魚と寝る女 (THE ISLE)
（2000年 韓国）（上映時間１時間30分）
監督・脚本：キム・キドク
出演：ソ・ジョン、キム・ヨソク、パク・ソンヒ
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＜ストーリー＞
湖の上に点在する釣り小屋を管理する女ヒジン（ソ・ジョン）。時には娼婦ま
がいのこともする彼女だったが、なぜかまったく口をきかなかった。そんなあ
る日、恋人を殺害した元警官のヒョンシク（キム・ヨソク）が、客としてやっ
てくる。自殺を考えていた彼だが、どうしても拳銃の引き金が引けない。そん
な彼に、ヒジンは同じ種類の人間の匂いを感じ、２人の間には微妙な感情が芽
生えはじめるのだが……。
＜レビュー＞
ス、スサマジイ情念のぶつかり合いじゃ〜〜〜〜！！！
こんなにドロドロした世界を描いた映画は珍しいんじゃないのか？ あまりの
激しさに途中でちょっと引いちゃいましたヨ。 _(^^;)ゞ
はたしてあなたは、このエキセントリックで残酷な世界に耐えられるのか？
(？_？)
湖の上の釣り小屋を管理する、口をきかない女ヒジン。小船で釣り小屋を回り
、釣り道具や食料などを販売。ついでに春まで売ったりしている。
そこにやってきた陰のある男ヒョンシク。実は彼は恋人を殺して逃げてきた元
警官だった。
そんな２人の男女が織り成す愛憎劇を、湖の上という限定された場所を舞台に
描いた作品。
まあ、屈折した２人だから、フツーの男女の恋愛と違っちゃうのは当然でしょ
う。特に主人公ヒジンのケタ外れな激情ぶりがスゴイったらありゃしない。「
そこまでするのかぁ〜!?」って感じで、やるせない思いをそのまま行動に持っ
ていってしまうのだ。
彼女が口をきかないだけに、その情念の激しさがよけいにこちらに迫ってくる
。観ているうちに、背筋が寒くなってきちゃいましたよぉ〜。 (>_<")
一方、ヒョンシクもこれまた心に傷を抱えるだけに、時には想像もつかない過
激な行為に出たりする。
そんな２人が真正面からぶつかり合う。まさにドトーの愛憎劇。その圧倒的な
迫力には言葉も出ません。 W(゜o゜)Ｗ
目を背けたくなる場面もたくさんあって、血もけっこう流れます。
おぉら掛かったぁ!! (;｀O´)o／￣￣￣￣￣￣￣~
（∋_∈）
コラコラ、キミは何を釣ってるんだ。それは魚じゃなくて人間でしょうがッ。
ゲー！ （゜o゜）
てな感じで、釣り針がとんでもないことに使われます。気の弱い人は覚悟して
観たほうがいいですゾ。
でもねぇ、全体的にはガマンできないほどエグイわけじゃないんです。
どうしてかというと、まず「湖の上の釣り小屋を小船で回る女」というユニー
クな設定が、いかにもファンタジーっぽくて残酷さを消しているから。
それに、映像が美しすぎる！ まるで水墨画でも見ているような、幻想的で、
詩的な湖の情景。それが、ドロドロした世界をうまい具合に中和しているんで
すよねぇ。
このへんの演出のバランス感覚は見事というしかありません。 (*^。^*)
ただ、ドラマ的には、あまりにも都合が良すぎるところがあるんです。
おまけに、２人の男女の心の変化が理詰めで描かれているわけじゃないから、
ちょっとツライ。激情のおもむくままにドドーッと進んでしまうところに、違
和感を感じてしまう人もいるんじゃないかな？
まあ、それでも意欲的な作品には違いありませんね。
力強く大胆な描写と、幻想的で繊細な描写が共存して、独特な世界を形成して
います。
エロティックで哲学的な、ラスト・シーンも美しい。
監督はこの作品が日本初公開のキム・キドク監督。
そして主役のヒジン役は『ペパーミント・キャンディー』のソ・ジョン。セリ
フはまったくナシで体当たりの熱演。それであれだけのスサマジイ情念を見せ
つけちゃうんだから。アッパレですなぁ〜。＼(^O^)／
そんなこんなで、韓国映画の奥深さをまた１つ思い知らされたユニークな映画
でした。
それにしても、あのヒジンの激情はスゴイ！！！ ある意味で、純粋なのかも
しれないけどサ。女の人ってみんなああなの？ まさかねぇ。
男の観客には、理解しにくいところがあるんじゃないでしょうか。
もしかしたら、これを観た男性は、奥さんや恋人が急にコワク見えるようにな
ったりして……。 (＾0＾)
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
（個人的にはおもしろかったけど、誰にでもオススメできる映画じゃないです
ね。ありきたりの恋愛劇やハリウッド流エンターティメントに飽き飽きしてい
る人にはいいかも。）
＜ぽち＞