ニュー・ガイ(THE NEW GUY)
（2002年 アメリカ）（上映時間１時間29分）
監督：エド・デクター
出演：D・J・クォルズ、エリザ・ドゥシュク、ズーイー・デシャネル、ライル
・ラヴェット、エディ・グリフィン
＊５月31日よりキネカ大森にて公開（全国順次公開）
ホームページ http://www.eigafan.com/New_info/Review/NG/index.html
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＜ストーリー＞
ロッキー・クリーク高校に通う"ディズ"ことディジー・ギレスピー・ハリソン
(D・J・クォルス)は、学園の誰もが彼のことなど気にも留めない影の薄い青年
。みじめな学園生活から脱出したいと考えた彼は、ルーサー（エディ・グリフ
ィン）と"刑務所"で出会う。やがて、街の反対側にあるイースト・ハイランド
高校に転校し、弱肉強食の学園生活を戦い抜き、人生を一転させようとするデ
ィズだったが……。
＜レビュー＞
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おバカなパワーがサクレツする愉快な学園コメディー
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「も〜、こんな毎日イヤッ！！！」 （∋_∈）
というわけで、イジメられっ子やダメな子が、「今までの自分を捨て去って、
まったく別な自分になりたい！」と思うのはよくあること。
まあ、たいていは実現せずにヒドイ日常が続くわけですが、そんな中、転校と
いうのは数少ないチャンス。転校によって、今までと違う自分に生まれ変わる
ケースは、けっして珍しくありません。
これを映画にしたのが、この青春学園コメディー。
主人公のディズ君はレーダーにも探知されないほど影の薄い高校生。だが、あ
ることから、偉大な師（？）ルーサーと刑務所で出会い、新しく生まれ変わる
ための処世術のコーチを受ける。
そして、別な高校に転校した彼は、野獣のような学園の中で、最も強い男にな
るために奮闘する……。
コメディーとしての「笑える度」はかなり高いです。おバカでお下劣な笑いが
大サクレツ！
なんたって、映画の最初の方でいきなり主人公のナニが折れちゃったりするん
ですから。(＾0＾)
そして、笑いの威力を倍増させるのが、２人のユニークなキャラ。主人公の高
校生を演じるＤ・Ｊ・クォルスってのがいいんですヨ。いかにもダメ高校生っ
て感じのひ弱なコなんですけどね。芸達者というか、おバカ上手というか、体
を張って笑いを取っています。
さらに、彼の師匠役のエディ・グリフィンも、それに輪をかけたアホの達人。
何でも、この人、向こうでは有名なスタンダップ・コメディアンだそうです。
映画好きにとっては、映画のパロディ満載なのもうれしいところ。『羊たちの
沈黙』『ブレイブ・ハート』『天使にラブ･ソングを』『パットン戦車軍団』
などなど、たくさんの映画のパロが登場します。
ジーン・シモンズ、トミー・リー、ヴァニラ・アイスなど意外な有名人がカメ
オ出演しているのも楽しいところ。
まあ、でも、このへんはこういう人たちを知らなければ楽しくないし、映画の
パロディにしても、その映画を知らなければわかりませんからねえ。
それに笑いのツボも誰にでも合うわけではなく、フィーリングがピタッとはま
らないと厳しいのは事実。
なので、笑えるかどうか、個人差は大きいかもしれません。 (・_・？)
でも、テンポもいいし、音楽もかなりセンスがいいので、コメディー映画が好
きな人なら、
それなりには楽しめると思います。
残念なのは、もう少しドラマ部分をキッチリ積み上げて欲しかったところ。
この映画、ただのアナーキーなおバカ映画じゃなくて、ドラマ的にもそれなり
の青春ドラマを展開しているんです。
最初に挙げたダメ生徒の変身というテーマに加え、親からの自立、ラブ・ロマ
ンス、連戦連敗のダメ・フットボールチームの奇跡の快進撃というスポ根映画
の要素まであるんです。
たけど、それがどれも散発的で、イマイチ生きていない感じなんですよねぇ〜。
もうちょっと、キッチリとドラマを構築してくれたら、もっともっと楽しめた
と思います。
（あるいはドラマなんか無視しちゃって、もっと徹底的に暴走した笑いを振り
まくとか……。）
でも、まあ、コメディーとして平均点以上の楽しさはあると思いますヨ。
軽〜い気持で楽しめる青春学園コメディーなので、コメディーファンなら観て
も損はないのではないでしょうか。
とにかく明るく元気になれるのは間違いナシ！
イケてない人は、主人公になりきって夢をかなえよう！？
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
2003年5月13日（火） 東宝東和 一番町試写室にて。
＜ぽち＞