マイ・ビッグ・ファット・ウェディング(MY BIG FAT GREEK WEDDING)
（2002年 アメリカ）（上映時間１時間36分）
監督：ジョエル・ズウィック
出演：ニア・ヴァルダロス、ジョン・コーベット、マイケル・コンスタンティ
ン、レイニー・カザン、アンドレア・マーティン、ジョーイ・ファートン
＊丸の内プラゼールほか東急・松竹系にて全国公開中
ホームページ http://www.mybigfatwedding.jp/
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＜ストーリー＞
両親が経営するギリシャ料理店でウエイトレスをするトゥーラ（ニア・ヴァル
ダロス）は30歳になるのに結婚もせず、おしゃれとは無縁の生活を送っていた
。だが、「人生を変える」と一念発起、大学でコンピュータを習い、髪型を変
え、メガネもはずす。ウエイトレスの仕事も辞め、叔母が経営する旅行代理店
で働き始めるが、やがてアメリカ人青年イアンと付き合うようになり……。
＜レビュー＞
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バカバカしくも楽しいギリシャ系結婚狂騒曲。笑えます！
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ぬ、ぬ、ぬ、ぬわぁんと！！
イケてない婚期の遅れた娘のシンデレラストーリーですと？
そんなどこにでもゴロゴロ転がっているような話で、ボクが喜ぶと思っている
んですかッ！！！ (｀ヘ´)
ん？ なに、なに？ 主人公はギリシャ系大家族の娘？
それがどーしたんだッ！！！
主人公は30歳のトゥーラ。両親が経営するシカゴのギリシャ料理店でウエイト
レスをしている。見た目も超ダサイ彼女だが、ある日店にやってきたイケ面ア
メリカ人青年のイアンに一目ぼれ。それをきっかけに、一念発起し、大学に通
いコンピュータを修得、叔母が経営する旅行代理店で働くようになる。
すると、なんということだろう。イアンが店の前を通りかかり、２人は仲良く
なってしまうのだった……。
実はこの映画、主演の無名のギリシャ系女優ニア・ヴァルダロスが、自分の実
体験をもとに脚本を書き、わずか500万ドルの低予算で製作。なのに、ジワジ
ワとブームになり興収２億ドルのヒットを記録した作品。
その理由として、例の９・11事件後のアメリカの世相が影響しているとか色ん
な説があるけれど、別にそんなに難しい話じゃなくて、ここに描かれたカルチ
ャーギャップが常識ハズレに笑えるからヒットしたんじゃないかなぁ〜。
だって、ムチャクチャにおかしいんだもん。 (＾0＾)
主人公をギリシャ系大家族の娘にしただけで、ありふれた話がこんなにおもし
ろくなるなんてちょっとビックリ。 ( ゜_゜;)
とにかく主人公トゥーラの家族が強烈なんです。特にお父さんがスゴイ。何が
何でもギリシャがナンバー１。口癖は「○○という言葉はギリシャ語の××が
由来であり……」。つまり、言葉はみんなギリシャ語から生まれたってワケ。
その珍解釈ときたら爆笑モノ。
パルテノン神殿に似せた家をはじめ生活様式もすべてギリシャ式。娘の結婚相
手も当然ギリシャ人でなければダネ。そんな掟破りのガンコ者なのだ。しかも
、なぜか皮膚の傷はすべて窓拭きスプレーで治ると思っている。なぜだ？？？
このお父さんに負けず、お母さんや兄弟、そしてたくさんの叔父、叔母たちも
すさまじい人たちです。彼らのつくり出すパワーはメガトン級。集まると、う
るさいのなんのって。ギリシャ人ってホントにこんなに強烈な人ばっかりなの
か？？？
『月の輝く夜に』（1987）のイタリア系家族の個性に参ったボクですが、この
映画のギリシャ系家族のパワーはそんな生やさしいものじゃないッ！
さて、そんな家族に囲まれ、父親から「早く結婚しろ（ただしギリシャ人と）
」と口うるさく言われ続けたトゥーラ。よりによって恋に落ちたのが"よそ者"
のアメリカ人青年イアン（ちょっとトラボルタ風）だったものだから、さぁ大
変。もちろん父親は大反対。その後も様々なカルチャーギャップがトゥーラと
イアンを苦しめる。
てことで、後半はトゥーラの愛と結婚への道が描かれます。
すべてにギリシャ流を通そうとするトゥーラの家族と、それに翻弄されながら
必死でついてくいイアンとその両親。それがとてつもなくおかしいんです。ギ
リシャ正教会での洗礼シーン、両家の両親が顔を合わせるパーティーシーンな
ど、すべてが爆笑の連続。コメディーとしてのポイントはかなり高いゾ。
ただねぇ、トゥーラの愛と結婚のドラマという側面から見ると、かなり物足り
ないですね。２人の結婚に対する大きな障害物が父親の反対程度というのはち
ょっとねぇ。ヒネリがなくて盛り上がりません。ギリシャ系の人とそうじゃな
い人のカルチャーギャップも、ただ笑いのネタとして使っているだけだし。
もちろん、結婚というのは誰にとっても大変なことで、「トゥーラたちが直面
している困難も誰にでも起こりえることなんですよ〜」という見方もできるわ
けですが、ドラマ的にそこまで深く描いていないので、あんまりそういう思い
入れを持つには至らないんですよね。
この映画のＰＲコピーは「一生結婚したくない、という人は、観ると危険です
。」というんですが、ボクはち〜っとも結婚したくなんかなりませんでした（
笑）。もっとドラマ的にヒネリがあって感情移入できたら、そういう気持にな
ったのかもしれないけれどサ。この程度のドラマで結婚したくなる人なんかい
るんでしょうか？？？ (・_・？)
でも、さっきも言ったように、普通にコメディー映画として観れば、かなり楽
しい映画だと思います。
愛と感動のラブ・ストーリーの醍醐味に期待するとガッカリしちゃいそうです
が、ただのコメディー映画として観れば十分に満足、満足。 (*^_^*)
パワフルなギリシャ人家族を観て、思いっきり笑っちゃいましょう！
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（コメディー、特にラブ・コメ好きにはオススメ。それ以外の方には？ 観る
なら何も考えずに笑いましょ。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年７月23日（水）シネマ・ロサにて。午後12時30分の回。