マイ・ボディガード(MAN ON FIRE)
（2004年 アメリカ・メキシコ）（上映時間２時間26分）
監督：トニー・スコット
出演：デンゼル・ワシントン、ダコタ・ファニング、クリストファー・ウォー
ケン、ジャンカルロ・ジャンニーニ、ラダ・ミッチェル、マーク・アンソニー、
レイチェル・ティコティン、ミッキー・ローク
＊丸の内ピカデリー2ほか松竹・東急系にて全国公開
ホームページ http://www.mybodyguard.jp/
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＜ストーリー＞
生きる希望をなくしていた米軍の元暗殺者ジョン・クリーシー（デンゼル・ワ
シントン）は、メキシコシティの実業家夫妻の娘ピタ（ダコタ・ファニング）の
ボディガードの仕事を請け負う。彼女との交流を通して、少しずつ人間らしさを
取り戻すクリーシー。だが、ある日、ピアノ教室帰りのピタが誘拐されてしまい
……。
＜レビュー＞
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クールで熱いハードボイルド。ヘタな感動なんか期待するとヤケドしまっせ
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ダコタちゃん相変わらずカワイイぃ〜〜〜〜！！ （*＾＿＾*）
そんな彼女が傷ついた男を少しずつ変えていくのね。うーん、微笑ましいお話
だわぁ〜〜〜。 (*^。^*)
と思ったら、なんなの、なんなの、コレ！？ ヒドイ、ヒドすぎる！ こんな
のアタシが想像した映画じゃな〜〜〜い！！ (;＞_＜;）
てなお客さんが、たくさんいたのではないでしょうか？？？
予告編やＣＭを観て、傷ついた男と少女の感動物語などと早合点した人は、痛
い目を見てしまう映画なのです。
原作はＡ．Ｊ．クィネルの小説「燃える男」。それを『トゥルー・ロマンス』
や『スパイ・ゲーム』などのトニー・スコット監督が映画化しました。
オープニングは、メキシコシティーにおける誘拐の実態が、まるでニュース映
像のようにリアルかつ迫力タップリに映し出されます。ホラホラホラ、これを観
ただけで、ただの感動物語じゃないってわかるっしょ？ (^_−)−☆パチッ
続いて登場するデンゼル・ワシントン演じる主人公は、米軍の対テロ部隊で暗
殺の仕事を続け、今は生きる希望をなくし、酒に溺れる日々を送っている。そん
な彼に、かつての同僚で今はメキシコに暮らすレイバーンが、メキシコシティの
実業家夫妻の娘ピタのボディガードの仕事を紹介する……。
てことで、ここからしばらくは、主人公クリーシーと少女ピタの交流が描かれ
ます。最初はボディガード以外の関係を拒否していたクリーシーが、そのうちに
水泳のコーチ役をしたり、歴史の勉強を手伝ったりと、少しずつ打ち解けていく。
まったく笑顔を見せなかったクリーシーが、かすかな笑みを見せるシーンが印象
的。
ところが、やがて事態は急変。ピアノのレッスンの帰りに、ピタが誘拐され、
クリーシーは銃撃されて瀕死の重傷を負う。
そして、身代金の受け渡しに失敗したことから、ピタは殺害されてしまう。
ケガから回復し、その悲報を聞いたクリーシーは、事件の全貌を解明し、関わ
った者すべてに復讐するために立ち上がる……。
てな後半は前半と一転します。復讐の鬼となったクリーシーが事件を解明し、
関係者を次々に殺していく。スサマジすぎです。コワすぎます。かつての殺人者
そのもの。
このあまりに過激なバイオレンスには、かなり引いてしまう人もいるのではな
いでしょうか。
しかし、ボクはこの映画、とっても楽しく観ることができました。 (*^。^*)
まず良いのが映像ですね。トニー・スコット監督は、兄であるリドリー・スコ
ット監督に負けず劣らず映像が見事な監督。今回も、誘拐シーンでのドキュメン
タリータッチの映像や、主人公と少女の交流でシーンでのホカワカした優しい映
像、主人公の心象風景を映す細かなテクを繰り出した映像などなど、様々に変化
をつけた映像で少しも飽きさせません。
全体のトーンはクールで、まるでハードボイルド小説のよう。ムダなセリフや
シーン、力みまくりの部分などはまったくありません。
もちろんクールとはいえ、ホットな部分もあり、特に後半の復讐シーンはヤケ
ドしそうな熱さです。主人公のどうしようもない絶望が、暴力という形でしか表
現できないことが、ヒシヒシと伝わってきます。
警察内部の悪の組織、誘拐ビジネスの実態など、事件のナゾ解きについてもス
リリングな展開が続き、一瞬も目が離せません。
やがてクライマックスで明かされる衝撃の真実！ え、え、え〜〜〜！？ Ｗ
（゜O゜）W
て、ほどでもないんですけどね。でも、ラストのあのシーンは、やっぱり感動
を呼びますねぇ〜。
前半で、クリーシーとピタとの交流をきちんと描いているから、さりげない抑
制的な描写なのに自然に涙を誘ってしまうのです。 (T^T)
というわけで、ボクは２時間26分という長丁場が、ちっとも長く感じられませ
んでした。さすがトニー・スコット！ こりゃあ、兄貴を超えたな。
デンゼルの陰影のある演技、ダコタちゃんのカワイイ演技は予想通りでしたが、
さらに主人公の元同僚役のクリストファー・ウォーケン、富豪の弁護士役のミッ
キー・ロークの存在感のある演技もさすが。
ただし、後半の事件のナゾ解きはちょっと複雑でわかりにくいかも。グダグダ
と余計な説明を省いているからなおさらね。
それに、さっきも言ったように、バイオレンスが苦手な人はツライかもしれま
せん。甘〜い感動物語と思って観に行かないこと。
見応えタップリのゴツゴツした骨太の映画。甘ったるい感動はないけれど、主
人公と少女の思いがヒシヒシと伝わってきます。ケヴィン・コスナー＆ホイット
ニー・ヒューストンのヒット作を連想させる、あまりにもピントはずれな邦題に
惑わされずに、覚悟して観に行きましょう。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆（＋1／2★）【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない？】
（見応えタップリの骨太な映画。ハードボイルド好きにはたまりません。ラス
トはやるせないよなぁ〜。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2005年1月20日（木）シネマ・ロサにて。午後1時50分の回。