ポワゾン (ORIGINAL SIN)
（2001年 アメリカ）（上映時間１時間56分）
監督・脚本：マイケル・クリストファー
出演：アンジェリーナ・ジョリー、アントニオ・バンデラス、トーマス・ジェーン、
ジャック・トンプソン、アリオン・マッキー
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＜ストーリー＞
19世紀後半のキューバ。コーヒー輸出業で成功したルイス・バーガス（アント
ニオ・バンデラス）は、家庭を持つという理由だけで、新聞の交際欄を通じて
知り合ったアメリカ人のジュリア・ラッセル（アンジェリーナ・ジョリー）と
結婚しようとする。だが、やってきた彼女は送られてきた写真とは別人の美女
だった。それでもバーガスは彼女の魅力にはまっていくのだが……。
＜レビュー＞
Ｒ−18指定。フェロモン系の美男美女による愛と官能の世界……。
ああ〜〜〜〜〜〜〜っ！！！ (*＾。＾*)
コラコラ！ ヘンなこと想像しちゃダメ。
はっきり言って、全然エッチじゃないし、そんなに官能的でもありませんヨ。
その代わり、サスペンスとしては、なかなかよくできた映画だと思います。
アントニオ・バンデラス演じるルイス・バーガスは、新聞の交際欄で女性と知
り合う。
「愛なんかいらない。誠実で子供が産めればそれでいい」
そんな身勝手な希望に応えてアメリカからキューバに渡ってきたのが、アンジ
ェリーナ・ジョリー演じるジュリア・ラッセル。
ところが、現れた彼女は、送られてきた写真とは別人の超美人だった！
Ｗ（゜O゜）W
そして２人は結婚。愛なんかいらなかったはずのルイスは、いっぺんで彼女が
好きになり、自分を見失ってしまうほど溺れていく。（ここんとこだけ、ちょ
っと官能的ですよ、奥さん。ジョリーの胸がぁ〜〜、バンデラスのオシリがぁ
〜〜〜〜〜。）
そして、彼女のために自分の銀行口座を二人の名義に作り変えてしまう……。
やがて、ジュリアについて少しずつ疑惑が見えてくる。手紙で紅茶しか飲まな
いと言っていたのに、実際はコーヒーしか飲まなかったり、彼女の姉と名乗る
女が、妹から届いた手紙はニセモノだと言ってきたり。
すっかりメロメロになっていたルイスは疑惑を打ち消そうとするが、今度は彼
の前に探偵を名乗るダウンズという男が現れる。
そして、ある日、ジュリアは突然姿を消す。しかも、ルイスの財産を奪って…
…。
というわけで、そこから先はルイスがジュリアを追いかけて、ドラマは二転三
転。意外な方向に進んでいきます。
予想もつかない展開というわけじゃありませんが、トリックや裏切り、駆け引
き、心理的なワナといったサスペンスに必要な要素は、キッチリと押さえてい
ます。
しかも、そんなジュリアの正体をめぐるサスペンスに、彼女への思いに苦しむ
ルイスの心情がうま〜くミックスされていて、ダブルで見応えがあるんですよ
ねぇ〜。
ジュリアが替え玉だっていうのは最初からミエミエなんだけど、それでも途中
で飽きたりしはません。
キューバの風景や音楽なんかも効果的に使って、エキゾチックなムードもタッ
プリ。 "ゞ(^o^ゝ)≡(/^_^)/"""
それになんたってバンデラスとジョリーの対決が迫力満点だゾ〜！
相手の真意を疑いながらも、それでも彼女を愛しぬこうとするバンデラス。彼
をケムに巻きつつも、その一途な愛にとまどうジョリー。ガップリ四つでお互
いに一歩も引かない見事な熱演です。
ジョリーはこういう屈折しまくりの役のほうが、ピッタンコ合ってるんじゃな
いか？ 『トゥームレイダー』も悪くはなかったけどサ。今回はもっとゾクゾ
クさせてくれるもん！ （∋_∈）
ただ、難をいえば、バンデラスが新聞で妻を募集するってのはリアリティなさ
すぎ。そんなことしなくても、いくらでも美女が押し寄せるだろうに。いざと
なったら、ホンモノの奥さんのメラニー・グリフィスもいることだし……。
てのはもちろん冗談デス。 (＾0＾)
本当に気になったのはラストなんですよねぇ〜。あの大ドンデン返しはないん
じゃないのぉ？
そりゃあ、確かにサスペンス的にはウマイまとめ方だと思いますヨ。でも、２
人の愛のドラマとしては、あの結末は余計だよね。それまでの経緯から考えて
不自然だと思うなぁ〜。 (´ヘ｀;)
全体をジュリアの独白という形にしたのもちょっと疑問。
ナゾの女にああいうふうに狂言回しをさせるのはどうなのかな。ミステリアス
さを弱めちゃうんじゃないの？ なんか、全体の流れも止まっちゃう感じ。
それから、シナリオ的には、役者のキャラや演技に頼りすぎて、物足りないと
ころも感じちゃいましたネ。
特にルイスがジュリアにメロメロになっていくあたりの心情がやや描写不足。
「ジョリーが色っぽいんだからいいじゃん！」で済ませられてもねぇ。ハダカ
を出しゃいいってもんじゃないんだし……。
などとアレコレとケチをつけましたが、サスペンスという面ではまずまず合格
点をあげられる映画だと思います。
ん〜〜〜〜〜〜〜〜ものすごい大傑作！ というわけではありませんが、観客
を楽しませるのに必要な要素はキッチリ押さえているので、入場料分は楽しめ
るんじゃないでしょうか。
ちなみに、この映画の原作はウイリアム・アイリッシュの『暗闇へのワルツ』
。フランソワ・トリュフォー監督が1969年に『暗くなるまでこの恋を』（主演
はジャン・ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーヴ）で一度映画化してい
ます。（ただし、これ駄作らしいです。）
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（キチンとまとめたサスペンス。こういうのをプロの仕事というんでしょうか
。ただラストがやっぱり気に入らないなぁ〜。やりすぎじゃないの？）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2001年11月26日（月）池袋シネマサンシャインにて。午前11時20分の回。