代役まで務めたハントを敵に回すか
らには、それなりの理由ってもんがあるだろーが！！ (▼、▼メ)
★ぽち：テロリストにそんなもんはいらないのだ。目的は社会を混乱させるこ
となのだぁー。ワハハハハハ。 (^O^)
☆もも：あれはテロリストじゃなくて単なるドロボーだよ。製薬会社に特効薬
を売りこんで、会社の株まで手に入れて大儲けしようとしてるじゃん
。そのお金で何するのかなんてひと言もなかったしネ。
★ぽち：だって、テロリストだってお金が欲しいんですも〜ん。ウフッ
(＾。^/) でもまあ、株の話なんかナシにして、極悪非道のテロリス
トにしちゃったほうが、緊迫感やリアル感はもっと出たかも。
☆もも：ハント側のスタッフも、敵側のスタッフもつまんない。何より敵側の
ボスがいらない。『バットマン』みたいに主役がどっちかわかんなく
なるのも困るけど、あれじゃ完全にトムの引き立て役。それなのに、
最後のアクションだけはハントと互角というのもご都合主義。「グル
ープＶＳグループ」にも「個人ＶＳ個人」にもならない。中途半端な
んだなぁ〜。
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ハントがミョーに人間くさくて中途半端なキャラ
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★ぽち：で、問題のハント君はどうだった？
☆もも：さすがにトム・クルーズ。本物の「スター」。華がある。名前だけで
お客さんを呼べる俳優だよネ。
★ぽち：『アイズ・ワイド・シャット』や『マグノリア』みたいなちょっと変
わった役もいいけど、やっぱりヒーローが似合う。
☆もも：ただ、ヒーローにしてはキャラが中途半端。ミョーに人間くさくて、
スペシャリストに徹しきれていない。始まって早々に女泥棒のナイア
と寝ちゃう。「本当にボンドか、お前は」ってハラが立ったな。けど
ボンドみたいにクールじゃないから、彼女をスパイに使うことにちょ
こっとだけ悩む。そんでもって、結局は敵のところに行かせるんだよ
ね。お前、ホントにホレたなら、もっと悩めよ〜！！
★ぽち：ナイアをスパイに使うところはヘンだよネ。「女泥棒と組め！」って
命令されてあっさり納得しちゃうんだから。ウイルスを奪回するのに
女泥棒が何の役に立つ？ 少しは疑問に思えよ。 ┐（´−｀）┌
☆もも：ナイアは完全にボンドガール。しかし、民間人の女を使うなんて！
スペシャリストとしてのプライドはないのか！
★ぽち：あとで、彼女がアンブローズの元の恋人って説明されて驚くけど、超
人的なスペシャリストなら、そのぐらいもっと前に気づかなきゃ。
☆もも：とにかく、そのへんのキャラがどっちつかずなの。
★ぽち：プロデューサーも兼ねて、相当に力入れてたみたいだからね。トム・
クルーズ。あれも、これもって欲張りすぎたのかな。
☆もも：ナイア役のサンディ・ニュートンは、なかなかキュートでよかった。
ねぇねぇ、彼女ってさあ、ちょっとタイガー・ウッズに似てない？
目のあたりとか。いろんな人種が混ざってる美しさだよね、あれって
。まあでも、トムより小さい女優でよかったネ。なんせ奥さんのニコ
ールはデッカイから……。
★ぽち：ベルトリッチの『シャンドライの恋』に出てたよね。今度はまた全然
タッチの違う映画で……。
☆もも：でも、最初のほうで、彼女がスペインのセビリアに現れるじゃない？
白人ばっかりのクラブに、あんなにエキゾチックな容貌の女がいきな
り出てきたら、目立つし、絶対みんな注目するって。泥棒なんかでき
ないよ。 (＾。^/)
★ぽち：そういえば、ハントに命令を下すボス役のアンソニー・ホプキンスも
よかったゾ。
☆もも：出番は少ないけど、存在感ある。さすが名優。言ってることはムチャ
クチャだけどネ。(＾０＾)
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バツグンにおもしろいアクションシーン、ジョン・ウーの頭の中は？
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★ぽち：ここまでひと言も触れなかったけど、この映画の監督はジョン・ウー
。予想通りのカンフーアクション映画でしたぁ〜。
☆もも：アクションシーンは、チョウ・ユンファが演じても全然違和感ナシ。
『男たちの挽歌』みたい。でも、トムに二挺拳銃は似合いません！
体小さいし、軽そうで重量感ないんだもの。 (^。^/)
★ぽち：カーチェイスにしろ、銃撃戦にしろ、スリリングなシーンの連続には
素直に「参りました！」。なんか「アクションの職人」って感じだな
ぁ。特にバイクでの対決シーンはガンマンの決闘みたいでよかった。
☆もも：私は、ビルの侵入シーンがおもしろかった。わずか数十秒だけ換気口
が開く。その間にハントが上空から侵入して、ダイブに使ったロープ
を引き上げなくちゃならない。わずかな時間に凝縮された緊迫感にド
キドキ。あれぞスペシャリストの仕事。 o(^o^)o
★ぽち：とにかく、動きのあるシーンは超おもしろいヨ。よくもまあ、あんだ
けドトーのようにアクションシーンを続けて、観客を飽きさせないよ
なぁ。ジョン・ウーの頭の中はいったいどうなってる？クルマとか、
銃とか、飛行機とかがタップリ詰まってんじゃないの？
☆もも：ストーリーがつまんないから、よけいアクションシーンのおもしろさ
が引き立つ。最初のほうなんかあんまりダルくて、「早くアクション
になれ！」って念力かけちゃったもん。
★ぽち：キミは超能力者か！？ でも、その気持はわかる。
☆もも：ジョン・ウーの香港時代の作品と同じ流れにあるアクション映画なの
。そういう意味じゃ、同じアジア人としてうれしいよネ。ハリウッド
に行っても自分のスタイルを貫いて、それが通用してるわけだから。
★ぽち：お金は何倍も使えるようになったんだし、普通は身構えた映画をつく
っちゃうもんだけどネ。それにしても、ワシにも、あれぐらいの金を
出してくれんかなあ？
☆もも：そんなドブに棄てるようなこと……。
★ぽち：何を〜！！！ と怒ろうと思ったけど自分自身も納得。さてさて、そ
んなこんなで、いよいよ映画はラストを迎えるけど、これまた予定通
りって感じ。
☆もも：全体に見え見えで、展開が全部読めちゃう。特にラストはヒドイ。お
まけに、ウイルスに冒されたナイアがなんであんなに元気なんだ？
これから疫病を広めようっていうヤツなのに、リアリティ、ゼロ。
★ぽち：でも、あの病気って、20時間以内に特効薬を注射すりゃあ助かるワケ
じゃん。20時間を超えないと、症状が出ないんだヨ。
☆もも：それにしたって、全然衰弱もしないってのはヘン！ だいたい病気や
ウイルスに関する話が大雑把すぎるんだよ。ＣＧなんかでお茶を濁し
てサ。
★ぽち：アクションに力を入れすぎちゃって、そんなほうまで気がまわらなか
ったんですぅ〜。 (^人^)
☆もも：キミに許しを乞われる筋合いはない。ストーリーがダメだなぁ。
★ぽち：でも、エンターティメントとして、あんまり深いこと考えないで観れ
ば、それなりに楽しめるんじゃない？
☆もも：それはそうかもね。それに、トム・クルーズがとにかくカッコよく描
かれているから、ファンにとってはたまらないんじゃない？
★ぽち：トム・クルーズの、トム・クルーズによる、トム・クルーズのための
映画ってことね？
☆もも：そうそう。ジョン・ウーだって、トムが気に入って連れて来たみたい
だし。あ、そうそう、もうひと言。
★ぽち：え？ まだあるの？
☆もも：ハンス・ジマーの音楽が『グラディエーター』と同じだった。
(＾0＾)
★ぽち：ああ、あの重々しい女性コーラスが入るヤツ？
☆もも：そう。完全なワンパターン。『グラディエーター』みたいな映画には
合うけど、『ＭＩ−２』には全然似合わない！ 特にナイアが自殺し
ようとしてるシーンにあれが入った時は、フキそうになった。だって
、あのシーンに悲壮感や絶望感なんてなかったもん。
★ぽち：映画音楽の巨匠にそこまで言えるのは、やっぱりキミだけです。次回
も期待してまっス。 (＾。^/)
《ぽちのおススメ度》
★★+1／2★
(１作目はデ・パルマ、２作目はジョン・ウー、次はポール・トーマス・アンダ
ーソンでも行ってみる？)
《もものおススメ度》
★★★
(ものスゴイ頭脳合戦とか、チームプレーを期待したワタシがバカでした。でも
、トムの熱演とスターのオーラに免じてオマケしちゃいます。)