リアリズムの宿


(2003年 日本)(上映時間1時間23分)
監督:山下敦弘
出演:長塚圭史、山本浩司、尾野真千子、多賀勝一、サニー・フランシス、天
野公深子、瀬川浩司、川元将平、康すおん、石川真希、山本剛史
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<ストーリー>
駆け出しの映画監督・木下俊弘(山本浩司)と脚本家・坪井小助(長塚圭史)
は、共通の友人である俳優の船木テツヲに誘われ、旅に出ることになる。だが、
肝心の船木が来ない。顔見知り程度の関係でしかない木下と坪井は、仕方なく
そのまま2人だけで鳥取のある温泉街に向かう。そんな2人の前に、この寒い
中、海で泳いでいたところ荷物を全部波にさらわれたという若い女性が現れる
のだが……。

<レビュー>
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ゆるくてミョーな笑いに満ちたつげ義春原作の映画
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原作はつげ義春のマンガ。
でもって、もう一目観ただけで、そこはつげワールドの映画です。飄々として
いて、シュールで、そこはかとなくおかしい世界。

2人の若い映画作家が友人とともに旅行に出る予定だったが、友人が来なかっ
たため2人だけで旅するハメに。お互いによく知らない仲なのに、いったいど
ういう旅になりますやら……。
ということで、その旅先で起きるアレヤコレヤを描いたロードムービーです。

まず、2人が泊まるのがヘンな宿ばっかりなんです。
アヤシイ外人の主人がいる宿だの、とんでもないビンボーな宿だの。
「現実にこんな宿があったら、誰も泊まらんだろう!」てなぐらいとんでもな
い宿。それがミョーに笑えてしまうのです。

そこを旅する2人もこれまたヘンなヤツ。
最後のほうで気心が通じる部分はあるものの、基本的にはまったくかみ合わな
いすれ違いの会話の連続。これもまたミョーな味になっていて、クスクス笑え
てしまうのです。

とりたてて大きな事件が起きるわけではありません。
途中で変わった女の子が合流して、ちょっぴり波風は立つものの、それもまも
なくフェードアウト。
その女の子の正体が最後で明らかになるけれど、それも別にどうってことのな
い話。

長塚圭史、山本浩司が適役で良い感じだし、ゆる〜い雰囲気がなんとも魅力的
ではあるのだが、うーむ……。

ま、ボクにとっては「だからどーした!」と言いたくなるような映画でしたね。
それなりに、笑えるのは笑えたけれど、スカスカした全体の質感が何とも物足
りない。
そういう映画だと言われればそうなんでしょうが、あんまりボクの好きな世界
ではありませんでした。ゴメンナサイ。

つげ義春の好きな人、それに『ばかのハコ船』『どんてん生活』の山下敦弘監
督のファンの方なら気に入るのでは?
どちらも独特な世界をお持ちなので、ハマる人はハマるんじゃないでしょ
うか。

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆

〔鑑賞データ〕
2005年4月 DVDにて鑑賞。

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