ポーラー・エクスプレス（THE POLAR EXPRESS）
（2004年 アメリカ）（上映時間１時間40分）
監督・脚本・製作：ロバート・ゼメキス
出演：トム・ハンクス、ノーナ・ゲイ、ピーター・スコラーリ、エディ・ディ
ーゼン、マイケル・ジェッター
＊丸の内ルーブルほかにて全国公開
ホームページ http://www.polar-express.jp/
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＜ストーリー＞
クリスマスイブの夜、ヒーローボーイはサンタの訪問を疑い始めていた。する
と、突然、部屋の物がガタガタと揺れ、轟音が響き渡る。慌てて飛び起きた彼が
目にしたのは、急行ポーラー・エクスプレス。北極行きのその列車に飛び乗った
ヒーローボーイは、思いもしない出来事を体験する……。
＜レビュー＞
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最先端の技術で描く冒険ファンタジー。ディズニーランド的な魅力がタップリ
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みなさんは、いつまでサンタを信じていたでしょうか？ ボクは今でも信じて
ま〜す。 (^・^)
て、そんなワケはないのだが、「サンタを信じる心は尊いのよぉ〜〜」という
のがこの映画のテーマ。
原作は根強い人気を持つ「急行『北極号』」という絵本。それを『バック・ト
ゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス監督が、ほのぼのとしたファンタ
ジー映画に仕上げています。
この映画の最大の特徴は、「パフォーマンスキャプチャー」という新技術。役
者が演じた動きをコンピュータに取り込んで、そのままアニメ化するというも
の。なので、アニメでありながら、細かなしぐさや表情まで人間そっくり。おま
けに、顔や体つきは自由に変えられるから、トム・ハンクスが主人公の少年や列
車の車掌、サンタなど実に５役も演じてしまえるのだ。 Ｗ（゜Ｏ゜）Ｗ
この映像にはビックリですねぇ〜。動きが自然でリアル。実写ともCGとも違う
微妙な感じがなんともいえません。
ただし、個人的にはちょっと違和感もアリ。アニメにしてはあまりにも実写に
近いし、そうかといって実写ではないし……という中途半端さが、なんだかしっ
くりこない感じ。原作が絵本だけに、こういう映像にする必然性はあるのでしょ
うけど……。
物語は、サンタの存在を疑い始めた主人公を中心にした子供たちが、不思議な
列車に乗って北極をめざし、そこで予想もできない光景を目にするというもの。
そこで描かれるのは、列車が雪山を急降下で滑り降りたり、凍った池の上を滑
走して転覆しそうになったりといったハラハラドキドキの場面。つまり、ディズ
ニーランドのアトラクションのような楽しさが味わえるワケ。いわば、ビッグサ
ンダーマウンテンの雪山版といったところでしょうか（ホントは乗ったことない
けど）。
特に前半は、そういうスリリングなお楽しみ場面がギッシリ。
おまけにトム・ハンクス演じる車掌やウエイター、子供たちが歌い踊るシーン
もあって、ミュージカルのような楽しさも味わえます。
北極に着いてからも基本は同じ構図ですが、主人公たちがクリスマスプレゼン
ト工場に迷い込んで、あれやこれやでサンタに出会い、大切なことを学ぶという
ドラマも描かれます。子供たちそれぞれにクッキリしたキャラクターを設定し、
それにふさわしいメッセージを切符のパンチ穴で伝えるという仕掛けは、なかな
かの見どころ。サンタの鈴を効果的に使ったのもおもしろい仕掛けだと思いまし
た。
でもねぇ、グッと感動が胸に迫ったり、「クリスマスっていいなぁ〜」としみ
じみ思えるところまでは行きませんでしたね。あまりにもメッセージが陳腐だし、
前半の冒険がラストのメッセージにつながっていないので、上っ滑りしてる感じ
なんですよね。
もっと前半からキッチリと伏線を張って、心にしみるドラマを展開して欲しか
ったな。せっかくクリスマスらしいハートウォーミングなファンタジーなんだか
らサ。原作は、たった10数ページの絵本らしいので、そこまで深めるのは難しい
だろうけど。
ついでに言えば、サンタを信じるのをやめて大人になろうとしている主人公を、
「信じることは大切なのだ」なんて引き戻すのはどうなんだ？ もしもヤツが大
人になってパパになってもだなぁ、「サンタはいるんだ！」と言い張って、子供
にプレゼントを買ってやらなかったらどうする？ 子供は泣くぞぉ〜〜〜。「ボ
クんところにはサンタがこない〜〜〜！」ってな。そんなのカワイそうだろうが
ッ！ 父親の役割放棄だろうがッ！ ある種の児童虐待だろうがッ！ 責任者出
て来いッ！ てのはもちろんただの妄想です。 (＾0＾)
ということで、ドラマは薄味でつまらないものの、映像の迫力とディズニーラ
ンド的なお楽しみは見応え十分。物語に期待せずに観れば、ソコソコの映画だ
と思います。
ちなみにデイズニー、ディズニーと連呼しましたが、別にディズニー映画では
ありません。配給はワーナー。ディズニーでもブエナ・ビスタでもないので念
のため。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆（+1／2★）【ちょっとだけオススメ。おヒマでしたらどうぞ】
（物語はつまらないけれど、先端技術で描いた驚異の映像とジェットコースタ
ー的なお楽しみで、料金分程度は楽しめるかも。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2004年12月８日（水）池袋東急にて。午後４時30分の回。