オーシャンズ12(OCEAN'S TWELVE)
（2004年 アメリカ）（上映時間２時間５分）
監督：スティーブン・ソダーバーグ
出演：ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、キャサ
リン・ゼタ＝ジョーンズ、アンディ・ガルシア、ドン・チードル、バーニー・マ
ック、ジュリア・ロバーツ
＊丸の内ルーブルほかにて全国公開中
ホームページ http://oceans12.warnerbros.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
＜ストーリー＞
カジノの金庫の有り金1億6千万ドルを、すべてオーシャン一味に奪われてしま
ったベガスのボス、テリー・ベネディクト（アンディ・ガルシア）は、首謀者の
ダニー・オーシャン（ジョージ・クルーニー）に、盗んだ金を利子をつけて返す
ように迫る。期限内に返済できそうもないダニーたち一味は、新たな盗みを企て
る。その舞台はヨーロッパ。だが、そこには大きな罠が待ち受けていた……。
＜レビュー＞
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
超豪華寄せ鍋映画がパワーアップ。遊び心タップリの展開に爆笑
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガ
ルシア、ジュリア・ロバーツなど主役級の役者をテンコ盛りで登場させた、まる
で超高級寄せ鍋のような映画『オーシャンズ11』の続編。
ストーリーも前作の続きで、カジノの金を奪われたベネディクトが、どさくさ
まぎれに恋人のテスまで奪われた恨みもあって、「金を返せ！」とオーシャン一
味に迫る。しかし、お金のない一味は新たな盗みを企てる……。
というわけで、またしてもユニークな盗人たちによるドロボウの話なのだが、
今回は前回の11人にプラスして、キャサリン・ゼタ＝ジョーンズの女刑事が登場。
さらに、ヴァンサン・カッセル演じる怪盗まで加わって、オーシャン一味との三
つどもえの大乱戦を展開。なかなか楽しく見せてくれます。 (＾0＾)
前作は超豪華出演陣に遠慮したのか、それほど目立たなかったのですが、今回
はスティーブン・ソダーバーグ監督の演出が冴えまくり。オープニングのあたり
で、ベネディクトがオーシャン一味の各メンバーを襲撃して「金を返せ！」と迫
るところから、映像がキレまくっています。おなじみの手持ちカメラによる臨場
感あふれる映像などがグイグイと迫ってきます。テンポもバツグンに良い。
ブツ切りの編集とか、普通のエンタメ映画ではあまり使わないような大胆なテ
クも、たくさん使ってやりたい放題です。
持ち前のユーモアセンスも健在。シニカルでクスクス笑える会話などで、場を
盛り上げています。特にジョージ・クルーニーが、自分の年齢についてアレコレ
やり取りするシーンには思わずニヤリ。 （￣―￣）
今回はヨーロッパが舞台ということもあって、様々な景色や美術品なども楽し
めるオマケつき。
普通12人も主要人物が登場すると、なにがなんだかわからなくなるものですが、
それぞれのキャラをキッチリ描いているので、混乱することはありません。
ただし、今回はジュリア・ロバーツ演じるテスが、オープニングで顔を見せた
だけで後はズーッと出てこないんですよね。
でもって、「そうか、たしか出産前だったから出番少なめなのネ」と思ったら、
なんとまあ最後のほうになって再登場。それもある人物になりすますという奇想
天外な展開。まだ観ていない人のために詳しくは伏せますが、「そんなのアリか
よ！？」と思ってしまうビックリのなりすましです。しかも、そこであのブルー
ス・ウィリスが一役買うというのだから、アナタ、もうこれは笑うしかないです
ヨ。ホンマにようやるわ。参りましたぁ〜〜〜。(_
_,)/~~
超豪華な役者たちといい、予想もしない展開に持ち込む遊び心といい、徹底し
て観客を楽しませる姿勢は見事。それも前作よりさらにパワーアップしています。
まあ、はっきり言って盗みそのものは全然つまんないし、物足りないところだらけ。
警察に捕まったオーシャンたちが釈放されるところとか、ヴァンサン・カッセ
ル演じる怪盗がお宝を盗むところとか、『カンフーハッスル』も真っ青の「あり
えねぇー」ところも多いのだが、そこはお楽しみ映画だけに堅いこと言ってもし
ょうがないもんネェ〜。
てことで、超豪華寄せ鍋の味は、今回もなかなか美味しゅうございました。
ところで次は『オーシャンズ13』で、アジアが舞台ってウワサはホントなのか！？
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
（前作同様によくできたエンタメ映画。前作を観なくてもだいたいわかると思
うけど、やっぱり事前に観ておくにこしたことはないでしょう。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2005年1月26日（水）池袋シネマ・ロサにて。午後３時30分の回。