恋愛寫眞 Collage of Our Life
（2003年 日本）（上映時間１時間51分）
監督：堤幸彦
出演：広末涼子、松田龍平、小池栄子、山崎樹範、西山繭、高橋一生
＊丸の内シャンゼリゼほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://www.c-o-o-l.jp/
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＜ストーリー＞
カメラマンの誠人（松田龍平）の元に３年前に別れた静流（広末涼子）からの
手紙が届く。ニューヨークで個展を開くので来て欲しいというのだ。だが、一
方で彼女は現地で死んだという噂も耳にする。誠人は、一度は捨てた彼女の写
真を手がかりに、彼女に会うためにニューヨークへ飛ぶのだが……。
＜レビュー＞
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後半のつまらん展開が全体を台無しに。もったいないよ〜ん
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レトロなタイトルですなぁ〜。 (~ヘ~;)
『ケイゾク』『トリック』などの堤幸彦監督が、今度は広末涼子でラブ・スト
ーリーを撮ったというので、いったいどんな映画なのか興味津々で出かけまし
た。
売れないカメラマンの誠人のもとに、別れた恋人の静流からニューヨークでの
個展の案内状が届く。それを見て、２人の過去に思いをはせる誠人……。
というのが前半の展開。つまり、そこではかつての２人の出会いと別れが描か
れるわけ。
この前半はとっても良かったです。
何よりも感心したのが映像の見事さ。カメラアングル（衛星写真まで登場）や
、光の使い方なんかを工夫して、若い２人のみずみずしい恋愛をそのままの鮮
度で切り取った素晴らしい映像です。
なかでも効果的なのがスチール写真の使い方。誠人も静流もカメラマンという
設定から、劇中で２人の撮った大量のスチール写真が使われるんですが、これ
が実にいいんですねぇ〜。
気まずく別れて今はもういない静流。そんな彼女との過去に思いをはせる誠人
。彼の心情とスチール写真がうまくシンクロして、独特の感傷的なムードをつ
くり出しています。
よく考えればどこにでも転がっているような恋愛なのに、それが特別な恋愛の
ように輝いて見えるのは、何よりもこの映像のおかげです。
マヨネーズがけのカップラーメンやミカンといったアイテムをうまく使った演
出も見事。
そして、やっぱりヒロスエの魅力なんだよなぁ〜。このコ、テレビより映画の
方が絶対に魅力的だよねぇ〜。
カメラ的に言うと、つくづく逆光の似合う女優さんだと思います。ふだんの明
るさと、逆光の中で見せる陰のある表情のコントラストが、ボクのハートを直
撃しちゃうんですヨ。こんな演技ができるんだから、大学サボッても許す！
やや不満なのは、堤作品らしくユーモアがあちらこちらに詰め込まれているん
ですが、残念ながらベタなギャグが多くて、イマイチ笑えないこと。
それに、全編が誠人の英語による独白で構成されていて、それはそれで効果的
なんですが、あんまりそればっかりだとちょっとクドい感じ。
それでも、前半は傷つきやすい２人のナイーブな恋愛が描かれて、かなりの満
足度。このままのペースで進んで、最後には大感動が……と期待するのは当然
でしょ？ (^_-)-☆
ところが、なんともまあ、そこから先の展開がどうしようもないのヨ。
友達から静流は殺されたはずだと聞かされて、事実を確かめるために誠人はニ
ューヨークに渡る。そして、静流の行方を追うのだが……。
というのが後半の展開なんですが、これがデキの悪いサスペンスみたいでどう
にもつまらない。ストーリーがどうしようもないんだよね。
おかげで、前半はまずまず隠し味になっていたユーモアも、なんだかシラケる
ばかり。
映像は相変わらずいいし、演出もテンポがあるのに、これじゃちっとも楽しめ
ません！！ (｀ヘ´)
そして、いよいよ明かされる静流に関する驚愕の真実。 Ｗ（゜Ｏ゜）Ｗ
て、そりゃないでしょう。だって、途中で「まさかそんなつまらないカラクリ
じゃないよな」と予想した最悪の展開なんだもん。ダメだって、こんな陳腐な
展開に持って行っちゃ。
しょーがねぇなぁ。いまどきＢ級サスペンスだってこんな展開ないぜ。脚本が
ひどすぎるよねぇ。これじゃ、前半で稼いだポイントが全部台無しだよ〜。
ラストには感動のシーンが登場して、それを盛り上げる山下達郎の曲も流れる
んだけれど、今さら手遅れだって。どうしようもない後半の展開のおかげで、
感動なんてちっともできませんでした。
後半であえて見どころをあげれば、小池栄子でしょうか。このコ、スゴイです
。根性が据わっています。コワイです。目の前に現れたら、悪いことしてなく
ても即座に謝っちゃいます。 ｍ（．＿．）ｍ
それにしても、前半と後半でこんなに落差のある映画も珍しい。もったいない
なぁ。後半の脚本を練り直して、もっと深みのあるストーリーにすれば、感動
の嵐がズンズンと押し寄せたと思うのに……。
いくら演出に凝っても、脚本がつまらないとこんな映画になってしまうという
見本のような映画でした。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
（前売券は1000円ですが、それでもまだ高すぎる感じ。見応えがあるのは前半
だけなんだもん。）
＜ぽち＞
〔鑑賞データ〕
2003年６月18日（水）シネマサンシャインにて。午後３時40分の回。