渚にて(ON THE BEACH)


(1959年 アメリカ)
製作・監督:スタンリー・クレイマー
原作:ネヴィル・シュート
脚本:ジョン・パクストン、ジェームズ・リー・バレット
出演:グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー、フレッド・アステア、アン
ソニー・パーキンス、ドナ・アンダーソン

*【VIDEO】【LD】ともに廃盤

<レビュー>
米ソ超大国の対立が激化し、もうじき核戦争が起きる。
そんな漠然とした不安がついこの間までありました。
幸い、今のところ差し迫った危機はありませんが、はたして21世紀は大丈夫な
のか?

さて、核戦争の危機を描いた映画でおススメは、グレゴリー・ペックはじめ名
優が勢揃いしたこの映画。米ソ冷戦下の真っ只中で製作され、核戦争後の放射
能汚染の恐怖を描いています。

第三次世界大戦が勃発し、核攻撃によって放射能汚染が広がる。北半球は全滅
し、わずかに残った南半球の一部で人々が暮らす。そんなある日、本国に帰港
できなくなったアメリカの原子力潜水艦がメルボルンに入港。だが、そこにも
死の灰が迫り、今度は北極圏に汚染調査に出かけるが、そこもまた汚染レベル
が高い。乗員たちは落胆し帰路に着くが……。

とにかく恐い。そしてとにかく悲しい。
核戦争を描きながら、悲惨な映像はあまりありません。むしろ海岸の描写など
美しい映像が印象的。
それがかえって不安と悲しみを強く訴えかけます。核戦争に勝者などいないこ
とがよくわかります。
40年前の映画なのに少しも古さなど感じさせません。

タイトルからしてすごい。
なんたって「ON THE BEACH」。サーフィン映画かと思っちゃいましたよ(笑)
。それが核戦争後の世界なわけですから。なんともやるせない。
ハリウッドの奥深さを感じさせる作品です。

おススメ度★★★★☆ (ビデオは廃盤ですが、機会があればぜひ見てください)


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